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痴呆症の予防は食べ物で!100歳まで元気で長生きな人の食事とは

食事を楽しむ高齢者たち

超高齢化社会と言われる日本ですが、ネガティブな面だけではなく、100歳を超えてなおお元気な皆さんを見ていると、もっと頑張っていきたいと感じるのは私だけではないでしょう。

聖路加国際病院の名誉院長先生(105)とか、100メートル走(105-109歳の部)世界記録保持者のランナーさん(105)とか、羨ましい限りの健康長寿っぷりです。

100歳を超えた人たちの生活を見てみると、秘訣は「食事」「運動」「朗らかさ」であるようです。今回はその食事について健康長寿のポイントを探ってゆきましょう。

長寿とは健康寿命が長い状態であるべき!

長寿と言うと、どうしても平均寿命の単純比較をしてしまいがちです。しかし、平均寿命だけを見た場合、長生きと言う要素の他に「乳児死亡率の低さ」と言うものが非常に重要になってきますので、単純に寿命の長さとして見ることができません。

大雑把に例えれば、本来100歳まで生きるはずだった人が、全員90歳で死んだ場合、平均寿命は10年縮まって90歳になります。しかし、1人だけ生まれてすぐ死んで、あとの9人が100歳まで生きても平均寿命は90歳と言うことになるのです。

大事なのは健康寿命

健康寿命と言うのは、介護・介助を必要とせず自立した日常生活を送ることのできる生存期間のことを指します。世界ではメジャーなものとして3種類の統計の取り方がありますので、単純比較は難しいのですが、それでも日本はトップクラスです。

健康寿命上位4カ国の健康寿命と平均寿命の比較グラフ

これは厚生労働省が集めたデータをグラフ化したものですが、平均寿命や健康寿命とその差の期間を見ても、どの国も概ね同じくらいになっていますね。

男性で9年~10年、女性で11年~12年程度の差があります。つまり、人生の最後の方で、それだけの期間誰かの助けを得なくては日常生活ができないということを表しています。

また、このグラフには惜しくも入らなかった、オーストラリアや韓国、イタリアなども、ほとんど同じレベルの数値が出ているのです。

でも、最後の1年くらいはやむを得ないとしても、できれば最後まで自分の力で生き抜きたいと思うのは、皆さん共通の願いではないでしょうか。

ヨーグルトだけじゃ健康長寿は望めない

健康長寿と食べ物と言えば、まず思い浮かぶのがヨーグルトです。日本で現在のようなプレーンヨーグルトが広まるきっかけになったのは、コーカサス地方の長寿村の話題からだったのではないかと思います。

また、戦前ですが、ロシア人の細菌学者がブルガリアのある地方で長寿の人が多いのは、ヨーグルトを常食する習慣がある身体と言う研究を発表したりしています。

コーカサスやブルガリアの話題が広まるまでは、ヨーグルトと言うと、甘味をつけて寒天などの凝固剤で固めた、広口で背の低い牛乳瓶に入ったものでした。

それ以前にも今のようなプレーンヨーグルトがあったようですが、まったく普及しなかったようですね。

こうした、「話題になったヨーグルト」と言うのが比較的寒い地方の国であったことから、ヨーグルトと言うと寒い地方のイメージもありますが、実際にはアジア・ヨーロッパに産地は広がっていますし、発祥の地も暖かい地方だと考えられています。

実際、室温に近い温度で発酵するのは、一部の菌だけで、ほとんどのヨーグルト乳酸菌は40℃~45℃くらいが至適温度とされています。

そして、ヨーグルトを食べているから長生きだと考えられた地方で、その後に行われた大規模研究では、実際のところそれほど長生きだというデータは得られなかったそうです。

このように、ヨーグルトを食べておけば健康で長生きなどと言うことは期待できないと考えて良いでしょう。しかし、ヨーグルト自体は優れた栄養を持つ食品ですから、毎日の食事にはぜひ組み込みたいものだと言えます。

ヨーグルト=長寿と言うイメージは確かにあります。やはりテレビコマーシャル、それもずいぶん昔に見たものの威力なのかもしれませんね。

食生活の基本は日本食から塩分を減らしたものが理想的

主に先進国・中進国になりますが、世界中で外国のどこかで食べているものが健康に良いのではないかと言うことが、常に話題になります。特にテレビのバラエティ番組では良い話題になるようですね。

