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大人の喘息の原因は?生命も脅かす怖い発作症状とその対処法

喘息治療用の吸入器を使用する女性

私が小学生の頃、クラスには必ず「喘息」をもった友達が2~3人はいました。当時の喘息は「公害病」とも呼ばれており、主な原因は汚れた大気と考えられていたのです。

昭和の40年代は大気汚染が社会問題となっており、今では聞かなくなった「光化学スモッグ注意報」などが度々発令されていたのを思い出します。

近年、光化学スモッグの話題は「PM2.5問題」「黄砂問題」「花粉症問題」へと変化しており、喘息と言う病気も過去のものと思っていましたが、実はそうではなかったようです。

なんと現在では大人の喘息発症が増加している状況になっています。

「大人の喘息」の原因や対処法は?しっかり知っておく必要がありますよ。

喘息は子供だけの病気ではない!喘息が”危険な病気”の理由

喘息と言えば「小児喘息」が有名で、気管支の発達していない子供が発症する病気と考えがちですが、現在問題になっているのは大人になって初めて発症する喘息の増加です。

ここ10年で大人の喘息が倍増していた!

平成22年12月に開催された「厚生科学審議会疾病対策部会 第4回リウマチ・アレルギー対策委員会」において、成人が発症する喘息(成人喘息)がここ10年で倍増したことを報告されています。
(第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会議事録 |厚生労働省より)

中には子供の頃に小児喘息にかかっていた人が大人になって再発するケースも含まれていますが、初めて喘息を発症する人も増加しているそうです。

根拠も無く「喘息は子供の病気」と考えていた人も多いと思いますが、それは間違いであり子供よりも大人に増加が見られるのです。喘息とは一体どのような病気なのでしょうか?

知らなかった!軽い病気と思っている喘息で死者が

「ゴホゴホ」「ヒューヒュー」喘息を持っている人は、側で見ているだけで辛そうです。お母さんが子供の背中をさすっている風景を見たことがあります。

しかしそれは昔の話であって、現在では喘息と言う病気は克服されていて発症はしても治療によってすぐに快方されると思っていました。

「年間約2000人」…何の人数だと思いますか?

実は喘息による年間の死亡者数です。
(喘息死ゼロ作戦の実行に関する指針 |厚生労働省より)

「えーっ」私的にはビックリの数字であり、まさか年間で2000人もの人が喘息で亡くなっていようとは思ってもいませんでした。

死亡者数についてはその年によってバラつきはあるのですが、それにしても「喘息ごときで数千人とは…」と思ってしまいました。

しかし喘息はそんなに甘い病気ではなかったのです。

喘息での死者を無くす「喘息死ゼロ作戦」が実施されていた

この状況に厚生労働省は、「喘息での死亡は予防できる」との観点から「喘息死ゼロ作戦」と名付けた作戦を推進しています。

統計によりますと喘息での死亡数は、都道府県別で数にばらつきがあり、多い県と少ない県があります。2004年の調査で喘息による10万人あたりの死亡率が高い県は以下の通りです。

  1. 鹿児島県
  2. 徳島県
  3. 愛媛県
  4. 鳥取県
  5. 岡山県
  6. 高知県
  7. 長崎県
  8. 沖縄県
  9. その他

人口10万人あたりの喘息による死亡者数の平均は2.6人ですが、ここに紹介した県は全て4人以上となっており、積極的な対応を求められています。

このような活動を推進した結果、喘息による死者は少しずつ減少しているのも事実ですが、反対に大人の喘息には増加が見られます。

年間で多くの人が喘息で亡くなっています。ゴホゴホつらそうというだけではなく、喘息は生命も脅かす病気なのです。

喘息と言う病気を理解しよう!喘息の原因や気管支炎との違い

私が子供の時代に友人が喘息発作を起こすと、「ゼイゼイ」と苦しそうな息をしていたことを覚えています。先生が背中をさすって保健室に連れて行って、早退することも珍しくはなかったですね。

「喘息=息ができない」これが当時の私の理解です。それでは喘息と呼ばれる病気をきちんと紹介します。

炎症で気道が細くなるのが喘息

人間は生命を維持するために「水」「栄養」「酸素」は必須の要件とされています。中でも酸素は途切れることで、直ぐに死んでしまうくらい重要なものです。

酸素は地球の大気である空気に含まれている成分であり、呼吸によって空気を取り入れて酸素を抽出しています。(当たり前ですね)

