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最近増加傾向にある難病、多発性硬化症をご存知ですか?

多発性硬化症ってどんな病気?

最近、増えてきている難病の1つです。実は筆者はこの病気になって13年になります。筆者にこの病気が見つかった時は日本での患者数は7,000人程でした。しかし今では12,000人程です。また小児にもこの病気が発見されました。

原因も全く分からず世界中で研究は盛んですが、3、4年前、同じ病気と思っていた患者さんが実は異なる病態であることが分かりました。まだ日本の難病名には明記されていませんが、来年は「視神経性脊髄炎(NMO)」(デビック病)という名前で掲載されるでしょう。

今回は筆者が羅漢している多発性硬化症についてご説明します。ただグレーゾーンの患者さんがいるのも現実です。実は多発性硬化症と視神経脊髄炎は異なりますが症状はよく似ています。

また視神経性脊髄炎では主に視神経や脊髄の症状が出ますし、膠原病のシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスといった難病を発症する方がいるのが特徴です。

筆者は多発性硬化症と診断されていますが、シェーグレン症候群も発症しています。

多発性硬化症は自己の免疫システムがおかしくなり、病原菌などを攻撃するはずのキラー細胞などが自身の脳や脊髄、視神経の神経を攻撃し神経細胞が冒される為、その神経が司る全身の部位に色々な症状が発症します。

病態についてはよく電気コードに例えられます。電気コードは電線が剥き出しにならない様にビニールでくるまれています。神経も同じ構造です。

神経の伝達も電気信号です。電気コードの淵が劣化したリ傷んだり電線が剥き出しになり切れて上手く電気が通らなくなると電気がつきませんね。

それと全く同じ様に神経も髄鞘という鞘に包まれていて髄鞘が傷つけられて中の軸索という神経伝達に関わる重要なところまで破壊されてしまいます。これを脱髄といい、腕を上げろと脳が命令を出しても思う様に上がらないということが起きます。

多発性硬化症は脳や中枢神経の脱髄疾患と言われ、また自己免疫の異常から自己免疫疾患とも言われます。視神経が冒されると視力が極端に落ちたり、いきなり見えなくなったりといった症状も出ます。

また下肢の神経が冒されると立てなくなったり歩けなくなったりもします。このように壊される神経の部位によって様々な症状が発症します。

目の障害、上下肢の脱力、全身の痺れ、皮膚感覚麻痺、排尿排泄障害、疲れやすい、痙攣などがあります。またウートフ(温浴効果)といって体温が上昇すると神経伝達が遅くなるため症状が強く出たりします。

大抵は体温を下げると戻ります。筆者は気温25度以上、湿度50%以上になると体温調節ができなくなります。目もかすみ見えにくくなります。全身の脱力も現れます。

どのような検査があるのでしょうか

病巣はMRI画像ではっきりと分かります。また異常タンパク質が脳髄液に現れるので腰椎から髄液を採取する検査(腰椎穿刺、ルンバール)をしてタンパク質の有無を確かめます。

頭から電気を流して足まできちんと電気信号が送られているか(誘発電位検査)などもします。筋肉にきちんと神経の電気信号が送られているかなどを検査(筋電図)、これに針をつけて体中のあちこちに刺されて電気を流す検査(針筋電図)など検査方法は沢山あります。

大概、筆者は慣れましたが誘発電位は目から星が出るという様な感じです。漫画の様に本当に星が見えます。筋電図は痛くありませんが針筋電図は痛いです。ルンバールも正直、痛い検査です。

原因は何でしょうか

アメリカや北欧など緯度の高い地域での患者数がとても多い病気です。またアフリカなど緯度の低い地域での患者がいないことから、人種的、遺伝的要素があるのではと言われています。

これは日本でも同じで、北海道の患者数は多いですが沖縄には殆どいません。しかしアフリカ現地人が緯度の高い地域に移り住んでから発症したケースもあり、環境的な因子も絡んでいると言われています。

筆者の経験から言いますと過度のストレス、幼少期からの家庭環境なども原因と考えられます。患者さんの殆どが何らかの悩みや酷いストレスにさらされていたというのも共通しています。

治療法はあるのでしょうか

治療法はありません。アメリカでは沢山の薬が承認されていますが完治しません。日本はまだまだです。現在日本で承認されているのはインターフェロンβ注射(二種類)、一昨年発売されたのがジレニア、イムセラ(フィンゴリモド)という飲み薬です。

再発や症状が強い時にはステロイドを大量に点滴します。脳や脊髄や視神経に起きている炎症を抑える為です。患者さんによって違いがある為その症状に合わせた対処療法となります。

最後に

難病になるなんて誰もが思ってもいません。しかし、どんな病気も突然やってきます。筆者の場合は発見が遅れた為に現在かなりの障害を抱えることになってしまいました。

筆者の様にならない為にも、普段から自身の身体の調子を把握しておき、上述した様な症状が現れて続く様でしたら必ず大学病院へ行くことをお勧めします。

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