そうなってくると、世界で一番平均寿命や健康寿命が長い国に注目が集まります。そう、それは日本なのです。残念ながら、男性の平均寿命だけを見ると日本はイタリアと並んで同率6位です。

しかし、日本より上位の国は2300万人のオーストラリアを除いて、人口が1000万人に満たない国ばかりで、日本と同率のイタリアですら、日本の半分未満の人口しかありません。

1億人以上の人口を持ち、なおかつ世界トップレベルの平均寿命・健康寿命を誇る日本の食事に世界の注目が集まるのは当然でしょう。

日本の食事は1975年ごろのものがベスト

東北大学の研究によると、健康にいいとされている日本食でも、年代ごとに差があるはずだということに着目した研究を行ったそうです。その結果、動物実験で1975年当時の日本食が最も長寿と学習機能の維持に有効だということが判りました。

そして、さらに今度は人間に実際の食事をしてもらって影響を調べたところ、やはり当時の食事が最も好ましいということが判りました。

実験1として軽度肥満者に、実験2として健常人に与える影響を現代食(日本人の食事摂取基準に準じた食事)と比較しました。

実験1の結果、現代食群と比べて、1975年型日本食群において、BMI(体格指数)や体重が有意に減少し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)やヘモグロビンA1c(糖尿病の指標)、腹囲周囲長が減少傾向。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加傾向を示しました。

実験2の結果、現代食群と比べて、1975年型日本食群において、ストレスの有意な軽減、運動能力の有意な増加が見られました。以上より、1975年型日本食はヒトの健康維持に有効であることが示されました。

健康的な日本食の特徴

1975年ごろの食事の特徴

上の引用の中には、1975年ごろのメニューの例が写真で入っているのですが、写真が小さくて判別しにくいので、推定になりますがメニューの内容を文字で書き起こしてみましょう。

朝食 昼食 夕食
メニュー1 アジの一夜干し
あさりの酒蒸し
漬物
味噌汁
ごはん
牛丼(豚丼)
こんにゃくの煮物
味噌汁
アジフライ
レンコン煮物
ズイキお浸し
味噌汁
ご飯
メニュー2 野菜入り卵焼き
ひじきの煮物
漬物
味噌汁
ごはん
ハムと野菜のサンドイッチ
プチトマト
パセリ
ウインナ入りコンソメスープ
リンゴ
ぶどう
カレイの煮付け
かぼちゃといんげんの煮物
冷奴
味噌汁
ご飯
メニュー3 オムレツ
ウインナと野菜のソテー
バナナ
リンゴ
ロールパン
牛乳
わかめ入りきつねうどん
みかん2個
アジの煮付け
田楽
 (豆腐)
 (大根)
 (里芋)
 (こんにゃく)
味噌汁
ご飯

こうして見てみると、やはり魚が中心の献立ですね。ただ、当時もお肉を食べていなかったわけではありません。1975年と言えば、鯨肉の流通は減ってしまっていましたが、既にブロイラーが一般化していましたから鶏肉も安くなっていました。

さらに、1971年には豚肉も輸入が自由化されていたため、それなりの消費量はあったでしょう。それでも、価格的な面で牛肉は今より高価で食べにくいものであったと思います。

この研究の動物実験段階では、1990年の食事も、現代のものよりは健康に良かったという結果が出ています。年代的に見ると、1991年に牛肉の輸入自由化が行われて、牛肉の価格が一気に下がり、現在の食生活バランスに近づいたことがわかります。

昔はイワシなんて一盛りいくらとかだったので、1匹いくらと言われるとちょっとびっくりです。価格の変動と言うのは食生活を直撃しますが、そこは工夫で乗り切りましょう。

食生活の基本はバランスから

確かに魚をたくさん食べて肉類を抑えることが、健康に役立つことは間違いないと言えるでしょう。しかし、栄養素としてのポイントを押さえておけば、魚ばかりを食べなければいけないということはありません。

大切なのは栄養素で見た食事のバランスなのです。そしてもう一つは日本食の弱点である塩分過多と言うことに充分注意を払っておくことですね。

平均寿命の推移に見る日本の生活

まだまだ戦争の傷跡が癒えていなかった昭和22年、1947年の日本人の平均寿命は男性で50.06歳、女性で53.96歳でした。

つまり、昭和22年に生まれた人は、親御さんから「この子は『長生きできれば』21世紀まで生きられるかも知れない」と期待されたことでしょう。昭和22年生まれと言うと、2016年の誕生日を迎えてもまだ69歳、皆さんお元気な方ばかりですよね。

