TOP > 乱視

乱視の原因と見え方!矯正方法やコンタクトは有効?

目のトラブルにはいろいろ種類があります。最も典型的なトラブルが、視力の低下です。眼鏡やコンタクトレンズを装着することによって、多くの場合健常な状態と同じレベルの視力矯正が可能になります。

場合によってはレーシック治療という最新医療技術を駆使して視力矯正を行うことも可能です。しかし一般的には、単に視力が落ちたということであれば、眼鏡やコンタクトレンズといった比較的手軽な方法で視力矯正するにとどめるでしょう。

ただ、単純に「見る力」の低下によって見えなくなるのではなく、正しく見えない、つまり、物がダブって見えたりブレたりすると、話はそう簡単ではなくなります。目の世界もなかなか複雑なのです。

重篤な疾患は別としても、視力低下など比較的身近な目のトラブルの中では、やはりダブって見える、ぶれるといった症状を伴う「乱視」は、なかなか厄介なトラブルであるといわれます。今回はその「乱視」についてお話していくことにします。

どうして乱視が起こる?その原因は何なのか

物が正しく見えないという状況を把握するためには、正しく見える状況とのちがいを見つけるとわかりやすいと思います。まずは物が正しく見える状況から説明することにします。下の図をご覧ください。

人はなぜ物を正しく見ることができるのか

乱視のメカニズムを表したイラスト

上の<正視>および右下の<コンタクトレンズ装用>の図が、物が正しく見えている状況を模式的に表したものです。この状況について、少し説明を加えることにしましょう。まずは目のパーツの名称について説明します。

一番上の<正視>の図を利用して説明を進めます。図の一番左側の出っ張った青いラインの部分を「角膜」と呼びます。その右側の厚みのある水色のパーツが水晶体です。黒の直線的なラインは、光の軌道を示しています。

角膜も水晶体も、どちらも光を通すレンズの役割を果たしており、角膜と水晶体で光が屈折します。その原理は、中学の理科で学習した凸レンズの性質と似ています。角膜や水晶体を一種の凸レンズとみなしても問題ありません。

次に、光が集まっている点(焦点)が、カーブしているパーツ上にありますが、この曲線(実際は曲面)をなす部分が、「網膜」と呼ばれるスクリーンのようなパーツで、このスクリーンに映し出された画像情報が、脳に送られて処理されます。

以上のプロセスを経て、私たちは物を正しく見ることができるのです。上記のどのプロセスでトラブルがあっても、私たちは物を正常に見ることはできません(多少の補正がかかることはありえます)。

ところが乱視を発症すると、上記の「視覚」のプロセスにトラブルをきたします。その状況と原因について、今度は考えていきます。

どういうトラブルが乱視を引き起こす?意外に気付きにくく発覚が遅れる乱視

乱視のメカニズムを表したイラスト

上で掲載した図の左下、<乱視>と記されている図が、乱視が起こっているときの状況を表した模式図です。本来であれば、水晶体(厚みのある水色のパーツ)を通したすべての光が網膜(スクリーンン)上の焦点に集まる必要があります。

ところが乱視を起こすと、図のように、大部分の光は正常な像をスクリーン上に結びますが、一部分の光は、正しく網膜上に像を結びません。図のように手前で結ぶか、像を結ぶ前に光が網膜に届いてしまいます。

これは、凸レンズの側に問題が生じたことを意味します。つまり、水晶体、もしくは角膜に問題が生じたため、光の入射角度が従来と同じでも、屈折角度や焦点距離が狂ってきていることを意味します。これが、乱視の原理です。

そのときの物体の見え方は、まさに<乱視>の図のりんごのように、だぶって見えます。これが乱視の最も典型的な視覚における症状です。おそらく、乱視を経験したことがない人は、相当見づらいと感じると思います。

もちろん、乱視をすでに経験している人も、この状況で物がみやすいはずはありません。ただ、こうした状況が突如起こるわけではありません。それに、多少ピントが狂っていても、脳のほうで微調整をかけて補正することもあります。

それだけに、これだけ大きな視覚の異常でありながらも、意外と乱視の発覚は遅れやすく、症状の悪化につながることも珍しくないのです。乱視も悪くなるほど厄介なトラブルなので、この点には十分注意する必要があります。

ただし、乱視の人の物の見え方は、上記のりんごのように左右がぶれるだけにとどまりません。他にもいろいろな見え方をする乱視がありますので、これについてさらに説明を加えます。

乱視では物がどう見えるのか?乱視の種類とそれぞれの見え方

一概にすべてそうとは言えませんが、やはり他の多くの病気と同じように、乱視も年齢を重ねて症状を自覚しやすくなります。乱視や視覚に対する意識レベルもそうですが、単純に、加齢とともに症状が悪化しやすい傾向にあるのも乱視の特徴です。

