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認知症予防にカレーが効果的!高齢者に好かれる調理例とコツ

Curry rice

カレーはインドの伝統料理ですが日本に入ってから独自の進化を果たし、今では日本の国民食のひとつになりました。

嬉しいことに、そのカレーに含まれるスパイスに認知症を予防する効果のあることが分かってきています。

これからはもっとカレーを食べて、高齢化社会の問題になっている認知症を予防していきませんか。カレーの持つ健康効果と認知症予防におすすめのカレーのアレンジ法を紹介していきたいと思います。

日本人が愛してやまないカレーは手軽でおいしく認知症も予防

カレーは17世紀にインドからイギリスへ伝わり、日本へは明治時代にイギリスから伝わってきました。ご飯にかけるだけで食べられる手軽さが一般大衆に受け入れられ、カレーは日本の国民食になっていったのです。

インドのカレーはさらっとしていますが、日本のカレーは小麦粉でとろみをつけてじゃがいもやにんじんなどの野菜がごろごろ入った欧風のシチュー型になっています。

共通するのは複数のスパイスが使われている点。このスパイスにはさまざまな薬効があることも知られています。

そして、薬効で近年注目されているのが「認知症を予防する効果」なのです。

スパイスをふんだんに使ったカレーを常食するインドでは、70~80歳代におけるアルツハイマー病の発症頻度がアメリカの1/4と低くなっていることも分かっています。

認知症は、体質や生活習慣に加え食生活が脳に酸化ストレスを与えて炎症を起こすために発症します。このことから、脳の酸化ストレスをやわらげる食生活を心がけることで、認知症を予防することが可能と考えられようになってきました。

脳の酸化ストレスをやわらげる成分にはポリフェノールが知られますが、スパイスに含まれる成分にもポリフェノールと同じ作用があるとして研究が進められるようになったのです。

カレーという名前の由来は、インドの言葉でスパイスの効いたスープ状の料理「カリ」から来ているとも言われます。

「手軽」「おいしい」「体に良い」と3拍子揃っていれば、国民に絶大な支持を得たのも納得できますね。

ターメリック=ウコンに認知症を予防する効果あり!

特に認知症の予防効果について研究が進められているのは「ターメリック」というスパイスです。ショウガの仲間で、和名では鬱金(ウコン)とも呼ばれます。ウコンと聞けばよく知っている方も多いでしょう。

turmeric

黄色い色素が特徴で、カレーの色付けに欠かせない存在です。実は、たくあんの着色料にも使われているのもターメリックなんですよ。

金沢大学大学院医学系研究科神経内科の山田正仁教授により、ターメリックに含まれる「クルクミン」という成分に、認知症の原因となる「アミロイドβタンパク」の凝集を抑制したり分解したりするはたらきのあることが報告されています。

アルツハイマー型認知症は、脳細胞の死滅で起こる病気。これは、脳細胞にアミロイドβタンパクが蓄積して老人斑ができたり、異常リン酸化タウタンパクという成分が線維化したりすることが原因で起こります。

クルクミンは抗酸化作用・抗炎症作用によってアミロイドβタンパクを抑制し、クルクミンの濃度が高いほどその効果は強くなります。

さらにアルツハイマー型認知症だけでなく、「レビー小体型認知症」や脳の病気「パーキンソン病」で脳の炎症を抑制することも分かっています。

これらのことから、ターメリックを食事に取り込んでいけば認知症が予防できる、と期待されるようになりました。

ターメリックだけじゃない!ほかのスパイスにも薬効が

カレーを食べると、脳内の血流が約4%増加することも分かっています。

ターメリックの抗酸化・抗炎症作用に加え、カレーの辛さと風味を作り上げている複数のスパイスが脳の血流を増やす作用を持っているので、カレーに脳の老化を予防して認知症の発症リスクを抑制する効果が生まれるのです。

脳の血流を促進させるカレーのスパイス

カルダモン
ショウガ科カルダモンの種子。甘く爽やかな芳香がある。
ディルシード
セリ科ディルの種子。刺激的な香りを持つ。
クミンシード
セリ科クミンの種子。カレー風味の中心となるスパイス。
コリアンダー
セリ科コリアンダー(香菜)の種子。クセのない甘い芳香がある。

そのほか、甘くエキゾチックな芳香を持つことでおなじみのシナモンはカレーにもブレンドされており、脳細胞のタウ繊維形成を阻害するはたらきがあるがあるともいわれています。

スパイスはたいていのスーパーで手軽に購入することができます。薬効を得るために、さまざまなスパイスをキッチンに揃えてみるのも良いでしょう。

しかし日本人はスパイスにあまりなじみがないので、エスニック料理のような本格的なスパイス料理は苦手な人が多いかもしれません。そんな時には国民食のカレーが役に立つのです。