人間は空気を体内に取り入れるために「肺呼吸」を行いますが、肺に空気を送り込むために重要な働きをしているのが「気道(気管、気管支)」なのです。

鼻や口から吸った空気は、気道を通り肺へ運ばれます。肺では空気から酸素を取り出し、不必要な二酸化炭素とスイッチするのです。こうやって我々は生命に必要な酸素を得ているのです。

この気道が炎症により細く狭くなったらどうなるでしょうか?空気が通れずに肺に十分な量を送ることができなくなります。そのため「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と息切れをし、場合によっては酸素濃度が低下して意識不明や最悪死亡することもあるのです。

つまり「喘息は気道が炎症により細くなって十分な空気を肺に送れなくなる病気」です。いくら息をしても肺に空気が届かない…そんな苦しい病気だったのですね。

知っている人にとっては、長々と当たり前のことを説明しましたが、ここで私が言いたいのは水や栄養(食べ物)は数日摂取しなくても、生命に危険はありません。

しかし酸素は供給を停止されたら数秒~数分で死亡してしまうことです。この意味から考えても喘息は死と直結した病気と言えるのではないでしょうか?

喘息は気道の慢性的な炎症が原因

日本呼吸器学会のホームページでは「気管支喘息」の概念を以下のように紹介しています。

気管支ぜんそく(喘息)は、気管支に炎症が続き、さまざまな刺激に敏感になり、空気の通りみちが狭くなる病気です。

喘息を発症している人には慢性的な気道(気管、気管支)の炎症が見られ、それにより気道が一般の人よりも細くなっています。また、炎症を起こしている気道は、非常に過敏になっており、僅かな刺激に対しても発作を起こしてしまいます。

正常な気管支と喘息の気管支の比較

喘息の発作を誘発する原因としては「ダニ」「ハウスダスト」など一般的にありふれたものが多く、それに対するアレルギー反応と考えられます。

つまり、日常的に炎症を起こしている気道に、アレルギー物質が付着することで起こるアレルギー反応が喘息だったのです。

気道が狭くなる!喘息の発作が苦しい理由

喘息を発症している人は、発作を起こしていない状況においても、一般人よりも気道が細くなっています。

日常的に呼吸が十分できていない可能性もあり、「低血圧」「貧血」などの慢性的な症状を持っている人も珍しくはありません。

喘息発作は過敏になった気道にアレルギー物質が接触することで発症します。もともと炎症で細くなった気道に刺激が加わると、気道の壁がさらにむくみ、粘り気の強い痰が増加します。

さらに気道の筋肉が収縮して気管や気管支がますます細くなってしまうのです。

患者は咳や痰が増え「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音を出し、呼吸が辛くなってしまいます。この時患者が出す音を「喘鳴(ぜんめい)音」と言います。

通常、喘息発作は一時的なものであり、軽いものであれば時間経過によって自然に回復しますが、重度の喘息発作においては即座に治療を行わないと呼吸が停止して死亡してしまうケースもあります。

喘息発作は気をつけていても突然発症することが多く、なかなか事前に察知ることは難しい病気です。喘息の苦しさとは症状もさることながら、突然発症する「精神的不安」もあるのです。

喘息の原因であるアレルギーを考える

喘息を発症している患者の気道には、「肥満細胞」「好酸球」「リンパ球」など炎症と関係の深い細胞が多く見られるそうです。

アレルギー反応が起こった場合、肥満細胞は「IgE抗体」と呼ばれる物質を作り、アレルギーの原因物質である「ヒスタミン」が放出されることで喘息発作が発症します。

IgE抗体は多くのアレルギー性疾患の原因でもあり、

  • アレルギー性鼻炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 花粉症

などでも発症原因となる物質です。喘息患者がアトピー性皮膚炎を併発したり、花粉症を発症したりするのは根っこの原因がIgE抗体だからと言う訳です。

喘息の原因である代表的なアレルギー物質

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • ペットの毛
  • フケ(ペットを含む)
  • 食べ物
  • 真菌(カビ)
  • その他

