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ココナッツオイルと他の油を組み合わせてがん予防に利用しよう

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オーストラリア出身のアメリカ人モデルが愛用しているとして報じられ、一躍注目を集めたココナッツオイル。美容的な側面が強調されがちですが、それだけではありません。

ココナッツオイルの脂肪酸組成が他のものと大きく異なっているのは、中鎖脂肪酸が多いと言う事です。

そして、その中鎖脂肪酸と一般的な植物油の長鎖脂肪酸をうまく組み合わせることで抗がん効果が期待できそうだと言う研究が行われています。

ココナッツオイルの中身

ココナッツオイルに限らす、すべての食用油はグリセリンと言う土台の上に脂肪酸と言うものがくっついています。その数は最大で3個、そして3個くっついたものがほとんどです。

そして、いろいろな油の性質はこの脂肪酸によって決められると言っても良いでしょう。

脂肪酸の長さ

脂肪酸は炭素原子が鎖のように一本につながり、その両サイドに水素原子がくっついた構造をしています。その形から直鎖型と呼ばれることもありますね。

そして鎖の長さに応じて

  • 短鎖脂肪酸(おおむね炭素数が6以下のもの)
  • 中鎖脂肪酸(おおむね炭素数が6~12のもの)
  • 長鎖脂肪酸(おおむね炭素数が12以上のもの)

と分類されています。

なぜ「おおむね」とついているかと言うと、実は炭素数6を短鎖に入れるのか中鎖に入れるのか、炭素数12を中鎖に入れるのか長鎖に入れるのかについて意見が分かれていて、まだ定まっていないからです。

今回の記事では炭素数6以下を短鎖、12超を長鎖として、中鎖脂肪酸は炭素数8~12のものとしておきましょう。これは食品系ではそのようにしているメーカーなどが多いからです。

なお、脂肪酸の炭素数は、奇数も存在はしているものの、偶数のものが大半です。

中鎖脂肪酸

ココナッツオイルが注目される前から、脂肪として身体に蓄えられにくい食用油として中鎖脂肪酸の比率が高い油が特定保健用食品(トクホ)として売られていました。

消化吸収される経路が異なるため、エネルギーになりやすく、脂肪細胞に蓄えられにくいと言う事を売り文句にしていたようですね。

しかし、そうしたトクホ食品は人工的に脂肪酸の交換を行っていることから、一部の人々から嫌われ、自然な状態で中鎖脂肪酸をたくさん含むココナッツオイルに注目が集まったようです。

中鎖脂肪酸はほとんどが飽和脂肪酸

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は3種類です。一番多いのはラウリン酸、次がカプリン酸、一番少ないのはカプリル酸で、ラウリン酸が一番炭素数が多く、中鎖と長鎖のどちらに分類するかで議論のあるところですね。

この三つは、いわゆる動物性脂肪に多くて健康に良くないとされてきた飽和脂肪酸でもあります。

ただ、これまで健康に悪いとされてきたのは長鎖の飽和脂肪酸で、中鎖の飽和脂肪酸が健康に与える悪影響については、まだはっきりしたデータが見つかりませんでした。

中鎖脂肪酸の抗がん作用

がん細胞にどんな薬が効くのかと言う実験では、人にできたがんから細胞を取り出して培養し、それに薬の候補を入れて様子を観察します。

それだけでは不十分なので、がんには効き目がないとわかっている薬を比較対象用として入れたものも横に並べて見比べてみるんですね。

元々あった環境と違うどんなものを加えても、細胞には何らかの刺激が加わるので多少はがん細胞が死滅します。それと比べて薬候補を入れた方でずっと多くがん細胞が死んでくれたら効果が期待できると言うわけです。

中鎖脂肪酸だけの場合

実は中鎖脂肪酸だけでも効き目がある場合もあるんですよ。

それは白血病の一種、成人T細胞性白血病から分離された細胞のうち浮遊性と呼ばれるものを選び出し、これに中鎖脂肪酸のラウリン酸を加えたところ、実に77~78%の細胞が死滅したそうです。