家庭でカレーを作る時には、市販のカレールーを使う方法が一般的ですよね。カレールーには、あらかじめ複数のスパイスがブレンドされているので、嬉しいことにいつものカレーを食べるだけでスパイスの薬効がひとまとめに得られるのです。

スパイスの効いたエスニック料理は苦手な人が多いかもしれません。その点、カレーなら家族みんなの大好物なので食卓に出しやすく、お年寄りの認知症予防にも役立ちますよね。

認知症予防になる高齢者にも安心でおいしいカレーのコツ

高齢者の認知症を予防するために提案したいのは「辛くなくて食べやすいカレー」です。辛いカレーは、食が進みにくいだけでなく胃腸に強い刺激を与えるので、かえって高齢者には逆効果です。

市販のカレールーは、万人の味覚に合うようにスパイスが調合されており、子どもからお年寄りの口に合うカレーが作れるのがメリットです。

カレールーには、色付けのためにターメリックが多く使われているのですが、さらに認知症の予防効果を高めるならば、スパイスを加えるもうひと手間がおすすめです。

中には「スパイスを入れたら辛くなるのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、今回紹介するターメリックやカルダモンなどのスパイスは辛くないので、高齢者向けのカレーにも安心して使えます。

実は、カレーが辛いのはスパイスに唐辛子や胡椒が使われているためで、それ以外のスパイスは辛くないのです。

中でも辛みづけの中心はレッドペッパーという胡椒なので、レッドペッパー以外のスパイスで作れば、辛くなくて認知症にも良いカレーを作ることができます。

ちなみに辛口カレーは、甘口カレーにレッドペッパーを追加したものなので、甘口でも辛口でも認知症の予防効果は変わりません。

辛さに弱い人は、無理をしないで甘口カレーを召し上がってくださいね。

辛くならず減塩効果も!カレーの鍋にスパイスを加えて

用意するもの
市販のカレールー、お好みのスパイス
作り方のポイント

市販のカレールーを使ってカレーを作ります。カレールーはいつもより少し減らし、ルーを入れた後にスパイスを大さじ1杯程度加えます。

スパイスは

  • ターメリック
  • カルダモン
  • コリアンダー
  • クミンシード

がおすすめ。1種類でも数種類でもかまいません。

これらは入れ過ぎるとカレーの味が大きく変わってしまって口に合わなくなる場合があるので、少しずつ味の変化を確認しながら加えるのがおすすめです。

基本はカレールーで作ったカレーなので、いつも食べている味から遠くならず食べやすいカレーに仕上がります。

またルーを減らすので減塩効果も得られ一石二鳥ですよ。

簡単!カレーの仕上げにガラムマサラを一振り

用意するもの
市販のカレールー、ガラムマサラ

最も簡単なのは、カレールーで作ったいつものカレーにスパイスを一振りする方法です。

作り方のポイント

火を止めたカレーにガラムマサラを大さじ1杯前後入れるか、お皿に盛ってから一振りし、カレーによく混ぜてから食べます。辛さに苦手な人は少量から試してください。

ガラムマサラは煮込むと香りが飛んでしまうので、食べる直前にカレーに加えるのがポイントです。

ガラムマサラは、シナモン、クローブ、ナツメグにコリアンダー、クミン、カルダモンなどがブレンドされたミックススパイス。カレー粉との違いは、ターメリックが使われていない点です。

「ガラム=辛い」「マサラ=粉状のスパイスを調合したもの」という意味を持ち、スパイスがバランス良く調合され、ブラックペッパーが入っているのでほど良い辛さもあります。

ガラムマサラはスパイスのバランスが良いので万人向けで、認知症に良いスパイスがまとめて摂取できるのが魅力です。

少し辛くても大丈夫な方にはおすすめ。でもかけ過ぎには注意してくださいね。

ルーを使わないカレー・辛さ控えめなスパイスのブレンド

カレールーは塩分や脂質が多いので、高血圧や高脂血症の人にはカレールーを使わないカレーがおすすめです。レッドペッパーを使わないことで辛くないカレーを作ることもできます。

レシピの一例になりますが、テレビ東京の「主治医が見つかる診察所」という番組で、レッドペッパーを使わないカレー用スパイスのレシピが紹介されていたので掲載しておきたいと思います。

【キャベツカレーのレシピ(当時から小泉医師が食べていたカレー)(4人前)】
材料
キャベツ 小1個・トマト1・タマネギ1/2個・ジャガイモ1個・ショウガ 少々・ターメリック 小さじ1・クミンホール 小さじ1・ガラムマサラ 小さじ1/2・クミン小さじ1/2・赤唐辛子 小さじ1/2・ベイリーフ1枚

【特製チキンカレー用スパイスのレシピ(高齢の父と伯母の事を考えたスパイスを配合したカレー)(4人前)】
材料
コリアンダー 大さじ1・ターメリック 小さじ2・クミン 小さじ2・ガラムマサラ 小さじ1/2・クミンホール 小さじ1/2・赤唐辛子 小さじ1/2・シナモンスティック 1/3本・ベイリーフ1枚