もちろん医学の目覚ましい進歩と言うものも見過ごせませんが、もっとも大きく影響したのは食生活の向上でしょう。

1975年当時は上でお話ししたように、牛肉の輸入自由化こそまだでしたが、豚肉や鶏肉が鯨肉にとって代わり、今の食生活に近いたんぱく質豊富で、長寿に役立つ食生活に変わって行った頃でもあります。

一方で、大阪万博の翌年である1971年にはカップヌードルが発売されていますし、1975年にはペヤングの焼きそばも発売され、インスタント食品も市場をにぎわすようになっていました。

この1975年の日本人の平均寿命は男性71.73歳、女性76.89歳と飛躍的に伸びました。そして、現在はそこから男性で8歳くらい、女性で10歳くらい伸びていますね。2050年には女性の平均寿命が90歳に届くだろうと予測されています。

そうなってくると、やはり健康寿命と言うものをいかに伸ばすかと言うことが重要になってきます。

厚生労働省は外食・中食にも栄養バランスを提示している

私たち自身も、気を遣っているようで、忙しさに負けて無頓着になっていることってありますよね。正直、この忙しいのに栄養バランスなんて考える暇がないという人も少なくないでしょう。

そこで役に立ちそうなのは、厚生労働省が2015年に示した「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」です。これは事業者などが提供する食事を組み立てる際の参考にするために示されたものです。

しかし、このデータは私たちの普段のメニューを考える時にも役立ちそうです。そのまま紹介してもいいのですが、少しひもといて見ましょう。

カロリー多め(650kcal~850kcal)とカロリー少なめ(~650kcal)の2種類がありますが、一般女性や中高年男性向けのカロリー少なめの方を紹介します。一食分650kcal未満ですから、メインの食事のものと考えてもらえればいいでしょう。

4種類の献立グループがあるがたんぱく質優先で考えてみる

献立のグループは主食・主菜・副菜・乳製品と果物の4つに分かれています。このうちたんぱく質の量でコントロールしている主菜から見てみましょう。

主菜はたんぱく質10g~17gとなっています。しかし、たんぱく質は非常に重要なので、最大限摂ったとして17g摂れるだけの量を見ます。

食品名 重量 カロリー
牛肩ロース 95g 228kcal
鶏卵 138g 208kcal
納豆 103g 206kcal
真さば 83g 205kcal
豚肩肉 93g 199kcal
シマアジ 78g 131kcal
鶏むね肉 80g 116kcal
あさり水煮缶 84g 96kcal
シーチキン水煮 93g 90kcal

このたんぱく質を摂るのが目的の主菜は、上限として250kcal未満に抑えることが推奨されています。ですので、上の方に挙がっている食品は調理の際に油を使ったり、衣を付けたりすることは避けた方がいいですね。

一方、ノンオイルのシーチキンなどは、マヨネーズなどの油を使った調味料を使用しても問題さなそうです。

ただし、油漬けの方のシーチキンは250kcal未満ではたんぱく質を17g摂ることができません。牛肉でもバラ肉や脂身の多いステーキ、豚肉では肩ロース肉以上の脂身を持つお肉はカロリーオーバーになってしまいます。

野菜は200gを目安に食べる

野菜・いも類・海藻類・きのこ類は、緑黄色野菜を必ず含んで2種類以上食べることが必要です。ほうれん草としめじのオリーブオイルソテーとか、わかめの酢の物とかぼちゃの煮つけとか、いろいろ工夫できると思います。

合計重量で120~200gですが、野菜などはそれ以上摂っても全く問題ありません。緑黄色野菜は「従来から緑黄色野菜に分類されたものと、βカロテンを600μg/100g以上含むもの」という定義です。

トマトやピーマンは基準以下の含有量ですが、1回にたくさん食べやすいので緑黄色野菜に含まれています。一方、ダイコンの葉っぱやカイワレ大根なども緑黄色野菜ですので、手軽に利用できて便利ですね。

いも類も副菜としてカウントされていますが、カロリーや糖質が多くなりがちなので、里芋や長芋を上手に利用してください。一方、海藻やきのこ類は調味に注意すればカロリーは低く抑えられます。

副菜のカロリーは150kcal未満に抑えて下さい。ただ、例えば油を使った料理でも、ほうれん草150gとしめじ100gをオリーブオイル小さじ1でソテーした場合でも85kcalにしかなりませんので、油は野菜を使った副菜で摂るのがお勧めですね。