比較グループのDMSOと言う膀胱炎に治療にも使われる薬を入れたものでは15%程度しかがん細胞が死滅しなかったので、細胞に直接入れた場合の効果は明らかです。

一方、同じ中鎖脂肪酸のカプリル酸やカプリン酸を入れた場合でも20%内外の結果だったらしいので、ラウリン酸に特に効果があるようですね。

組み合わせた場合

他のがん細胞で見た場合、中鎖脂肪酸だけでは今一つ効果が薄いようです。そこで、上で一番効果が大きかったラウリン酸にオレイン酸を加えたものをがん細胞に入れて実験が行われました。

DMSO・ラウリン酸のみ・ラウリン酸+オレイン酸の三種類でがん細胞を刺激した対比実験の結果を見てみましょう。生き残ったがん細胞の数の比率です。

肺がんの細胞

  • DMSOのみ:100
  • ラウリン酸:約30
  • ラウリン酸+オレイン酸:1未満

子宮頸がんの細胞

  • DMSOのみ:100
  • ラウリン酸:約75
  • ラウリン酸+オレイン酸:約2

繊維肉腫の細胞

  • DMSOのみ:100
  • ラウリン酸:約50
  • ラウリン酸+オレイン酸:1未満

オイルの組み合わせ

中鎖脂肪酸がたっぷりのココナッツオイル。それにオレイン酸がたっぷりのオリーブオイルを組み合わせるのがベストと言いたいところです。

しかし、オリーブオイルはどこででも買えますが、残念なことにココナッツオイルをスーパーで買ってくると言うのは意外と難しいです。皆さんもスーパーの店頭でご覧になったことってあんまりないでしょう?

そこで通販と言う事になります。精製・未精製などでさまざまな種類や、それに対する皆さんのお考えもあるようですが、基本的に水素添加さえされていなければ、ラウリン酸の効果は十分に期待できます。

裏技

実は裏技があります。ただし、量を過ごすと動脈硬化や肥満の恐れがありますので、一日の使用量はせいぜい10~20グラム程度にしておいてください。

それはバターです。

実はバターにはラウリン酸もオレイン酸も含まれているんですよ。ただしラウリン酸の量はココナッツオイルの1割以下、オレイン酸はオリーブオイルの1/4以下です。

でもキャノーラ油の100倍以上ラウリン酸が含まれていますし、ココナッツオイルの3倍くらいのオレイン酸も含まれています。

さらに他にはない短鎖脂肪酸も含まれていますので、決してバカにはできない油脂なんですよ。

ココナッツオイルは万能じゃありません

まず中鎖脂肪酸はほとんどが飽和脂肪酸ですし、食用油において唯一と言っても良い不飽和の中鎖脂肪酸、デセン酸はココナッツオイルには全く含まれていません。

ですからそればっかりを食べるのは他の悪影響、脂肪肝とか動脈硬化が怖いです。

また、中鎖脂肪酸が脂肪に再合成されにくいのは身体の中でエネルギーに早く変わるからですが、中鎖脂肪酸によって得られたエネルギーのおかげでエネルギーになる必要がなくなった他の脂質や糖質は体脂肪として蓄えられます。

