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脳梗塞の症状は身体が麻痺して動かなくなるだけじゃありません!

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脳梗塞と言うと、身体が麻痺して動かなくなったり言葉が上手くしゃべれなくなると言うイメージが強いですよね。

しかし、それ以外にも脳梗塞の症状と言うのは存在するのです。

それを見落として手遅れにならないよう気を付けましょう。

脳梗塞による身体症状

ある日、あなたがテーブルの上にあるテレビのリモコンを取ろうとして、手が行き過ぎてしまい、リモコンの向こうに置いてあったコップを倒してしまったらどう感じますか?

実はこういう脳梗塞の症状もあるのです。

止まらないのも動かないのと同じ

脳梗塞は脳の血流が何らかの原因で滞ってしまい、脳細胞が死んでゆく病気です。

その壊された脳細胞の場所によってさまざまな症状が出ることはよく知られていますね。

広い範囲で起こり、回復しなかった場合心臓や呼吸が止まってしまい死に至ることももちろんあります。

非常に狭い範囲で起こり、実は左足の薬指が麻痺して動かなくなっていたのに、全く気付かなかったと言う事もないわけではありません。

しかし、どうしても麻痺と言うと「動かなくなる」と言うイメージが先行するので、リモコンを取ろうとして手が動いている以上、脳の病気だとは思わないことが多いのです。

実は、物を取ろうとして手を伸ばすのも脳の命令による筋肉の働きなのですが、手が届いたと言う事を認識して別の筋肉に手を伸ばすのを止めろと言う命令を出すのも脳の働きなのです。

ですから、止める方の筋肉に命令を出すところに脳梗塞が起こってしまうと、止める筋肉の部分が麻痺します。その結果、動くけれど止まらないと言う現象が起っちゃうんですね。

まさか自分が

脳梗塞と言うのは大病です。ですから、痛くもかゆくもなくて、ちょっと動きが変なだけで、意識もしっかりしている自分がそんな大病を患ったとは考えたくないのが人情です。

これがテレビドラマのように派手にひっくり返ったり、意識を失ったりすればあきらめもつくのでしょうが、人間だれしも自分が重病人だなんて認めたくないですからね。

脳梗塞は病気ですから進行します

例えば風邪をひいたとき、最初悪寒がしたり体がだるかったりして、「あれ、風邪ひいたかな?」と思って早めに寝たりします。

で、次の朝目覚めてみれば鼻水は出るわ、のどは痛いわ、熱もしっかりあるわで起きられなかったりしますよね。

これは風邪と言う症状が夜の間に進行したと言う事です。

同じように脳梗塞も最初は良くわかる症状などが出ない状態で起こります。そのうちまひ症状や言語障害が出て病院に行くわけですね。

そして、病院に着いた時には歩いて受付に行けたのに、脳梗塞の恐れありとして優先で診察順が回ってきたときにはもう立ち上がれなくなっていたりします。

さらに、MRIを撮ったりして確定診断がつき、入院、点滴と進んでゆく間にも症状は悪くなります。

どこでその症状の進行が止まるのかは判りません。

しかし、少しでも早く治療を開始すれば、それだけ多くの運動機能が残り、回復できる可能性が高くなるのです。

普段から自分の危険性を意識しましょう

脳梗塞にかかりやすい危険因子と言うものがあります。

それを自分が一つでも持っているとわかったら、おかしい症状が出た時にはためらわす病院に直行しましょう。

メジャーな危険因子

脳梗塞の危険因子には次のようなものがあります。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 喫煙

このうち一つでも当てはまるものがあって、さらに体が思うようにならないと言うケースがあればすぐに脳神経外科のある病院に行って下さい。

また、誰かに「顔の表情がおかしい」と言う指摘を受けた時も危険信号です。これは脳の中の、表情を作る筋肉をコントロールする部分に梗塞が起こっている可能性があるからですね。

さらにひどく疲れた感じがして身体が動かないと言った場合には救急車を呼ぶのも良い選択です。これは脳の中心部の心臓や肺など重要な器官を担当している場所に異常が生じたのかもしれません。

119番に掛けて「高血圧を持っているんですが、身体が思うように動きません」と伝えるだけで十分ですが、上手く話せなければ近くの人に助けを求めましょう。

最近では救急車の濫用が問題になっていたりして、常識的な人ほど救急車を呼ぶのをためらうと言う本末転倒な風潮がはびこっていますが、こうした状況は本当の意味で警戒すべき状態ですから、ためらわずに呼びましょう。