年齢を重ねてから乱視を発症する人でも、実は若いころから軽度の乱視であった可能性もあります。多かれ少なかれ、乱視はかなりの確率でみんなが持っていると考えられています。それゆえ年齢と症状の関係は密接であると推測できます。

乱視の症状が悪化することで、上記で触れたダブってみえる、ブレて見えるという異常の度合いも当然顕著になります。ただ、症状の軽重だけでなく、症状の種類が多様化する傾向も見られます。

種類が異なれば、物の見え方も当然異なってきます。同じ乱視でも、その見え方は多様です。ここでは、乱視の種類と見え方についてお話していきます。

乱視の種類と見え方のちがいを検証する!

乱視の種類は、大きく分けると2種類あります。ただし、見え方の違いについては、それぞれの種類ごとにさらに細分化されていますので、ひと口に「乱視には2種類ある」とは言い切れない部分もあります。

乱視の原因は、角膜や水晶体にトラブルが生じることにあるというお話をしてきました。実際は、乱視の原因のほとんどは角膜のほうに生じるトラブルなのですが、いずれにしても、光をとおすレンズの問題ということになります。

レンズ(主に角膜)の角度がゆがんでいる乱視の種類を、「正乱視」と呼びます。一方、角度はゆがんでいなくても、レンズが波打つようなイメージで表面に凹凸ができていることが原因で起こる乱視を、「不正乱視」と呼びます。

正乱視の場合、眼鏡やコンタクトレンズを装着することで矯正することが可能です。そして幸いにも、私たちが一般的に認識しているほとんどの乱視は、眼鏡でも矯正可能な正乱視になります。

不正乱視の場合、眼鏡での矯正は不可能ですが、コンタクトレンズでは矯正できる場合があります。上のりんごの例は、正乱視になります。不正乱視の場合、物がだぶったりブレたりするというよりは、ゆがんで見えることが多いです。

大きく分けると、乱視は上記の正乱視と不正乱視の2種類ということになります。ただ、同じ正乱視でも、角度がゆがむ方向によって、さらに3種類に分類されます。当然見え方もそれぞれ異なります。

正乱視の分類と見え方の違いは?

正乱視は、以下の3種類に分類されます。物の見え方もそれぞれ説明します。

直乱視 物体が地面に対して鉛直方向にゆがむ(つぶれる、のびる)
倒乱視 物体が地面に対して水平方向にゆがむ(つぶれる、のびる)
斜乱視 直乱視と倒乱視の混合(斜め方向にブレる)

正乱視には、上記のように直乱視、倒乱視、斜乱視の3種類があります。それぞれの見え方は、以下の図のようになります。左から直乱視、倒乱視、斜乱視の見え方です。

直乱視倒乱視斜乱視それぞれの見え方

さらに、角膜の形というか、カーブの大きさによって乱視が起こることもあります。角膜も光を通し、屈折させるレンズの役割を果たしますので、当然カーブを描いています。そのカーブの曲率が、乱視と関係しているのです。

カーブがきつい角膜の断面のラインを強主経線と呼び、カーブが弱い断面のラインを弱主経線と呼びます。強主経線と弱主経線はふつう直交(直角に交わる)しています。この強弱の主経線と乱視の関係を、以下にまとめます。

単乱視 どちらかの主経線が正視であり、他方が近視もしくは遠視である場合に起こる乱視
近視のときは「近視性単乱視」、遠視のときは「遠視性単乱視」
複乱視 主経線のいずれもが近視もしくは遠視である場合に起こる乱視
近視のときは「近視性複乱視(近乱視)」、遠視のときは「遠視性複乱視(遠乱視)」
雑性乱視(混合乱視) 強主経線が近視、弱主経線が遠視の場合に起こる乱視

このように、乱視には多様な種類があり、非常に複雑であるため、自覚症状を上手に説明できないケースも多く、治療に時間がかかってしまうこともあるのです。逆にそれだけ早期発見が重要でもあります。

乱視かどうかをチェックして早期発見、早期治療を!