結局のところ、中鎖脂肪酸中心であろうがなかろうが、油脂には1グラム当たり約9kcalの熱量があることに変わりはないので注意して摂りましょう。

ココナッツオイルを積極的に取るのは悪くないです。しかしそれは飽くまで他の油の置き換えでなければいけません。

ココナッツオイルが余分に摂取されればそれだけ太ると言う事になります。

なぜがん細胞が死ぬのでしょう

人間の細胞には、健康であった通常細胞が、がん細胞に変化しそうだと言う状態になった時などに、肉体を守るため自殺してしまうと言う機能が備わっています。

この機能のことをアポトーシスと言うのですが、必ずしも100%機能するものではありません。100%機能してくれたら、そもそもがんになりませんしね。

アポトーシスそのものを促進させる

白血病細胞に対する効果で見られたように、もともとラウリン酸を代表とする中鎖脂肪酸には細胞をアポトーシスに導く機能があります。

上で挙げた実験では、脂肪酸による刺激を行ってから24時間後の結果でしたが、オレイン酸を混ぜて同じ実験を行うと、16時間で同じ程度の結果が得られたそうです。

がん細胞の死滅する時間が2/3に短くなっていますね。

アポトーシスを命じる伝達経路を活性化させる

がん化した細胞に自殺を命じる伝達経路にはカスパーゼ3と言う物質が深くかかわっている事が判っています。

白血病のがん細胞にラウリン酸を加えると、30~40%程度のがん細胞にあるカスパーゼ3が活性化されます。

これにオレイン酸を加えるとその割合が80%くらいに跳ね上がるんですね。

活性酸素の発生を促す

病院で処方される抗がん剤は、細胞レベルで活性酸素を発生させてがん細胞をやっつけることを行っています。

ラウリン酸とオレイン酸はがん細胞の中で活性酸素が発生しやすい状況を作り出すようです。

副作用は?

抗がん剤に見られるようにがん細胞を攻撃する薬は正常な細胞も壊してしまって、ひどい副作用に悩まされることが多いですね。

中鎖脂肪酸は贅肉になりにくい、つまり正常細胞ではあっという間に分解されてしまいます。と言う事は正常細胞をアポトーシスに導いている時間がないんですね。

一方、ほとんどブドウ糖のみからエネルギーを得ているがん細胞では脂肪酸の分解があまり行われません。中鎖脂肪酸は分解されないと言ってもいいくらいなのです。

そのためこのようなアポトーシス誘導効果はがん細胞に対してのみ行われる可能性が高いのです。

本当に効くの?

現段階では臨床実験が行われる前なので、発病してしまったがん患者に対してどこまで効果があるのかは未知数ですが、将来的に抗がん剤としての利用はあり得るでしょう。

しかし、がんの予防にはかなり効果が期待できます。

健康人にもがん細胞はいっぱい

全く健康に問題のない人でも、毎日たくさんのがん細胞が体内で生まれています。

しかし、身体に備わった免疫機能や上に挙げたアポトーシスによってがん細胞は殺され、発病することはないのです。

その免疫機能やアポトーシスの働きが悪くなると、がん細胞の増殖スピードの方が上回ってがんと言う病気が発生します。

継続こそ健康なり

がんに罹っていないのに抗がん剤を使う人はいません。ですからできてしまったがんに対する抗がん効果を期待できるほど大量にココナッツオイルを摂る必要はないんですね。

身体の中に、常にわずかな量の中鎖脂肪酸とオレイン酸が一定の割合で含まれて細胞にいきわたっている状態である方が良いのです。

ですから毎日少しずつ、例えばオリーブオイルを小さじ二杯使っていたうちの半分をココナッツオイルと置き換える程度で良いので、毎日欠かさず使いましょう。

余談ですが、ココナッツオイルを使って鶏肉と野菜を炒めて作ると、市販のルゥでも結構本格的な美味しいカレーができますよ。

使いにくさもあります

先にお話しした通り、ココナッツオイルは飽和脂肪酸の比率が大変高い油です。

そのため25℃を下回るぐらいになると固まります。ラードや牛脂よりずっと飽和度が高いのでガチガチの塊になりますから、冬場は専用のへらなどを準備しておいて削り出して使って下さい。

40℃くらいをキープできる入れ物があるといいのですが、なかなかそれも難しいですよね。私は大型のマイナスドライバーと金づちで削ってます。

また購入や冬場の取り扱いについて、もし手作り石鹸を作っているお友達がおられたら聞いてみて下さい。売っているお店や扱い方のアドバイスを頂けるかも知れませんよ。

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