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血圧を下げる食べ物ベスト10!カリウムの必要性と摂取基準

hijiki

高血圧は自覚症状のないまま動脈硬化、脳卒中、虚血性心疾患のリスクを高めてしまうので「静かなる殺人者」と呼ばれています。

しかし、平成26の国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、収縮期(最高)血圧が140mmHgの高血圧に該当する人が、男性で36.2%、女性で26.8%もいることが分かっています。
(平成26年 国民健康・栄養調査 血圧に関する状況(厚生労働省)pdf)

高血圧の原因となる塩分の摂り過ぎを解消してくれるのが「カリウム」というミネラル。今回はカリウムを効率良く摂取するため、カリウムの特徴について解説していきたいと思います。

カリウムってどんなミネラル?カリウムの特徴を知っておこう

カリウムがどのような成分かご存知ですか?最初にカリウムの特徴を説明いたしましょう。

カリウムは天然の鉱石に含まれる銀白色の金属です。植物や動物の細胞にも必ず含まれている元素で、その名前は肥料の3要素「窒素・リン酸・カリ(カリウム)」のひとつとしても知られています。

人体に含まれる量は体重の約0.2%で、その98%が細胞内に含まれています。カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどと共に生命の維持に欠かせないミネラルとなっています。

カリウムはイオン(水に溶けると電気を帯びる物質)となって細胞内液に存在し、細胞外液に存在するナトリウムイオンと相互に作用しあって、体液中のカリウムとナトリウムの濃度を一定に保つはたらきをします。これを「ナトリウムカリウムポンプ」といいます。

カリウムの主なはたらき

カリウムはナトリウムカリウムポンプによって、人体に次のような作用をもたらしています。

浸透圧の調整
細胞膜の内側と外側のミネラル濃度を一定に保つ
筋肉の伸縮
電気信号を発生させ、筋肉を収縮させる
神経伝達
神経の間で電気信号により情報の伝達を行なう
ナトリウム排泄
腎臓で余分なナトリウムを尿と一緒に排出させる

もしもナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、これらの機能が低下し生命の維持に支障をきたすおそれも出てきてしまいます。

高血圧を予防する作用のあるカリウム

塩分の摂り過ぎで血圧が高くなることは、皆さんもよくご存知ですよね。

血圧は、血液中のナトリウム濃度が高くなる時に上昇します。これは、血液中のミネラル濃度を一定に保つため、ナトリウム濃度を薄めようと細胞から水分が血液に多く取り込まれ、血流が強くなるために起こる現象です。

カリウムの摂取量に対しナトリウムの摂取量が多過ぎると、互いのバランスが崩れて高血圧や体のむくみを起こすようになってしまいます。

しかし日本人は塩分を摂り過ぎる傾向があり、1日当たりの塩分摂取量は平均して、推奨される塩分摂取量よりも約2g多くなっています。

またカリウムも不足しがちな人が多いため「ナトリウムの摂り過ぎ×カリウム不足」による高血圧患者が増えてしまうのです。

体内にカリウムが十分に存在していれば、ナトリウムを摂り過ぎてもカリウムがナトリウムを排出して血液中のナトリウム濃度を保つので、血圧の上昇を抑制することができます。

WHO は「メタ・アナリシス」という統計解析によって、高血圧患者が1日に90~120 mmol(3,510~4,681mmg)/日のカリウムを摂取すると収縮期血圧が 約7 mmHgも低下することを報告しています。

私達はカリウムをどれくらい摂取すれば良い?

私達はどれくらいカリウムを摂取する必要があり、実際にどれくらいカリウムが不足しているのでしょう。

18歳以上の男女のカリウムの食事摂取基準(2010年)と「平成25年国民健康・栄養調査報告」による日本人の1日のカリウム摂取量は、次のようになっています。

性別 1日の摂取基準(目安量) 1日の摂取基準(目標量) 1日の摂取量
男性 2,500 3,000以上 2,329
女性 2,000 2,600以上 2,142

(単位はmg)

