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脳梗塞の予防薬で認知症を治療?その驚くべき新発想とは

2014年2月27日に、脳梗塞再発予防薬として広く使用されている「シロスタゾール」という抗血小板薬が、認知症の予防に有効であるということが、国立循環器病研究センターから発表されました。そして臨床試験を今年の秋から始めるそうです。

脳梗塞の予防薬が、認知症の予防薬にそのまま使えるとは驚きですね。認知症は65歳以上の高齢者の1割を超えるという、もはや国民病です。この新薬の誕生が、認知症患者さんとその家族にとっての希望となればいいですね。

新薬発見にまつわる新発想とは

なぜ、脳梗塞の予防薬である「シロスタゾール」が、認知症の進行抑制に効果があることを見つけることができたのでしょうか?研究によくある偶然の発見ではありません。実は研究者の逆転の発想から生まれたのです。

アルツハイマー病などの認知症患者は、その原因の違いに関わらず、多くの場合において血管の病気を併発していたそうです。

そこで研究者は、血管の病気を予防する薬が認知症の予防にも効果があるのではないかと発想して、脳梗塞の予防薬である「シロスタゾール」を用いて試したのです。

今回の新薬の発見は、従来の認知症の薬物治療とは違う、新たなアプローチを切り開いたといえるでしょう。

「シロスタゾール」が認知症に効く理由

認知症は、脳の血管や神経細胞に障害が起こり、記憶力や認知機能が低下する病気です。シロスタゾールは脳の血管を広げて血流を増やす効果があります。

また、アルツハイマー病には脳内に異常なたんぱく質が蓄積されてしまう問題がありますが、シロスタゾールはこの異常なたんぱく質を排泄させて、認知症の進行を抑制しているのではないかと見られています。

新薬で早期治療対策を

認知症の治療は、あくまでも認知症の進行の抑制にあります。残念ながら回復や完治は現在の医療では期待できません。しかし、昔に比べればずいぶん進行を遅らせる事が出来るようになりました。

今回の新薬であるシロスタゾールも、軽度の認知症患者の進行抑制を目的にしています。そこで重要になるのが認知症の早期発見です。認知症が進行すると、本人だけでなく家族のQOL(生活の質)が悪化します。

私の知人で、認知症の患者さんを抱えた家族を知っていますが、その精神的、肉体的苦労は傍目からみても辛いものがありました。早期発見につなげるには、家族が注意深く認知症の初期症状を観察する必要があります。

単なる物忘れ以上のものを感じたら、積極的に受診させましょう。早期発見ができれば、新薬での治療によって認知症の進行を確実に遅らせることが出来ます。

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