このようなアレルゲンに接触することで、始めは軽いアレルギー反応だったものがだんだんと慢性的な炎症を起こし、最終的には喘息を発症させていたのです。

注意!喘息と気管支炎を混同してはいけない

喘息の症状である咳、痰、気道の腫れは他の病気においても見られる症状です。中でも「気管支炎」は喘息と混同しやすいので、判断が重要になります。

ここで喘息と気管支炎の比較を行ってみましょう。

喘息 気管支炎
  1. 原因はアレルゲンによるアレルギー反応
  2. 「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」喘鳴音がある
  3. 慢性的に気道に炎症が起きている
  4. 悪化すると呼吸ができなくなり死亡する可能性もある
  1. ウイルスや細菌による感染症
  2. 呼吸は苦しいが喘鳴音はない
  3. 通常時には炎症は起きていない
  4. 呼吸が出来なくなるくらい悪化することはない

症状の重い気管支炎の場合、痰の増加により気道が狭くなり、呼吸が困難になることもありますが、それが理由で窒息することは考えにくい症状です。

あくまでアレルギー反応ではなく、インフルエンザや風邪の延長としての炎症を起こすと考えて下さい。

気管支炎の場合、治療も感染症対策がメインで、「抗生物質」「解熱剤」「抗ウイルス薬」を使用しますが、喘息ではアレルギー反応を和らげる薬が必要です。

間違えやすい喘息と気管支炎ですが、安易な判断は行わずに専門の医師に診断を受けるようにしましょう。

喘息は慢性的なアレルギー反応による炎症が原因です。

アレルギー体質の人が増加しているので、喘息患者もますます増加する可能性があります。

大人の喘息は超危険!子供の喘息との違いとは

前述した通り大人の喘息が増加傾向にあるようです。子供と大人、同じ病気なのに何が違うのでしょうか?

子供の喘息はアレルギー性が大部分を占める

一般的に子供が発症する幼児喘息の大部分が、アレルギー性の喘息と言われています。子供がアレルギー性の喘息を多く発症する理由は、身体的な生育の未熟が考えられており、免疫システムの未発達にも関連性が指摘されています。

人間には「免疫システム」が備わっており、進入する外敵を排除する働きを持っています。

しかし、子供は十分に免疫機能が発達しておらず、過剰な反応を起こしてしまうのです。近年の研究で腸は「第2の脳」と呼ばれており、多くの免疫機能を制御していることが解明されています。

子供の頃、直ぐに下痢や腹痛を起こしてしまう原因は腸の未発達にも関係があります。つまり、腸の未発達な状態では免疫機能が十分に働かず、アレルギーに対して過剰な反応を起こしてしまうのですね。

また体力が弱いのも原因かもしれません。多くの幼児喘息は成長する過程で改善されてきますが、中には大人になっても継続して発症したり、大人になって初めて喘息を発症したりする人もいます。

そこには子供とは違う理由が隠されていたのです。

大人の喘息はアレルギー性だけが原因ではない

大人が発症する喘息はアレルギーだけが原因ではありません。大人が発症する喘息には大きく分けて、

  • アレルゲンが特定できる「アトピー型喘息」
  • アレルゲンを特定できない「非アトピー型喘息」

に分類することができます。

アトピー型喘息は小児喘息と同様にホコリやダニなどのアレルゲンが特定されていますが、非アトピー型喘息では原因物資を特定することはできません。

原因が解っていれば自ら気をつけるだけで、対策を取ることも可能ですが、解らない状況ではそうはいきませんよね。大人の喘息でやっかいなのは「アレルゲンが見つからない」非アトピー型喘息なのです。