1日の摂取基準は「目安量」と「目標量」の2つが設定されており、それぞれに次のような意味があります。

目安量
体に必要とされる量と日本人の食生活の現状から考慮される量
目標量
高血圧など生活習慣病を予防する目的で摂取したい量

体の恒常性を維持するためには少なくとも目安量をクリアする必要があり、高血圧を予防したいなら目標量のカリウムを摂取することがのぞましいです。

しかし表を見ると、高血圧に悩んで健康に気を使っている人が多くなっている割には男女とも目標量より摂取量が少なく、特に男性は目安量の数値すらクリアしていないことが分かります。

つまり平均値でいえば、成人の場合で男性はあと200~700mg、高血圧を予防したい女性は450mgのカリウムを少なくとも摂取したほうが良いということになります。

また高血圧患者は、血圧を下げるため1日に3,510mg以上のカリウムを摂取することも推奨されています。この数値は、先に紹介したメタ・アナリシスの研究結果を根拠に設定されたものです。

普段、あまりカリウムについて気にしたことのない人も多かったかもしれませんが、実は不足しやすい栄養素だったんです。

特に高血圧ではない人でも、現代の食生活は自然と塩分を摂り過ぎてしまうことを考慮し、目標量を目指してカリウムを摂取するよう心がけましょう。

意識して食べましょう!カリウムを多く含む食品ベスト10

カリウムは、食事から摂取していかなければなりません。しかしカリウムは野菜・果物などの植物性食品を中心にさまざまな食品に幅広く含まれているため、バランス良い食事を毎日食べていれば不足しにくいのです。

しかし現代は、野菜や果物の不足を意識しながらも忙しいため、食生活の改善がなかなかできずに栄養が偏ってしまう人が少なくありません。

また様々な食品に含まれているといっても、食品によってカリウムの含有量には差があるので、食生活の管理が難しい人は特にカリウムが豊富な食品を選んで効率良くカリウムが摂取できるように心がけると良いでしょう。

カリウムが豊富な食品ベスト10

カリウムの含有量が多い食品を10位までのランキング方式でピックアップしてみました。ただしここではナトリウムも多い食品・入手しにくい食品は省いております。

 

順位 100g中の含有量が多い食品 1食分の含有量が多い食品
1 ひじき(4,400) 里芋(560)
2 切干大根(3,200) さつまいも(540)
3 抹茶粉末(2,700) 日本かぼちゃ(384)
3 パセリ(1,000) アボカド(360)
4 アボカド(720) じゃがいも(355)
5 ほうれんそう(690) ほうれんそう(345)
6 納豆(660) 切干大根(320)
7 里芋(560) バナナ(302)
8 日本かぼちゃ(480) 納豆(264)
9 エリンギ(460) ひじき(220)
10 バナナ(360) エリンギ(184)

()内はカリウム含有量(単位はmg)

1食分のカリウムが多い食品を見ると、カリウムが摂取しやすいのはいも類ということが分かります。また表には掲載していませんが、海藻類全般にもカリウムが多く含まれます。

カリウムは水に溶けやすく熱に弱いので、煮ると約30%も損失してしまいます。カリウムは煮汁に溶けだすので、煮た場合は汁ごといただくとカリウムが摂取できますが、できれば生食や蒸し料理でいただくのがおすすめです。

加熱せずにそのまま食べられるという点では、バナナ、アボカド、納豆はカリウムが効率良く摂取できる食品といえるでしょう。

ほかの食品とのバランスも考慮しながら、上記の食品を取り込んで1日の摂取基準をクリアしていきましょう。

昆布の活用でナトリウムをカット

またカリウムの多い食品ベスト10では紹介しませんでしたが、実は食品の中で最もカリウムの含有量が多いのは「乾燥昆布」なのです。その量は100g中5,300mgと、他の食品に比べても群を抜いて多くなっています。(数値は利尻昆布・素干しの場合)

その昆布をベスト10に入れていないのは、乾燥食品のために1食分あたりの使用量は少ない点と、せっかくカリウムが豊富でも濃い味付けで食べることが多くナトリウム摂取量も多くなってしまうためです。

次の表は、乾燥昆布1食分から摂取できるカリウム・塩分の量、さらに推奨される1日の塩分摂取量(成人男性9g)に対する塩分摂取量の割合を表したものです。

 

