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危険!肩こりを悪化させるマッサージ方法とは?正しい腱弾きの方法

肩の整体

30年近く治療院をしておりますが、家族にもんでもらう事や、資格のない人にマッサージを受けて、首や腰が動かなくなった人を多く見てきております。みなさんマッサージを甘く見ているのです。

ところで、マッサージの本来の目的や方法をご存知でしょうか?また、按摩とマッサージの本当の違いがわかりますか?

揉んではいけない部位、揉んではいけない症状、簡単にこりが緩む方法、揉み起こし(揉み返し)をしない方法を、あん摩マッサージ師歴30年の治療師が、その真髄をお伝えします。

本来のマッサージの意味とは?マッサージはフランス生まれの西洋医学

そもそも、マッサージがヨーロッパ生まれの西洋医学だということをご存知でしたか?あん摩マッサージとして一括りにされ、鍼灸院でマッサージが受けられる所も多いので、東洋医学のイメージを持っている人が多いですよね。

実は、マッサージはフランスで体系化されたマッサージュが起源といわれています。

16世紀の後半に、フランスの医師アムグロアスバレーがヨーロッパで民間療法として行われていた、マッサージの効果や方法を体系化し発表しました。それ以後、医療法として広まっていったといわれます。

日本にマッサージをもたらしたのは、明治時代の軍医、橋本乗晃です。フランスにわたりマッサージを研究して、日本に医療として持ち込みました。

日本にはマッサージによく似たあん摩法がありました。明治政府は文明開化政策のもと、江戸幕府の痕跡を消し去るために東洋医学を廃止し、マッサージがあん摩にとってかわりました。

本来のマッサージは血液やリンパ系を循環させる目的で行われる手技だった

本来のマッサージは、タルクやオイルなどの滑剤を使い皮膚に直接行います。筋肉の膨らんだ部分(筋腹)を心臓に向かってさすり、リンパや血液を循環させる目的で行います。現在のオイルマッサージに近いイメージですね。

それが、いつしか筋肉を揉みほぐすイメージが強くなり、こりをもんでほぐすのがマッサージとして定着しているのです。

これは、江戸時代に行われていた古法あん摩の解釈の術が、あん摩マッサージの揉捏法として取り入れられたことに由来するようです。

筋肉で強くもんだり押さえたりしてはいけない部位

マッサージにおいて、よく施術対象となる筋肉の膨らんだ部分「筋腹」を揉むのは、ほんとうはNGです。

ソーセージのように薄い膜の中に、それぞれ膜に詰められた筋線維の束がいくつも充填されている部分が筋腹です。ソーセージの端の、膜を捻じって縛られた部分が腱というイメージになります。

筋膜の構造

腱が硬くて丈夫なのに対し、筋腹を強く押したり揉んだりすると、筋線維を包む膜はやぶれて筋肉の線維細胞は傷ついてしまいます。

強いマッサージや痛いマッサージをすると、揉み起こし、揉み返しという症状がおこることがあります。このようにあとで痛みが強くなったり腫れたりするのは、筋膜や筋線維が傷ついたために起こる現象です。

皮膚を優しくさするマッサージはストレス症状によく効く

NHKの番組でも取り上げられていましたが、皮膚を優しくさすると、癒しのホルモンオキシトシンの生成がアップし不安やストレスを撃退すると言われ始めました。

このホルモンは、ストレス性の痛みや認知症にもその効果が注目されています。以前から皮膚への刺激は間脳・大脳に到達し、自律神経を調整する働きがあると言われていたものが、ホルモンの分泌という形で実証されたわけです。