「アトピー性皮膚炎」のことを「アトピー」と簡略して言う人がいますが、アトピーとは皮膚炎を指す言葉ではなく、アレルギー症状を起こしやすい体質を表す言葉です。

非アトピー型ですからアレルギーとは関係のない症状と思ってしまいますが、そうではなくアトピー型喘息と同様にアレルギー反応が出て炎症により発作を起こしてしまいます。

しかし、発作の原因であるはずのIgE抗体が確認できない喘息なのです。

IgE抗体は確認できなくても、「好酸球の増加」など他のアレルギー症状は出ていることも特徴で、アレルゲンの見つからないアレルギー反応と言ってもよいかもしれません。

非アトピー型喘息の原因

非アトピー型喘息ではアレルゲンが見つからない代わりに、様々な外部環境からの刺激を受けていることが見受けられます。

  • タバコの煙
  • 汚れた大気
  • 冷気
  • ウイルスや細菌
  • 香水
  • ストレス
  • 疲労
  • 運動
  • 天候
  • 睡眠不足
  • その他

これらの要因は外的要因ではありますが、項目によっては体力を低下させ免疫力を弱めるものも含まれています。

また香りや湿度など直接気道に影響を与えるものもあり、このような外的要因が非アトピー型喘息の原因になると考えられています。

大人の喘息が増加傾向にある理由として、現代社会ではこのような外的要因に触れることが多く、それを避けることも難しいのが理由だと思います。

以下、簡単に子供の喘息と大人の喘息の違いをまとめてみました。

子供の喘息 大人の喘息の特徴
アレルギー性喘息
ハウスダストやダニ、ペットの毛、花粉、食べ物など「アレルゲン」が原因で起こる。

非アレルギー性喘息
ストレス、タバコの煙、ウイルス、季節の変化など「外側からの刺激」が原因で起こる。

その他にも喘息の種類がある

大人が発症する喘息はこれだけではありません。

運動誘発喘息
マラソンやサッカーなど、運動量の多いスポーツを行うことで発症する喘息です。

負荷の高いスポーツを行うと「ハーハー」と呼吸が荒くなり、気道も乾いたり冷えたりしてしまいます。これが喘息の引き金になるのです。

アスピリン喘息
アスピリンなどの解熱鎮痛剤が原因で発症する喘息です。大人の喘息の約10%を占めており、発症すると急激に症状が悪化するのが特徴です。

原因の全ては解明されていませんが、アスピリンなどの解熱鎮痛剤を服用することで気道を収縮させる物質が放出されることが疑われています。

アスピリン喘息は市販の解熱鎮痛剤においても発症しますので、一般的な解熱鎮痛剤を服用して息苦しくなった場合は服用を中止して医師に相談するようにしましょう。

自律神経の乱れが喘息を引き起こす!”神経質”は喘息になりやすい?

生命維持に必要な作用を無意識下でコントロールする自律神経は、活動期の交感神経とリラックス期の副交感神経をスイッチすることで身体を調整しています。

自律神経に乱れが生じると身体に様々な不調をもたらしますが、喘息の発症にも大きな関係があるようです。

副交感神経が喘息を誘発していた

呼吸を意識して行う人はいません。深呼吸やヨガなどで使用する特殊な呼吸法は別にして、普段行っている呼吸は無意識で行われているはずです。

呼吸は自律神経がコントロールしており、気道の動きもまた自律神経が制御しているのです。自律神経は昼間の活動期には交感神経が優位にあり、積極的に気道をコントロールしており、気道も広く痰などの排出も促進されます。

しかし、夜間や就寝中などは副交感神経が優位になり、身体をリラックスさせます。しかし、副交感神経が優位になった状態は、気道を過敏にして喘息を起こしやすい環境を作る原因にもなります。

喘息の発作が夜間に多い理由はこのためであり、身体をリラックスさせるための副交感神経が喘息を誘発する原因の一つだったのです。

自律神経の乱れが喘息の引き金になる

自律神経失調症は自律神経が正常に機能しない病気で、交感神経と副交感神経のバランスに異常をきたすことで発症します。本来、交感神経が優位にあるべき状態で、副交感神経が優位になると気道が過敏な状況を生み出してしまいます。

この状態で外部刺激を受けると喘息発作が起きやすい状況を作り出してしまうのです。大人の喘息を発症した人の多くで自律神経の乱れがあることからも、副交感神経の高まりが喘息の引き金になっていることが解ります。

自律神経の乱れを生じさせる原因について紹介します。

  • 上記した非アトピー型喘息の発症原因(外部環境)
  • 人間関係など精神的ストレス
  • 過労など身体的ストレス
  • 環境の変化
  • 不規則な生活習慣
  • 食生活の乱れ
  • 病気によるもの