食品名 カリウム含有量(mg) 塩分含有量(g) 1日あたりの塩分摂取量の基準に対する比率
昆布(5g) 265 0.3 3%
煮物(4g) 194 0.6 6%
佃煮(12g) 92 0.8 9%
塩昆布(5g) 90 0.8 9%

乾燥昆布自体に塩分が含まれる上、味付けした昆布のおかずは、小皿1杯に満たない量でも1日に推奨される塩分摂取量の10%前後になってしまうのです。

ただし、昆布をだしとして使うのは大いにおすすめです。

昆布に含まれるうま味成分「グルタミン産」に塩分を強く感じさせる作用があり、昆布だしを使えば塩の使用量を少量に控えることができるのです。

また、だしはうま味成分の異なる食材を組み合わせることで、うま味が何倍にも広がる「相乗効果」を持っています。この強いうま味を活かせば、さらに塩分を控えることも可能になります。

かつおぶしや煮干しでだしを取る時には、一緒に昆布を使ってだしをとりましょう。昆布だしにもある程度のカリウムが溶け出るので、減塩効果に加えカリウムの効能も得られます。

好き嫌いなく色々な食品を食べていればカリウムが不足することはありませんが、食生活が不規則な方や好き嫌いのある方はこれらの食品を意識して食べるようにしてカリウム不足を防ぎましょう。

カリウムを摂取したい人・摂取を控えなければならない人とは

カリウムは過剰摂取しても尿と一緒に排出されるので、食品から多めに摂取しても、基本的には体に害を及ぼす心配がありません。

ただし、食生活や体調によっては、カリウムを多く摂取したほうが良い人や逆にカリウムをあまり摂取してはいけない人もいます。

カリウムを多く摂取したほうが良い人

カリウムが不足しやすく、カリウムを多く摂取したほうが良いタイプの人です。

塩分の摂取量が多い人
濃い味つけを好む人、加工食品を食べることの多い人は塩分の摂取量が多くなってしまうので、ナトリウムを排出するためにカリウムが多く必要になります。
汗をよくかく人
汗と一緒にカリウムが損失されます。特に大量の汗をかく時には、カリウムが欠乏して筋肉がけいれんしやすいので注意が必要です。
尿量の多い人
カリウムの約70%は尿と一緒に排出されるので、利尿作用の高まっている人はカリウムが不足しやすくなります。

例えば利尿剤を飲んでいる人、利尿作用のあるコーヒーや緑茶をよく飲む人はカリウムが失われやすいので注意が必要です。

下痢・嘔吐を繰り返している人
下痢や嘔吐を繰り返している人も嘔吐物や便と一緒にカリウムを失ってしまいます。
カリウムが不足しやすい人は日頃からカリウムの多い食品を意識して食べるようにしましょう。

熱中症や下痢などで脱水を起こした場合はすぐに受診し、治療を受けてください。

カリウムの摂取に注意しなければならない人

腎機能が低下している人はカリウムの摂取を制限しなければなりません。

腎機能が低下すると、カリウムがスムーズに排泄できなくなり、血液中のカリウム濃度が高まってしまいます。血液中のカリウム濃度が高くなると

  • 嘔吐
  • しびれ
  • 神経症状
  • 不整脈

などが起こり、重篤な場合は死に至る場合もあり危険なのです。

腎機能の低下している人は、医師の指導のもとに腎臓に負担をかけない低カリウム食をとる必要があります。カリウムの多い食品はなるべく食べないようにし、調理では食品をゆでこぼしてカリウムを減らすなど工夫を行ないます。

近年になって摂取することが推奨されるようになったカリウム

もともとカリウムは、通常の食生活をしていれば不足することのない栄養素と考えられ、1日の摂取基準量は定められていませんでした。

しかし高血圧をはじめとする生活習慣病にかかる人が年々増え、ナトリウムの過剰摂取を予防するカリウムの作用が注目されるようになっていったのです。2004年からは1日の摂取基準量を定め、カリウムが不足しないよう呼びかけられるようになりました。

もちろん高血圧を予防するには、カリウムを摂取するだけでなく塩分の摂取量を減らす努力も必要です。

なるべく薄味の食事を心がけると同時に植物性食品を中心としたバランスの良い食事でカリウムをしっかり摂取していきましょう。

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