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幼児の熱性けいれんの症状と対処法!救急車の要請、後遺症の有無は?

泣く赤ちゃんと心配する母親

「死ぬかと思った」熱性けいれんを見た時の、お母さんの感想です。

子供が熱をだし、突然意識がなくなり、手足をガクガクさせ、呼吸をせず、唇が紫色になった。3分ほどで唇の色はもどり、泣き出した。

これは熱性けいれんと呼ばれるものです。「今は元気だけど、後遺症はのこるだろうか?」と思われている方はいると思います。

また子供の病気を調べていると、こわい思いをしたブログなどで熱性けいれんを見ることがあり、わが子がけいれんをおこしたらどうしよう?と思われている方もいると思います。

発熱時のけいれんは、今は元気にしている子供では5%程度でてんかんになることがあります。

もし、熱性けいれんをおこした時の対応を心配している方には、是非読んでもらいたいと思います。

発熱時に起こるけいれんの特徴は?熱性けいれんの症状

20~30人に1人が熱性けいれんを起こすと言われています。割合を比べる対象が難しいのですが、例えば小児1型糖尿病は5万人に1人程度、小児がんは1万人に1人程度です。

熱性けいれんは、学校のクラスに1人は熱性けいれんになったことがある子供がいる程度で少ないとはいえない数ですね。

けいれんとは体が勝手に動いてしまうことです。発熱時に問題となるけいれんは、以下のような症状が現れた時です。

  • 目を見開き一点を見つめ、意識がなく呼びかけに応じなくなる
  • 手足をつっぱり硬したり、手足を一定のリズムでガクガクと曲げ伸ばしをする
  • つねったりしても体をにがさない
  • 呼吸が不規則で十分ではない

観察すれば重い病気かが区別できる

けいれんには単純型と複雑型があり、複雑型では重い病気の可能性が高くなります。

1)焦点性発作(部分発作)の要素
2)15分以上持続する発作
3)一発熱機会内の、通常は24時間以内に複数回反復する発作

※1)の焦点性要素とは左右差がある、左右非対称の症状がでるということです。

上記のどれか1つに該当すれば、複雑型熱性けいれんとしています。これに当てはまらないものは単純型熱性けいれんとしています。

複雑型では他の病気の可能性が高くなるため、必要な検査が変わります。

少し複雑になってきましたね。では、典型的な熱性けいれんのイメージを以下に紹介します。

  • 朝から咳、鼻水があり39℃の熱がでてきた。
  • 突然目を見開き、呼びかけに応じなくなり1分ほど手足をつっぱり、次に手足を曲げ伸ばしした。
  • 唇が紫になったが、2分ほどで手足の異常はなくなり、唇の色も戻った。
  • 親の顔をみて泣き出した。
  • 手足の異常に左右差はなかった。

左右非対称ではなく、時間も短いです。せき、鼻水があり発熱の原因がありそうです。ただしこの時点では有熱時けいれんです。

こういった場合は初回であれば病院へ行った方がいいですね。熱性けいれんであれば、単純型熱性けいれんと診断されます。

定義からみる熱性けいれんの原因は?

熱性けいれんの原因はわかっていません。脳の発達段階であることが、なんらかの原因となっていると考えられています。

両親のどちらかが熱性けいれんであった場合、子供の熱性けいれんの可能性は高くなりますが、必ずしも起こるものではないので、起こったときに対処すればいいと思います。

次に述べますが、熱性けいれんのほとんどは後遺症はありませんので、起きるかわからない状態で不要に不安になる必要はありません。

熱性けいれんという言葉(定義)

熱性けいれんとは

主に生後6~60ヶ月までの乳幼児期に起こる、通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)で髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常その他の明らかな発作の原因がみられないもので、てんかんの既往のあるものは除外される

と決められています。

この定義で気をつける必要があるのは、1度目のけいれんの時には、中枢神経感染などの可能性が含まれており、熱性けいれんと診断されていないことです。

ガイドラインでは診断がついた後の熱性けいれんと、診断される前の有熱時発作(有熱時けいれんとの記載もあり)をわけて記載しています。熱性けいれんという言葉はてんかん以外の後遺症をのこす病気が除外されています。

多くのブログなどで「熱性けいれんの後遺症はてんかんのみで5%程度」としていますが、初回のけいれんではわずかですが、死亡するような病気が含まれています。

定義の中の病気と発症率

1)中枢神経感染
脳、脊髄を中枢神経といいます。これらの部位に感染(細菌、ウイルスなどがくっつくこと)すると、髄膜炎、脳炎などと呼ばれ、発熱、けいれんを起こすことがあります。直ちに治療をしなければ、死亡することや後遺症を残す可能性があります。

中枢神経感染の発症は年間400~500程度であり(国立感染症研究所)1万人に1人程度の発症です。有熱時発作500人に1人の割合です。非常に低い可能性です。

2)代謝異常
代謝とは体の中の物質の変化のことです。体の中の塩分、糖分などのことと考えていいかと思います。糖分、塩分などは、ある一定の範囲から外れることがないようになっています。