このように、本来のマッサージは自律神経に働きかけることで、免疫力、自然治癒力が格段にあがるため、様々な効果が期待できるのです。

ただし、皮膚への軽い刺激も、方向を間違えて皮膚を逆なでしたり、呼吸を間違えると自律神経に異常をきたしたりします。

  • 微熱
  • めまい
  • 頭痛

などが発生することがあるので、自己流でなく正しい指導を受けるか、信頼できるマッサージ師に行ってもらうことが必要です。

筋肉の張りやこりにはマッサージではなく腱弾きがよく効く

江戸時代の按摩術の一手法に、「解釈の術」という手法があります。

解釈とは解きほぐすという意味で、書物にはスジが引きつったり固まったりしたものを見極めて、三味線を弾くように指先で真横に弾く方法であると記されています。

スジのこりやしこりを解く方法で、明治以降のあん摩マッサージの揉捏(じゅうねつ)法、筋肉をもみほぐす方法のもとになったと言われる手法です。

あん摩術では、筋肉の丸みのある筋腹の部分は、さすったり押さえる手法を用い、筋肉の端にあるスジは、解釈の術にて腱を弾くというように使い分けていました。

しかしマッサージにおいては、デリケートな筋腹に解釈の術を揉みこねる形に変化させて使っています。これは本来のマッサージから逸脱した危険なやり方なのです。

パソコンやスマホ操作など、長時間同じ体勢や繰り返し動作をすると、筋肉に張力がかかり続け、張力を感知する腱の部分で痙攣を起こしてきます。

この腱の部分は硬いコラーゲンの組織で、スジを弾く解釈の術が適応するのです。

筋肉が張っているとき、筋腹を揉まなくても、腱の部分を弾いて緩めれば、筋腹の緊張も取れます。

そんなわけで筋肉やスジのこり、しこりを緩めるには、マッサージより腱弾きが適しているのです。

揉み返しがなく肩こりによく効く腱弾きの方法

腱をはじくというと怖いように思えますが、腱は筋肉の膨らんでいる部分より丈夫で弾力があるので、少し強めに弾いても大丈夫です。

また、少ない時間ですみやかに緩んで即効性があるのも特徴です。仕事の合間にちょっと行うのにも最適ですね。

肩こりに関与する代表的な筋肉として僧帽筋があります。後頭部から首、肩、背中へと広くかぶさるようなこの筋肉の、後頭骨へ付く部分と、肩甲骨に付着する部分を弾きます。

肩甲骨の位置

まずは弾きの効果を高めるため、自分のタイプをチェックしましょう。

弾きの効果を高くするため、タイプ別の呼吸に合わせてはじく

手の左右どちら側に外の重心が掛かるかで、腱の弾き方を変えます。右側が外重心の人をAタイプ、左側が外重心人のBタイプとします。

外側に重心のある手は薬指と小指に力が入りやすく、内側に重心のある手は親指と人差し指に力が入りやすくなります。

内外の重心のチェック方法

  1. 両肘をまげて胸の前につけ、両掌を合わせる
  2. そのまま左右に15度くらい倒す
  3. 右に手を倒しやすい人はAタイプ、左に手を倒しやすい場合はBタイプ

左右の重心ABタイプをチェックする方法

僧帽筋を弾く際のAタイプBタイプの呼吸法は以下です。

Aタイプ 右側を息を吸いながら、左側は吐きながら弾く
Bタイプ 右側を吐きながら、左側を吸いながら弾く

自分のタイプ、呼吸法がわかったら、さっそく腱の弾き方をみてみましょう!

肩こりに効く僧帽筋の腱の弾き方(左右行う)

肩こりに効く僧帽筋の腱の弾き方

  1. 耳の後ろの骨のでっぱりから、中指で首から肩へのカーブを外下方になでる
  2. 肩甲骨に当たるすぐ手前で筋肉を前後にゆすり、グリグリとしたスジに触れる
  3. スジの後方に中指を沈め圧をかけ、スジを引っ掛けて手前に引くように弾く
首こり、頭痛に効く僧帽筋の腱の弾き方

首こり、頭痛に効く僧帽筋の腱の弾き方

  1. 後頭骨の下のでっぱりを見つける
  2. そのすぐ下の、首の骨の溝の両側にあるスジを探す
  3. 右手で左のスジの外側に中指を沈めてから、手前に引くようにして弾く
  4. 次に左手で、同じように右のスジを弾く

でも待って!マッサージをしない方が良い場合もある

  • 発熱
  • 倦怠感
  • めまい

などの全身症状がある場合や、がんや糖尿病などの消耗性疾患のある人はマッサージするのはやめましょう。

また急性の捻挫(ギックリ腰、捻挫を含む)や局所の腫れや炎症がある時は、局所のマッサージは禁忌です。余計にひどくなり、動けなくなってしまいます。

しびれのある場合、腕や坐骨神経痛などの神経症状の場合は、かえってひどくなることがあるので行わない方が無難です。

痛みや腫れのひどい場合を除いて、腱を弾くことは行って差し支えないどころか、関節の動きが改善されてや身動きが良くなります。

こんなマッサージは危険です!ぜったいやめましょう

素人が行う場合、なるべく自分の体に行うくらいにしましょう。

とくに、

  • 腰の上に乗って踏む
  • 肘の先で押さえ込む
  • 棒や器具の先で押さえる

のは事故のもとです。

もし、人に行う場合は、背中や腕、足を優しくなでるマッサージがベストです。決して、揉んだり押したりしないようにしてください。

筋肉の膨らんだ部分をぐりぐりするのは、筋肉や神経を傷めるのでやめましょう。上手なマッサージ師は、腱をコリッと弾いて筋肉全体を緩めます。

痛みやしびれが出ている局所は揉んだりたたいたりしないようにしましょう。動けないほど悪化することもあります。

素人の「なんとなく」のマッサージ行為は控えた方がいい

マッサージというのは医療行為です。その筋肉が緩んでいるのか緊張しているか、どちらに捻じれているか、その筋肉を揉む事、さする事、叩く事で筋肉や骨格はどのように変わるのかをわかったうえでマッサージすることが必要なのです。

ただ凝っているから、痛いからと、原因や病態も把握せずにやみくもに揉んだり叩いたりするのはやめましょう。思った以上に体を悪くしてしまうこともあるのです。

自分に行う場合は、強さの程度を加減する、痛みのきついところは避けるなどの制御が入りますので、まぁ大丈夫だと思います。

ただ他人に行うのは筋肉の状態や加減がわからないので、悪化させることが多くなってしまいます。

そのほか、ゴルフボール・テニスボールや、コリ取り棒などの器具を使うと刺激を加減するのが難しく、強い刺激を入れて神経を傷めてしまう危険性があります。

良かれと思ってやったことが、悪い結果になることもあることを知っておいてください。

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