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学童検診で廃止になった色覚検査が就職活動での意外な落とし穴

色覚検査と各種健診項目

かつて徴兵制度が世界的にありましたが、その時に必ず色覚(色盲)検査が実施されていました。戦争になると、自分の命だけでなくたくさんの危険が仲間に及ぶため、日本でも徴兵検査だけではなく、学童検診においても色覚検査を長期間にわたって実施していました。

しかし、時代が変わり平和な世の中になると、色覚異常が原因による偏見や差別に影響が及び始めました。厚生労働省は色覚異常であっても、日常生活や学校生活において問題がないことから、2003年に学童検診から色覚検査を削除しました。

また、職業においても職業選択の差別をなくすことから、入社の時に行う健康診断から2001年より色覚検査を廃止しました。現在は、高校や大学入学時では色覚異常でも制限はされていません。

職業に関しても、差別をしないよう厚生労働省は指導しています。しかし、職業によっては色覚異常が業務に支障出ることを理由に、採用を制限している業種も存在します。

一方、色覚検査を廃止したがゆえに、入社時の適性検査で初めて色覚異常が発覚し、小さい頃からの夢を実現できないという弊害も出てきています。

色覚異常は男性が圧倒的に多いのが特徴で、遺伝的要素が強く、治療法がないため正常になることはないことから、職業制限は若年層の精神的なショックも引き起こし、問題視する研究者も少なくありません。

職業制限の実情

これら色覚異常者の採用を制限する職業が、様々な理由によって実在します。

例えば、電車の運転手は法律によって禁止していますし、パイロットや航空管制官を始め航空会社全職種、電気工事や劇物を取り扱う等の職業は人の安全を扱ったり安全性を考慮して採用を制限しています。

しかし、国の指導によって制限も緩和されつつあります。バスの運転手は採用の制限をなくしていますし、運転免許も取得可能です。

信号もLED化で色が分かりにくいといわれていますが、「×」印を赤信号に入れることで色覚異常者にも配慮するように試験的に始めています。

厚生労働省は、企業に対して色覚異常者の差別禁止を指導しており、安全性に問題があるようであれば、文字を併用するなどの企業努力をするよう求めています。

これらのことにについて、日本眼科学会も問題を提起しており、任意の色覚検査の実施や、将来の進路を考え始める中学生までに実施するよう呼びかけています。

研究者によっては治療は可能との意見もありますが、世界でも治療件数はいまだ1件も報告されていません。1日位も早く治療方法が確立し、差別がなくなるよう祈りたいものです。

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