自律神経の強さは人によって違いがあり、「何処でも眠れる」「周囲が気にならない」などの人は、比較的自律神経も強いと言えます。

反対に

  • 子供の頃から神経質
  • 騒音に過敏
  • 自分の布団でないと眠れない

などの人は、自律神経も過敏で乱れやすい性質を持っていると判断できます。

喘息発作を予防するには普段から自律神経が乱れないように、ストレスを溜め込まない工夫も必要です。

ストレス社会では精神的な問題もアレルギーの原因になると指摘されています。

自律神経の乱れは本当に様々な不調をもたらしますね、困ったものです。

あなたは大丈夫?咳や呼吸についての喘息セルフチェック項目

自分の症状が喘息だと分かれば、継続的な治療を続けることで、発作を最小限に抑えることが可能です。

下記の喘息チェック項目で自分の症状と比べてみましょう。

  • 過去1年間に、呼吸困難で目を覚ましたことがある。
  • 過去1年間に、呼吸をする時に胸からゼーゼーといった音がしたことがある。
  • 過去1年間に、咳の発作で目を覚ましたことがある。
  • 座った時に前かがみにならないと、呼吸が苦しい。

喘息の症状はさまざまですが、これらのチェック項目は特に代表的な喘息の症状です。

もし一つでも当てはまる場合は喘息の可能性が極めて高いですので、最寄りの病院に行って診断を受けてください。

どんな検査で診断されるの?病院で受ける喘息検査

喘息の診断は5つの検査によって行われます。もちろん医療機関によって差はありますし、状態によってはもっと少ない、または多くの検査を受けることになるかもしれません。いくつかの検査から複合的に診断されることが多いでしょう。

今回は代表的なものを簡単にご紹介します。

喘息の検査1.呼吸機能検査(スパイロメトリー)

スパイロメーターという特別な機械に息を吹き込み、呼吸機能を検査する代表的な検査です。

医師の指示のもと、息を限界まで吸い込み、そして全力で吹き込みます。

  • 息を吸う力(肺活量)
  • 吹き込みにかかった時間
  • 吹くスピード

などが機械によって測定されます。

喘息の検査2.気道過敏性試験

発作を誘発する薬を薄めたものを吸い込む検査です。徐々に吸い込む濃度を上げて、どの段階で反応が出るかをみます。

反応というのは吹き込みにかかった時間の変化で、通常の状態から80%低下が見られた場合反応があったと判断されます。

風邪や疲労で体調がすぐれない場合はこの検査を行えません。

喘息の検査3.血液検査

採血によりアレルゲンを検査するものです。

6段階でアレルギーの反応の強さをみるRAST法、一度で26種類のアレルゲン検査が可能なMAST法があります。

喘息の検査4.皮膚反応テスト(パッチテスト)

血液検査同様、アレルゲンの特定のために行われます。

アレルゲンのエキスを皮膚に付着させ、腫れや赤み、かゆみが発症すれば特定完了です。

喘息の検査5.レントゲン検査

胸部のレントゲンを撮影します。

これは喘息のような症状がでる他の呼吸器疾患との区別をつけるために行われます。レントゲンで炎症がみられた場合、喘息の合併症である肺炎を起こしている可能性があります。

