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がんが予防できる食事とは?単一じゃなく食品群で考えましょう

がんに効く食べ物なんていうフレーズでお勧めされるものは、世の中にごまんとあります。しかし、それが本当に効果があるのかというと、意外に条件付きだったりして、微妙だと言わざるを得ないのが実情でしょう。

第一、それらが本当に高い効果を持つのなら、これほどがんで亡くなる日本人はいないはずですよね。がんは昭和50年代半ばに日本人の死因一位になってから、現在までトップの座を守り続けています。

抗がん作用のある食べ物とは

食べ物の中で明快に抗がん作用を持っているのは、シイタケぐらいでしょう。医療用の医薬品レンチナンはシイタケから抽出精製された注射・点滴用抗がん剤です。

でも、シイタケをがんが治るくらい食べるとなると、おそらくは大変な量になると思います。食べ続けるどころか、一回でも食べきれる量ではないだろうと思いますね。

同じようにさまざまな食べ物について、がんに効いたとか、薬が要らなくなったなどという話は、枚挙にいとまがありません。しかしいずれの食べ物にせよ、そればかりを食べ続けることは、実際問題としてただの難行苦行のような気がします。

どうやって食べ物でがんを防ぐのか

例えば、シイタケから作られるレンチナンは、免疫力の強化という効能を持っています。免疫力を強化することでもともと身体に備わっていたがん細胞への攻撃能力をアップして治療につなげようというものですね。

キノコと言えば一時ブームになったアガリクスですが、これも免疫力のアップでがんが治ったというようなことを標榜していました。国立健康・栄養研究所によると、有効性は確認されていないそうです。もしかするとシイタケからの連想だったのかもしれませんね。

一方、最近では抗酸化物質が、がんの予防に有用であるという考え方もあるようです。がんの治療に用いられる抗がん剤や放射線は、活性酸素を利用してがん細胞を攻撃しているので、抗酸化物質の服用は逆効果になるかもしれませんが、予防には効果があるという事なのでしょう。

他にも、腫瘍そのものを抑制する作用を期待されているものもありますし、変わったところではがんそのものではなく、がんの転移を抑える効果が期待されている物質もあります。

がんはなぜできる

実は、まだ決定的な原因というのは分かっていません。さまざまな発がん性物質、たばこの煙だったり、公害による化学物質だったり、ウイルス感染だったり、それこそありとあらゆるものが原因とされています。

でも、共通のメカニズムが分かっていないので、その原因を防げばがんにならず、取り除けばがんが治るという方法は見つかっていないのが現状です。

そのため、例えば子宮頚がんはウイルス感染が原因で発生するがんですが、肝臓がんはB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスが原因になることもあるという、あいまいな存在です。

現在、有用性とともに副反応が問題になっている子宮頸がんワクチンですが、ある意味メカニズムがはっきりしない物に対する、対症療法的予防対応が生んでしまった現象なのかもしれませんね。

がんは自分自身

がんというのはどこかからやってきて、自分の身体に巣食った侵略者ではありません。もともと自分の細胞だったものが、自分を殺すように変化してしまった裏切り者なのです。がん細胞にはすごい特徴があります。

それは言わば死なない細胞であり、無節操に増え、エネルギーを使いまくる細胞だという事です。人間の細胞は老化すると死滅して、新しい細胞と置き換わるようにコントロールされています。

しかし、前の細胞の交代準備ができていないのに、どんどん増えてしまうのががん細胞です。逆に新しい細胞ができているのに、古い細胞が死滅せず、さらに増殖するのががん細胞とも言えるでしょう。このことが、がんの予防に役立つ知識になります。

まずはできることから

少なくとも、がんの原因になるであろうとされる物を遠ざけることは可能ですね。たばこを吸わない、お酒を飲まない、日光に当たり過ぎない、刺激の強い食べ物を避ける、がんの原因になるウイルス感染を検査するなどです。

適切な行動によって、がんによる死亡の40%は予防可能だとWHO(世界保健機関)は示しています。その中でも最大の効果を持つのは、禁煙と受動喫煙の防止だとも言っていますから、まずはたばこを遠ざけましょう。

たばこは文学や絵画、映画などの文化に表現された歴史上の嗜好品であり、21世紀には必要のなくなった危険物です。

予防に役立つ食べ物

一般にがんを予防するのに良い食べ物というと、どんなイメージでしょうか。カロテンの多い緑黄色野菜や海草でしょうか。にんにくやネギのような「精の強い食べ物」でしょうか。