乱視は多くの人が潜在的に持っている目のトラブルです。ごく軽微の乱視を持つ人は非常に多く、そのケースでは、自覚症状がほとんどありません。また、体調や疲労によっても乱視のような症状が見られることもあります。

それだけに、乱視を正しく自分で判断することは、正直なかなか難しいところがあります。ただ、乱視のセルフチェックの方法もあります。実は、以下の図を用いて簡単なチェックができるのです。ぜひやってみてください。

乱視チェック画像

方法は簡単です。実際に眼科でも実施される乱視チェックですから、パソコンの画面がきれいでさえあれば、それなりの信ぴょう性はあるといえるチェックです。ルールは以下のとおりです。

片目を閉じて、もしくは手で隠して、上の放射線状のイラストをみてください。 画面からの距離は30cmから2mくらいの間で、見やすい距離で結構です。 裸眼で見た場合と、眼鏡・コンタクトレンズをつけてみた場合では、見え方が変わることがあります。

上の図をこのルールにしたがって見たときに、すべてのラインがだいたい同じような太さ、濃さであれば、すぐに治療しなければならないレベルの強い乱視の心配はほぼありません。

乱視の人は、以下の図のように、部分的にラインが太く見えることがあります。

乱視チェック画像乱視の場合

ただし、上記のセルフチェックで何の問題もなかったからといって、「自分は乱視とは無縁だ!」と思いこんでしまうのは危険です。再三お話しているように、潜在的な小さな乱視は誰にでもあります。

それが何かのタイミングで悪化してしまうと、将来的に強い乱視の症状が現れることも十分考えられますので、油断せず、定期的なチェックの実行をおすすめします。逆に、1回のチェックで異常があった場合も注意してください。

というのも、上で述べた通り、体調や疲労などによって、角膜などに異常がなくても一時的に乱視のような症状が現れることもあるからです。1回目に異常があった人は、時間をおいて何度かチェックを繰り返してみてください。

乱視になってしまったらどうする?乱視の治療・矯正方法はコレ!

単に視力が低下したということではなく、物が正しく見えないという厄介な症状の乱視は、もしかしたら治らないのではないかと不安に思う患者さんも多いです。しかし、乱視の多くが治療可能な目のトラブルです。

そして、治療というとやや大掛かりなイメージがありますが、治療の前に「矯正」という発想でアプローチすることが多いのも、乱視の症状を解消するための常套手段です。ここからは、乱視の治療や矯正についてお話していきます。

最もポピュラーな乱視の矯正方法は眼鏡の装着

乱視の改善の方法として、治療、矯正含めていろいろな手法が採用されますが、最もポピュラーなのが、やはり乱視対策用のレンズを入れた眼鏡を装着するという方法になります。

ただし、上でも触れたとおり、眼鏡の装着によって乱視の症状が改善、緩和されるのは、正乱視のみです。不正乱視の場合、専用のコンタクトレンズによる強制や、レーシックなどの手術による治療(手術矯正)が必要になります。

また、あまりにも強い乱視がある場合、眼鏡だけでは十分に矯正しきれないケースもままあります。そういうときには、たとえ正乱視であってもコンタクトレンズを装着して矯正することになります。

コンタクトレンズでも矯正できないレベルの乱視は、やはり手術による角膜の矯正が必要になります。

乱視矯正とコンタクトレンズの関係は特徴的

ここまでお話してきたように、強い乱視(重度な症状がある乱視)には、眼鏡よりもコンタクトレンズが効果的な場合が多いです。コンタクトレンズといえば、ハードコンタクトとソフトコンタクトがあります。

乱視の矯正で用いるコンタクトレンズは、一般的にはハードコンタクトのほうです。ソフトコンタクトだと、硬度がないため角膜のゆがみを十分に矯正できない場合があるからです。

ただ、最近では乱視入りのソフトコンタクトも徐々に登場しはじめているので、ハードコンタクトだと強い違和感が生じる、あるいは目にトラブルが出やすい患者さんは、ソフトコンタクトの装着も視野に入れられる時代ではあります。

とはいえ、乱視の場合主流はどうしてもハードコンタクトなので、現状では、乱視の種類や程度によってソフトコンタクトの装着も可能という程度にとどまります。この点には注意が必要です。

乱視の外科的手法による治療・手術矯正は?

矯正というよりは、治療というイメージに近いのが、手術による乱視の改善です。上記ですでにお話してきましたが、やはり乱視のなかには、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正ができない種類・症状もあるのです。

そういったケースでは、手術による治療が有効です。治療とはいっても、角膜を都合のよい形に整えることが主な目的なので、基本的には矯正に近いです。以下にその方法をまとめます。

LRI(Limbal Relaxing Incision=角膜輪部減張切開術) 切り込みを入れて角膜のゆがみを矯正する手術
乱視入り眼内レンズを用いた白内障手術 白内障という目の病気の手術の際に移植する眼内レンズに乱視度数を加えて移植する手術
LASIK(レーシック) 角膜を削ることによって光の入射角度を調整し、乱視を矯正する手術。健康保険適用外。乱視の種類や症状によって施術不可能な場合もあり

近年では3番目の「レーシック手術」が注目を集めていますが、手術には健康保険が適用されないというところが大きなネックになってしまうケースが多いようです。

乱視用コンタクトレンズ、乱視用カラコンって何?