この他、必要があればエコー検査やCT検査、心電図検査などが適用されるでしょう。また痰を検査する喀痰(かくたん)検査というものもあります。

喘息の治療は2つのアプローチが用意されている

現状では喘息を完全に完治することは難しく、

  • 喘息発作時に症状を鎮めること
  • 喘息発作が発症しないようにコントロールすること

と2つのアプローチを実行することが重要です。

一般人と同じ生活を送ることが目的

喘息の治療は単に喘息発作が起きた時に、発作を早急に鎮めることだけが目的ではありません。

これでは患者は「いつ喘息発作が起きるのか?」を常に考える必要があり、びくびくしながら日常生活を送らなければいけないからです。

そこで重要なのが「喘息コントロール」であり、喘息発作を起こさないように予め薬剤で気道の炎症を抑えるのです。

喘息がコントロールされた状態とは「一般の人と同じ生活を送ることができる」状態であり、喘息発作が起こらず「正常な呼吸機能を長期間維持すること」になります。

大人の喘息は現状では完治が難しい病気ですが、上手にコントロールすることで問題なく日常生活を送ることができるのです。

長期管理薬と発作治療薬を使い分る

喘息治療に使用される薬剤は

  • 長期管理薬
  • 発作治療薬

に分けられ、長期管理薬には気管支拡張薬が併用される場合もあります。

発作治療薬は、喘息発作が発症した時に発作を和らげて気道を確保します。以下の薬が主に使用されます。

  • 短時間作用性吸入β2刺激薬
  • 経口ステロイド薬

しかし、喘息コントロールはいかに喘息発作を起こさないかが重要で、そのためには長期管理薬の服用が重要です。

長期管理薬はステロイド薬の吸入療法である「吸入ステロイド薬」が主流で、気道の炎症を長期に渡って鎮める作用が期待できます。

長期管理薬としての吸入ステロイド薬には即効性はなく、毎日吸入することで効果を表す特徴があります。

このタイプの薬には即効性がなく、喘息発作時には効果がないので注意が必要です。また、長期間作用する気管支拡張薬を併用するケースもあります。

ステロイドと聞いて尻込みする必要はない

ステロイドに対して拒否反応を持っている人は多く、聞いただけで「パス」と言ってしまう人も珍しくはありません。これはスポーツ競技などで「ステロイド=違反(悪)」との意識が植え付けられているのが原因かもしれません。

しかし、ステロイドとは身体で作られるホルモンのことで、「男性ホルモン」「女性ホルモン」もステロイドの一種です。

喘息で使用されている吸入ステロイド薬は「副腎皮質ホルモン」で作られており、正常な範囲での使用は全く問題がありません。さらに吸入ステロイド薬は気道にしか作用しないために、身体全体に副作用を起こす可能性は低いと言われています。

ストロイドと言うネーミングで尻込みしていると、せっかくの喘息コントロールも上手くいかない可能性があると言うことですよ。

突然の喘息発作の正しい対処法!薬の場所はとりあえず把握しておこう

不運なことに突然喘息発作が発症したら、どのような行動を取ればよいのでしょうか?

特に自分ではなく友人や家族が目の前で呼吸困難で苦しんでいる時は、貴方の行動によって命が左右されることもあるのです。

突然の喘息発作で行いたい正しい対処法を紹介します。

  1. 薬のありかを聞いて喘息の発作治療薬を使用する
  2. 夜間など寝ている場合は座らせることで呼吸を楽にする
  3. 衣服を緩めて喉の圧迫を開放させる
  4. 呼吸が楽になったら白湯などで水分を与える(冷水は禁止)
  5. 発作治療薬が見つからない場合や改善されない場合は救急車を
  6. 痰を出しやすいように背中をさする
  7. 身体が冷えないように保温する
  8. 救急車を呼ぶのをためらってはいけない(重要)

ここで重要なのは発作治療薬をどのタイミングで使用するかであり、そのためには薬の保管場所を把握する必要があります。喘息患者はイザと言う時のために、発作治療薬を常に携帯していることが多く、女性であればバッグに入れていることが多いようです。

喘息発作が発症したら話をすることもできなくなる可能性がありますので、しつこく聞かないでバッグの中を調べるなどして発作治療薬を探すようにしましょう。

また、喘息発作は命に関わる状況です。対処法の基本は病院へ直行させることで、救急車を呼ぶことを躊躇せず対応に当たるようにして下さい。

喘息発作は甘く考えると命の危険もあります。身近に喘息患者がいたら普段から薬の場所などを聞いておくとよいでしょう。

喘息を改善させるために日常生活で意識したい大切なこと

喘息治療の進歩で喘息コントロールも可能になってきましたが、まだまだ苦しんでいる患者は大勢います。

喘息の症状を改善させるために重要なのは、日常の生活習慣を見直すことが第一歩になります。例えば家の掃除がいい加減で、部屋中にハウスダストが舞っていては、常にアレルゲンと生活しているのと同じです。

また、カビやダニでも同じであり、清掃や寝具などを見直してアレルゲンを遠ざける工夫を行いましょう。喘息発作の発症記録を付けて、どのようなタイミングで発作が起きたのかを調べるのも重要です。