スパイスから作るカレーの基本的な作り方も紹介しておきますね。

  1. 熱した鍋またはフライパンに油を入れ、肉を炒める
  2. スパイス・塩を加えて炒める
  3. 野菜を加えてさらに炒める
  4. 水を加えて30分ほど煮込む
これならパクパクいけそうですね!スパイスには食欲増進作用もありますよ。

スパイスを使う場合、スパイスのブレンドは多少アレンジしても良いし、トマトピューレやヨーグルトを加えてもおいしくなりますよ。

それほど難しくないのでいつもと違うカレーが食べてみたい方は是非挑戦してみてくださいね。

ライスや具の工夫でスパイスの薬効をさらに高めましょう

スパイスの効能を活かすために、ライスやカレーの具を工夫するのもひとつの手です。

カレーの具におすすめの食材

認知症に良い上にカレーとの相性も良い食材です。

大豆

大豆に含まれるレシチンは脳細胞を構成する重要な成分で、アルツハイマー型認知症を予防する作用があります。またターメリックの吸収を促進させる効果もあり、「カレー+大豆」はまさに認知症予防にピッタリな組み合わせといえます。

大豆の水煮を具にしたり、トッピングに納豆を乗せると良いでしょう。

サバ缶

サバやイワシなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)には、脳の機能を高め、脳の老化を予防する効果があります。

カレーに青魚を入れる時は、サバ缶(サバの水煮)を使うのが手軽でおすすめです。カレールーを溶かした後にサバ缶を汁ごと加え、ショウガやネギを入れて煮込めば、おいしいサバカレーの出来上がり。

オリーブオイル
オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸もターメリック同様に、アミロイドβタンパクを抑制する作用を持っています。

カレーの具を炒める時に使う油はオリーブオイルで決まりですね。

GABAの多い野菜

GABAは野菜や穀物に含まれ、脳機能を改善する効果のある成分です。カレーにはGABAを多く含む野菜をプラスしましょう。偶然にもGABAの多い野菜には、カレーの具にもピッタリな物が多いようです。

  • トマト
  • ジャガイモ
  • ナス
  • カボチャ
  • キャベツ

「ライス+α」でも効果を高められます

ライスに食材を加えて薬効を高めるという手もあります。

ターメリック

鮮やかな黄色が美しいターメリックライスにカレーをかけて食べます。黄色には食欲をそそる効果があるのです。

ターメリックは、サフランライスやパエリアに使う「サフラン」の代用に色素として使われることがあります。サフランは高価ですがターメリックは安価なためです。

ターメリックライスの作り方は簡単。ご飯を炊く時、水煮ターメリックを小さじ1杯ほど加えて普通に炊くだけです。

ピーナッツ

ピーナッツを細かく砕いてご飯に混ぜ込み、カレーをかけて食べます。ピーナッツも大豆同様にレシチンが多い食材です。

香ばしさとカリカリした食感のアクセントが生まれ、カレーのおいしさが引き立ちます。硬い物が苦手ではない方におすすめです。

大量摂取で健康被害も?スパイスを使う時の注意点

スパイスは古くから生薬として用いられており、食事に使って取り込むことで病気を予防したり体調を整える効果が大いに期待できる食材です。

だからといって大量摂取するのは逆効果。スパイスに含まれる成分が健康被害を起こす可能性もあるからです。

ターメリックやシナモンは、大量摂取すると肝臓障害を引き起こす危険性があることが示唆されています。

またクミンは適量なら消化を促進させる効果がありますが、どのスパイスも大量摂取すると胃腸に刺激を与えて機能を低下させてしまう可能性があるので、使い過ぎは禁物です。

もちろん、カレーに使って食べる程度の量なら問題ありません。「インドの人にカレーの食べ過ぎで健康被害が続出」という話も聞いたことはありませんよね。

ですが、薬効を期待してカレーにスパイスをドバドバと投入したり、毎日3食カレーにするような極端なスパイス使いはくれぐれも避けていただきたいと思います。

ほかにも嬉しい薬効がいっぱい!家族中でカレーを食べよう

最後に、認知症の予防に効果があるカレー作りのポイントをおさらいしておきます。

  • ターメリックに認知症予防効果がある
  • カレールーに含まれる複数のスパイスにも認知症予防効果がある
  • 甘口・辛口の薬効は変わらない
  • 高齢者には辛くなく食べやすいカレーを
  • カレールーをベースにすれば日本人の口に合わせやすい
  • 「プラスα」でさらに薬効を高める
  • スパイスは使い過ぎない

カレーのスパイスには認知症予防効果のほかに、消化促進、血行促進、脂肪燃焼などの嬉しい薬効があります。

高齢者の方だけでなく若い人も一緒にカレーを食べて健康管理に役立てていきましょう。

キャラクター紹介
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