乱視用コンタクトレンズというと、たった今お話してきた、「眼鏡で矯正できないときの乱視向けコンタクトレンズ」というイメージになります。しかし実は、それ以外にも「乱視用コンタクトレンズ」があるのです。

なんじゃそりゃ?と思うかもしれませんが、その正体は、「乱視用カラコン」なのです。カラコンとはつまり、カラーコンタクトのこと。若い女性を中心に非常に多くの支持を得ており、実際に装着している女性が多いコンタクトレンズです。

といっても、一般的なカラコンは、医療用ではなく、ファッションアイテムのひとつとして人気を博しています。カラコンを入れることによって、瞳や目そのものが大きく見えることから、若い女性に大人気なのです。

しかし実際のところ、カラコンをめぐる目のトラブルは非常に多く、中にはカラコンが原因で失明しなければならなかった女性も複数にのぼるのも事実です。ですから、カラコンはどちらかといえば「悪名高いコンタクトレンズ」なのです。

ところが、最近は「乱視用カラコン」として、乱視の女性にも注目が集まるカラコンが登場しているというから驚きです。「乱視用」をうたっているということは、乱視用カラコンは当然医療用コンタクトレンズであると、きっと思うでしょう。

しかし、この乱視用カラコンには、意外な真実が隠されていたのです!(ちょっと大げさかもしれないですが・・・)

注意!「医療用のカラコン」など現在は存在しない!

乱視用カラコンは、一説によると、乱視を持っている女性(もちろん男性でも同じですが)には乱視を矯正する効果があるとされます。まあ効果もなく「乱視用」をうたうわけにはいかないわけですから、これは当然のことでしょう。

では、「乱視用」というのはいったい誰が言っているのかというと、メーカーもしくは販売元の発言(というか、そう呼んで売っている)なのです。実際は、厚生労働省も医師会なども、この「乱視用カラコン」を認可したり良い評価を与えたりは、一切していません。

つまり、「乱視用」とはうたわれていても、このカラコンは医療用コンタクトレンズではないのです。ということは、悪名高いカラコンと大差ない商品である可能性が高いということを意味します。

ですから、目は小さいし乱視だし、もうイヤ!などといろいろ悩みが多い女子は、「乱視用カラコン」と聞いて安易に、やみくもに飛びつくようなことがないように、重々注意していただきたいのです。

それでもどうしても乱視用カラコンを装着したいなら、その商品をかかりつけの眼科やクリニックに持っていって、「コレを装着したいんですけど・・・」という感じに、お医者さんに相談してみてください。

お医者さんからのゴーサインが出てから、乱視用カラコンを装着するようにしてください。ちなみに、乱視用ではないただのカラコンであっても、この手順は同じです。装着前に、必ずお医者さんに相談しないと、大きな事故につながることもありえます。

中には実験的に乱視用カラコンを処方するお医者さんも!

ただ、女子というのは多少のリスクがあっても、やっぱり少しでも美しくなりたい願望があるようで、その要望が眼科・クリニックに届くこともあるようです。そして、眼科・クリニックによっては、実験的に乱視用カラコンを処方するところもあるのだとか。

さくら眼科は、女性院長ということもあり、女性の患者さんの率が極めて多いので、サークルレンズの処方を希望でも乱視があり断念した患者さんが数多くいらっしゃいましたので、いちはやく処方用テストレンズを用意してみました。

上記の「サークルレンズ」というのが乱視用カラコンのことです。乱視用カラコンなんてもってのほか!といった口調でお話してきたかもしれませんが、上記のように、お医者さんがゴーサインを出しているということであれば話は別です。

こういうこともあるので、ふつうのカラコンにしても乱視用カラコンにしても、まずはお医者さんのところにもっていって判断を仰ぐことが大切です。健康な目があって、はじめて美しい目が手に入る(というとなんだか妙ですが・・・)のです。

乱視は早期発見・早期治療が肝心!

さて、ここまで乱視に関するあれこれについてお話してきました。誰もが持っているとはいっても、できることなら重度化させないにこしたことはないのが乱視です。重度化させないためには、やはり早期発見・早期治療が何より重要です。

ですから、たとえば上でご紹介したセルフチェックを定期的に実施するという方法でもかまいませんし、かかりつけの眼科やクリニックなどで、定期的に乱視の検査をしてもらうということでももちろんかまいません。

いずれにしても、目の何らかの異常を自覚したら、すぐにでも眼科・クリニックに相談することが大切です。そして、特に異常がなかったとしても、ご自身の目をいたわるためには、定期的な眼科健診を行うことをおすすめします。

新着記事はこちらになります!気になる記事は要チェック!

キャラクター紹介
ページ上部に戻る