喘息発作には必ず引き金があると思って、その原因を一つ一つ排除すれば喘息を改善させることは可能です。いくら喘息の薬を服用していても、アレルゲンの接触具合によっては効果も薄くなってしまうことを覚えておいて下さい。

食べ物や食生活には十分注意しましょう

インスタント食品やコンビニ弁当などには、様々な化学物質が使用されています。これらの物質が喘息を引き起こすアレルゲンとなる可能もあることから、食生活には十分な注意を払うようにしましょう。

しかし、ストイックになってしまうのもまた問題です。食事は人生の楽しみの一つであり、ストレスを解消する方法にもなります。

いかにも神経質になってしまうと楽しい食事が、苦痛になってストレスを呼び込んでしまうこともあるのです。基本は自炊をして、たまには外食を楽しむ程度でよいと思います。

ストレス発散のスポーツは○、過度の運動は×

身体を動かすことはストレスを発散させて自律神経を整えることから、喘息対策には有効です。しかし、過度の運動は呼吸を乱して喘息発作の原因になります。

「ウォーキング」「ストレッチ」はストレスを軽減させるオススメの運動で、さらに「水泳」は喉の乾燥を防ぎ、比較的喘息発作を発症し辛いスポーツと言われています。

負荷が高く口呼吸をしてしまうスポーツは喘息対策には向いておらず、趣味程度のスポーツや運動を負荷が掛からない程度に楽しむことが理想です。

ストレスから逃げ出すのも手かもしれない

喘息はどちらかと言えば真面目なタイプの人間が発症させやすい病気かもしれません。ストレスと感じていても、我慢することで蓄積されてしまう…心当たりがある人も多いでしょう。

しかし、ストレスの蓄積は自律神経を乱してしまい、自律神経失調症やうつ病の原因になり、喘息を発症させてしまうかもしれません。

運動などでストレスを解消するにも限度がありますよね。自分では手に負えないストレスであれば、逃げ出すのも手ではないでしょうか?

ちょっと投げやりな改善法ですが、一度の人生、ストレスにかまっている時間はありません。病気になる前にストレスから「逃げろ~」です。

喘息の原因となるアレルゲンを遠ざけることが重要です。寒さや暑さなど生活環境にも気を付けるようにしましょう。

油断や我慢が命取りに!喘息と向かい合う姿勢が大切

大人の喘息がなかなか改善されない理由に、喘息と向かい合わない姿勢が問題視されています。それは喘息を甘く見て薬を飲まなかったり、病院に通うのを止めてしまったりする姿勢のことです。

喘息の発作は突然のように発症します。いつ起こるか解らないからこそコントロールが必要で、普段の生活習慣や毎日の投薬が重要なのです。

しかし、中には暫く発作が無いだけで投薬を止めてしまったり、不規則な生活に戻ったりする人もいます。喘息に対する油断こそが未だに大勢の死者を出している原因ではないでしょうか?

喘息を治すと言うことは発作を抑えるだけでなく、喘息を発症しうる生活そのものを改善させることに繋がります。

また我慢も喘息の被害を大きくしている原因です。喘息で死亡するケースの大半は自宅や車内と言われています。これは「安静にしていればそのうち治まる」と思って、我慢しているうちに症状が悪化してしまった事例です。

喘息は発作を繰り返すうちに症状が重くなることがあります。今回の発作が前回と同じとは限らず、もしかしたら次の発作が命の危険もある大発作になる可能性も否定できないのです。

大人の喘息は親が管理する小児喘息とは違い、自分で管理する必要があり症状を甘く考えることが多いようです。

また医師の指示通り喘息コントロールを行っているのに発作が発症することがあります。「指示通りやっているので大丈夫!我慢しよう」と考えずにヤバイことが起きていると思って、直ぐに病院で診察を受けるようにして下さい。

「夜中だから」「近所迷惑だから」「我慢できるから」と言って救急車を使わないことも問題です。謙虚な日本人らしいのですが、救急車は我々の税金で運用されており、正しい利用であればドンドン使用しましょう。

喘息を改善させるには、まずは喘息と向かい合う姿勢が大切と言うことです。

キャラクター紹介
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