糖、ナトリウム、カルシウムなどが一定の範囲から外れるとけいれんを起こします。熱がなくてもけいれんを起こしますが、発熱時にけいれんをおこすと熱性けいれんと同じ症状となります。

一定の範囲をはずれた糖、ナトリウム、カルシウムなどは一定範囲内に戻す必要があり、治療が必要です。

正確な数値は出せませんが、可能性は低いです。

3)その他の明らかな発作の原因
脳腫瘍、頭蓋内出血などのことです。これも可能性は低いです。
4)てんかん
発作的に脳で異常な電気的な興奮をおこす病気です。発熱がなくてもけいれんを起こします。代謝異常と同様に発熱に伴ってけいれんがあれば、熱性けいれんと同じ症状となります。脳波検査で異常な興奮をとらえることで、熱性けいれんとは区別できます。

けいれんが止まっていれば、治療を急ぐ必要はありません。熱性けいれんの中で5%程度がてんかんになります。てんかんと熱性けいれんについては、後でさらに細かく書きます。

熱性けいれんという言葉は、てんかん以外の後遺症を残す可能性のある病気や、死亡する可能性のある病気を除外していることがわかります。

1)、2)、3)の病気は直ちに治療を開始しなければならない重い病気ですが、可能性はとても低いです。したがって、初回の有熱時けいれんでも重い病気の可能性は低いといえます。

熱性けいれんに直面したら!正しい対応と救急車の要請について

熱性けいれんを見たら、まずは落ち着きましょう。唇の色が悪くっているわが子を前に落ち着くのは大変ですが…。

上記したように、けいれんの型で熱性けいれん以外の病気の可能性が変わってくるため、よく観察し、受診時に説明できるとお子様のためにもなります。

手足に異常があったのはどのくらいの時間か?左右差はないか?など、しっかり観察してメモをしたり覚えておいたりしましょう。

吐くこともありますので、体を横にしてあげましょう。口の中にものを入れたり、子供をゆすったりすることはやめてください。

受診の必要性や救急車の要請は?

受診については、初回は受診した方がいいです。初回の発作では他の病気との区別がついていないため、短い発作でも受診した方がいいのです。

2回目以降については、

  • 5分以内に発作がおさまった
  • 左右差がない
  • 意識はすぐに戻った

こういった状態であれば、翌朝にかかりつけ医への受診でも問題はありません。

  • 6ヶ月以下の幼児の発作
  • 複雑型の発作

は他の病気の可能性がありますので、けいれんがなくなった後でもすぐに受診してください。

救急車は、5分以上続くときには要請すべきです。ガイドラインでは5~10分以上の発作ではけいれんをとめる治療を開始したほうがいいとしています。

5分以内で止まっている場合は必ずしも救急車を呼ぶ必要はありませんが、けいれんをおこし呼吸をしていないのを見て、あわてて救急車を呼ぶのは仕方がないと思います。

救急車の安易な要請が問題となっていますが、けいれんに関しては安易なものではないですよね。

熱性けいれんの再発を防ぐには?

熱性けいれんは30%程度で2度目(複数回)のけいれんを起こします。さらに熱性けいれんの再発とてんかんの可能性があります。

座薬の予防薬があり、てんかんの可能性が高い場合や、複雑型発作を起こした場合などには、これを使用することがあります。薬の服薬、使用は必ず医師の指示に従ってください。

熱性けいれんとてんかん、熱性けいれんの後遺症について

熱性けいれんと診断されている場合、てんかん以外の後遺症が残る病気は除外されます。

てんかんは熱がないときでもけいれんを起こす病気です。

発熱時にはけいれんを起こし易いため、最初の数回は発熱時にけいれんがあり、後に熱がないときでもけいれんを起こすようになると考えることもできるのです。

そもそも、何の異常もない子供がけいれんを起こすのは発熱時にけいれんが起こりやすいからです。

熱性けいれんの中にはてんかんが含まれていると考えられます。

熱性けいれんを起こしたことがある乳幼児の2~7%でてんかんになるとされています。逆に言えば、熱性けいれんの90%以上はてんかんにはなりません。

熱性けいれんとてんかんの診断は主に脳波検査で区別されます。

熱性けいれんがてんかんの可能性があるのであれば、早く脳波検査をして診断すればいいと思いたいのですが、残念ながらてんかんの診断を早くして治療を開始しても、結果は変わらないことがわかっています。

熱性けいれんガイドラインでは有熱時のみのてんかんの診断のための脳波検査を勧めていません。無熱時のけいれんがあれば検査することになります。

単純型熱性けいれんでは複数回の発作があっても、後の学習能力を低下させないこともわかっています。

多くは心配ないが、時に危険な有熱時のけいれん

診断される前の有熱時けいれんでも、90%以上が熱性けいれんです。有熱時けいれんのほんのわずかに、死亡する病気や後遺症をのこす病気を含んでいます。

けいれんを見たときには、まずは落ち着き観察しましょう。医師に正確な状況を伝えることで、お子さんのためにもなります。

初回であれば受診しましょう。救急車は呼んでいいと思います。

熱性けいれんと診断されたお子さんの5%程度がてんかんとなりますが、防ぐことはできません。

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