「ばっかり」はダメ

いずれにせよ、がんに効くからといって毎日人参のにんにく炒めばかり食べていたら、一週間で見るのもイヤになるでしょうね。

がん予防に限らず、ダイエットや健康効果を期待して何かを食べる場合、それ一つを集中的に食べるのは効果も期待できませんし、逆に健康を損ないかねません。

共通項を探せ

今回ご紹介したいのは次のような食べ物です。並行してがん予防以外の効果も挙げてみましょう。

わさび

ワサビスルフィニルという有効成分(化学名は恐ろしく長い名前で、これは抽出製法特許を持つ会社の商標です)に、がんの転移抑制作用が期待されています。

その他、抗酸化作用や糖尿病の合併症予防、そして他の有効成分とも相まって、美肌やアレルギー軽減作用が期待されています。

ブロッコリー

最近では超健康野菜扱いになっていますが、何より美味しいのが良いですよね。個人的には軸の部分を柔らかく茹でて、塩とオリーブオイルで頂くのが好きです。

ブロッコリーに含まれるスルフォラファンという植物栄養素(フィトケミカル)が、抗がん作用を持つとされています。同属変種のカリフラワーにも入っているようですね。

スルフォラファンは、抗酸化作用や肝機能向上にも有用とされています。ただ、非常に微量な要素なので、効果を期待するのであれば、発芽3日目のブロッコリースプラウト(ブロッコリーのかいわれ)が、スルフォラファンを高濃度で含んでいるのでお勧めです。

ケール

あまりケールをそのものを購入できる機会はないでしょうが、青汁の主成分になっていることが多いものです。

成分のグルコブラシシンは、胃酸と反応してジインドリルメタンという抗がん物質に変化します。ジインドリルメタンは、アメリカではDIMというサプリでよく売られているようですね。

しろからし

マスタードに入っている粒々です。これにはシナルビンという有効成分がありますが、比較的分解されやすいので、効果は少ないかもしれません。なお、和からしの成分にも含まれてはいますが、量は少ないです。

芽キャベツ

シニグリンという抗がん物質が含まれています。これはがん細胞に死滅プログラム(アポトーシス)を命令する効果があるものです。先にお話しした「がん細胞は死滅せず無節操に増え続ける」という事を、キャンセルする効果といっても良いでしょう。

ですので、今後様々な情報の中でがん細胞にアポトーシスを起こさせる効果があるというのがあれば要チェックですよ。その他利尿作用などもあるので、むくみ取りにも効果的ですね。芽キャベツだけでなく、普通のキャベツや白菜、ブロッコリーにも低濃度ですが含まれています。

共通項はアブラナ科

上に示した野菜の共通点は、全てアブラナ科の植物だという事です。もともと健康要素の強いアブラナ科植物ですが、がん予防でも際立っているようですね。

品種によって有効成分の多い少ないはあるようですし、加熱しても平気な成分もあれば、生で食べた方が良い成分もあります。少なくともスプラウトとマスタードは生食に限りますね。

アブラナ科の野菜

ひとくちにアブラナ科といっても、かなり広い範囲にわたりますので、スーパーなどで購入しやすいものを羅列してみましょう。

  • 菜花
  • だいこん
  • キャベツ
  • 白菜
  • クレソン
  • わさび
  • からし菜
  • 高菜
  • 水菜
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • 芽キャベツ
  • 野沢菜
  • 小松菜
  • ルッコラ
  • ザーサイ(中国野菜)
  • タァサイ(中国野菜)
  • 青梗菜(中国野菜)

これだけあれば、毎日メニューに乗っけても飽きることはないでしょうね。

残念ながら油はダメです

アブラナ科を代表する植物といえばもちろんアブラナ、つまり菜種油の原料になる植物です。今菜種油といえば、従来種ではなくほとんどがキャノーラ種になっていますので「菜種油≒キャノーラ油」というイメージです。

しかし、残念なことに従来の菜種油には、大量摂取すると心臓に悪影響が出るかもしれない成分のエルカ酸を大量に含んでいたため、現在ではエルカ酸をほとんど含まない品種に変わっています。

キャノーラ種はその代表格なんですね。でもエルカ酸を含まない品種は、同時にがん細胞をやっつける効果のあるグルコシノレートも含まれていないのです。

グルコシノレートは上で紹介した、様々な抗がん作用を持つ物質の前駆物質の総称です。(グルコシノレート類を噛んだり消化したりする時に、抗がん物質に変化するということです。)

という事で、油の方はキャノーラ油でもラードでもさほど抗がん作用に差はないので、そのお話は別の機会にしましょう。

組み合わせが大事

今回はアブラナ科の野菜について紹介しましたが、アブラナ科を食べていればOKというわけではありません。

ヒガンバナ科のねぎやたまねぎ、にんにく、ラッキョウなども体に良い食べ物ですし、セリ科のにんじんやセロリなど、さまざまな科にさまざまな栄養のある野菜がいっぱいですから、偏らないようにしましょう。

その中に毎回アブラナ科の野菜が入っていると、効果が期待できそうですね、と考えて下さい。

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