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赤ちゃんの脳の発達は生まれた時からが勝負だという事ご存じですか

誕生直後のヒトの状態

ヒトは生理的早産と言われます。それは、他のほ乳類と比べ独り立ち独り歩きをするのに誕生してからおよそ1年かかるということが示しています。運動機能だけでなく他の機能も生まれてすぐの状態は、およそ生きてゆくには心許ない状態である事はあきらかです。

そんな弱々しいヒトも生まれて1年を過ぎるころになると運動機能だけでなく他の機能も一人前とは行きませんが、大人と見た目では遜色ない状態にまで発達してゆきます。

これらの事を考えると身体のすべてをコントロールする脳は、大人の脳と比べると誕生直後にはとても不完全な状態であって、目はあっても脳との神経連絡が働いておらず見えていません。

排泄も膀胱が一杯になると外に出そうとする膀胱反射すら出来ていません。もちろん筋肉のコントロールなど及びもつかず、歩く事などはるか彼方の事で、首すら座っていません。

この時出来ているのは寝て起きて食べて不快な感情を示す働きを司る程度で、それも食べることも吸啜反射であり、感情も不快感情以外の感情は後から育ってくるものです。

出生がスイッチとなる脳の発達

ヒトはあまりにも不完全な状態で生まれてくるのですが、母胎の子宮と羊水とに守られて胎盤を通して栄養を得て老廃物を排出するという環境から産道を通り外界に出てくることによって胎児は環境の変化を感知しそれによって肺呼吸が始まります。

産声というのは安定した環境からの惜別の声なのか、それとも新しい環境への歓喜の声なのか、実際には肺を膨らませて肺呼吸をするための動作にしか過ぎないと考えられますが、その実際を知っているのは「天上天下唯我独尊」と語った釈尊だけかもしれません。最近の研究でヒトの脳の発達とセロトニンとの関係が注目されています。

そして先日、金沢大学の研究チームがマウスのヒゲの触覚からの情報を受け取る脳の神経回路に注目して、マウスを早産させてもさせなくても出生をきっかけとしてその回路ができあがる事を確かめて、出生に伴い脳内のセロトニン濃度が減少して脳の神経回路が作られるという結論に達した事を発表しました。

つまり出生がスイッチとなって脳のセロトニン濃度を減少させ、それをきっかけとして脳の発達が進行するということであります。そして今後研究を続けることによって早産が発達障害や精神障害のリスクを高める原因究明につながるとしています。

出生後の環境に左右される脳の発達

生理的早産で生まれやっと自発呼吸が出来るようになり、脳の発達が進行するようになった新生児は、その養育環境によって脳の発達に著しい悪影響を受ける事があります。セロトニンが脳の発達に影響を及ぼすという事は既知のことで、その働きの状態によっては障害が発生するという事が確認されています。

脳の発達はおよそ18歳まで進んでいると脳波の発達との関係により確かめられています。ただしその発達のスピードは生後一年が最も著しく、その後、10歳前後までにほぼ完成すると考えられます。この生後一年の間の脳の発達がその後の一生を決めると言っても過言ではありません。

赤ちゃんは寝ているばかりだから昼夜の区別はないだろうと考えてはいけません。昼夜の区別は寝ていても身体は知覚しています。赤ちゃんも同じで昼夜の区別のない一日中明るい環境で育てられた子は、自閉児と同じ行動を示すようになったという事例があります。この子は昼夜の区別のある環境に変えたところ健常児と同じになったという事です。

朝起きて太陽の光を浴びて過ごし夜寝るときには電気を消して暗くする、日常生活に区切りがはっきりしない生活を繰り返していると、セロトニンの制御が不十分となりヒトには悪影響が起きてしまい、時としては障害が発生するという事になります。

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