主食は炭水化物の量で決める

この場合の炭水化物は、糖質の量と考えてもらうといいでしょう。例えば全粒粉パンとか、雑穀入りのご飯だとかになるとそれなりに食物繊維の量が炭水化物の量に入ってきます。食物繊維は差し引いて、糖質量で考えましょう。

1食当たりの量は40g~70gの糖質で、カロリーとしては350kcal未満です。ただし、トータルで見た場合650kcal未満にする必要がありますから、主菜と副菜でぎりぎりまで食べた場合、主食は250kcalが上限になります。

でも、普通の白ご飯0.5合で150gくらいです。この時の利用可能炭水化物は52gで、カロリーは252kcalですから、充分コントロール可能な範囲に入りますね。

一方、パンの中でもバターをたっぷり使うタイプのものは、糖質が抑えやすい一方で、カロリーが高くなりがちですので注意して食べて下さいね。満足度も低いですし。

乳製品・果物はカロリーにカウントしなくても良い

誤解のないようにあらかじめ言っておくと、一日のカロリーを考える際には必ずカウントしなくてはいけません。ただ、一食として考える時にはカロリーよりも栄養成分として重要なので、カウントしないと言うだけです。

牛乳や乳製品は100g~200g程度で150kcal未満を摂って下さい。グラムはmLに置き替えても問題ありません。ただ、プレーンヨーグルトや成分無調整牛乳の場合200gで150kcalを超えることはありませんので、味付けにだけ注意して下さい。

一方、果物についても100g~200gで100kcal未満を摂って下さい。カロリーは100kcal未満に抑えて下さいね。果物で避けた方がいいのはアボカドとドリアンです。この2つは100gで100kcalを簡単に超えてしまいます。

また、以下のように量を抑えてください。

130g以下に抑えるべき食べ物
バナナ・あけび・ホワイトサポテ・きんかん・ぐみ・マンゴスチンなど
170g以下に抑えるべき食べ物
さくらんぼ・りんご・マンゴー・ライチ・いちじくなど

果物と乳製品の健康に関する効果は非常に期待できますので、量に注意しながら必ず摂って下さいね。

トータルの塩分量は1食当たり3gまでにする

日本食で一番の弱点は塩分量の多さです。他の栄養バランスは抜群なのですが、旧来の日本食で見た場合、食塩の量が許容量の2倍以上になることも珍しくありません。

味付けのポイントは、塩より醤油・みそ・塩麹と言った発酵食品を使うことです。さらに酢やお酒、みりん、出汁などをうまく組み合わせて塩分を少なくする工夫が重要です。

また、塩を塩として使う場合は表面に振りかけて味をつけ、塩を浸みこませないようにすることが濃い味でありながら減塩になる手法ですね。

日本食は栄養バランスから健康長寿に役立ちますが、塩分の摂り過ぎで高血圧を招き、その結果高血圧による脳卒中を引き起こしてしまうと、それはそのまま認知症などの原因になってしまいます。

また、脳血管障害は、後遺症として介護が必要になるケースも少なくありません。そうなるとそこから先は健康寿命と呼べなくなってしまいます。食事の内容も大事ですが、塩分に注意することは非常に重要です。

1975年と言えばコンビニのローソンができた年ですが、ローソンの原型は、アメリカ・オハイオ州の牛乳屋さんローソン氏に由来するそうですよ。

元気な人のインタビューの共通点は「なんでも食べること」

さて、世界で最も長寿な国の食生活をもう一度見直すことで、私たちにも健康長寿がもたらされるとことは間違いないでしょう。

マスコミのインタビューなどで、100歳以上の方のお話を見ていると、「何を食べる」と言う回答はあまりなく、「なんでも食べる」と言う方が非常に多いことに気づかされます。

年代的にも食糧難の時代を生き抜いて来られた方たちですから、食べ物の好き嫌いをおっしゃることが少ないのも理解できますね。

でも、理屈抜きに「食べられるものは何でも食べる」と言う人が一番長生きなのは、動物として当然であるようにも感じられます。

あとは、物事をポジティブに受け入れる心と運動でしょう。最初に紹介した100mの世界記録保持者のランナーさんは、92歳の時に陸上競技を始められたそうです。

前向きであることがすべてに勝るのかもしれませんね。

キャラクター紹介
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