あまり知られていない危険因子

さらに、普段私たちがあまり目にすることのない身体の状態があります。まずは名前だけを並べますね。

  • 一過性脳虚血性発作
  • 心房細動
  • 卵円孔開存
  • ヘマトクリット値異常高値
  • 血漿フィブリノーゲン値異常
  • 頸動脈病変
  • ラクナ性無症候性脳梗塞
  • 大動脈粥腫
  • ホモシステイン血症
  • 動脈解離

これらも脳梗塞の高度な危険因子です。ただ、他の症状などから病院で検査を受けたりしていないと、通常の健康診断だけでは検査してもらえていないケースも少なくありません。

ですので字数が多くなりすぎるため詳細な説明は省きますが、このうちの一つにでも当てはまるのであれば、脳梗塞を非常におこしやすい体質であることを知っておいて下さい。

簡単に説明を加えておきます。

【一過性脳虚血性発作】

これは脳梗塞そっくりの症状が出た後、1時間以内に症状が完全に消える病気のことです。実は脳の血管が詰まり血流が途切れるところまでは脳梗塞と同じなのですが、そのあと血流が回復して症状が消えているのです。

ですので、これを経験した人はその後脳梗塞になる可能性が非常に高くなっています。いわば脳梗塞の予告編みたいなものだと思って警戒して下さい。

【心房細動】

不整脈の一つで、症状が大きく表れた時はAEDで電気ショックを与えたりするものです。高齢者の20人に1人は程度の差こそあれこれを持っています。疲れやすいとか、めまいなどの症状が現れることもあります。

【卵円孔開存】

先天的な心臓の病気で、手術で治るものですが、重篤な症状がない場合はそのままにすることもあります。指摘を受けた経験があれば脳・心筋梗塞を警戒しておきましょう。

【ヘマトクリット値異常高値】

主に貧血検査で使われる数値ですが、貧血とは逆にこの数値が高すぎると脳梗塞の危険因子になります。

【血漿フィブリノーゲン値異常】

あまり検査することのない数値ですが、血液の凝固因子を測定しています。もし数値の異常を指摘されたら脳梗塞を警戒しておきましょう。

【頸動脈病変】

高齢者の20人に1人くらいには頸動脈の内側が狭くなっています。超音波エコーなどでこれを指摘されたら、かなり脳梗塞になる危険度が高くなっていると言う事です。

【ラクナ性無症候性脳梗塞】

これは危険因子と言うより既に脳梗塞を発症しています。ラクナ性と言うのは非常に小さな病変があちこちにある状態のことです。単に脳梗塞の危険因子であるだけではなく、脳出血の危険因子でもあります。

ただ、病変の一つ一つが小さいため、現段階では表立った症状があらわれていないだけで、いつ倒れてもおかしくありません。脳ドックなどで指摘されることが多いようですね。

【ホモシステイン血症】

先天性の代謝障害です。滅多に指摘されることはないと思いますが、血栓ができやすい病気ですので、脳・心筋梗塞・肺塞栓(エコノミークラス症候群)などに警戒が必要です。

【動脈解離】

高血圧などが原因で起こる病気で、若い人の脳梗塞の大きな原因になっています。ただ、これに起因して脳梗塞が起こるより、これで死んでしまうことが多いので、ちょっと話題にしにくい病態ではあります。

大動脈に発生した場合、初期症状が突然死でした、などと言う笑えないジョークのような病気です。

自分の身体の状態を忘れずに

半年に一度健康診断を受け、体重や血圧、血液検査などでも異常を指摘されたことがなく、飲酒喫煙の習慣がない人でも、脳梗塞の危険性が全くないわけではありませんが、かなり危険性は低いでしょう。

そうではない人は何らかのリスクを抱えています。ですから身体の動きが明らかにおかしいと感じたら病院へ行くのをためらってはいけません。

意外と、身体の片側の麻痺ではないから脳梗塞ではないと言って病院へ行くのを嫌がった結果、手遅れになる人もいます。脳梗塞の後遺症に片麻痺が多いのは確かですが、それがないから脳梗塞ではないと言う事はありません。

アメリカでは「顔(Face)・腕(Arm)・話すこと(Speech)に異常が出たら病院へ行く時間(Time)」の頭文字をとってFAST(急げ!)と呼ぶ自己診断法がありますが、これも良い考え方ですね。

脳梗塞自体は高齢の方も含めた全体の死亡率が15%程度と、極端に恐れるほどの病気ではありませんが、治療開始が遅れるとほぼ確実に後遺症の残る病気でもあります。

若年性の脳梗塞もありますが、40歳を越えたらいつ起こっても不思議ではない病気でもあります。身体の動きの変調には常に注意しておきましょうね。

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