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高齢者の肺炎を予防するのは誤嚥の改善と口腔ケアが最重要

嚥下障害を考えるということは、高齢者の間では、非常に死亡率の高い誤嚥性肺炎の予防につながることになります。高齢者本人に注意を促すだけでなく、介護する側も「嚥下」に関心をもっと持ち、高齢者に快適な食生活を提供しましょう。

嚥下障害の症状「むせる」について

健常者でもむせることがたまにあります。これが毎回の食事にむせて、日常生活に支障をきたすレベルになった時に問題視されます。嚥下というのは、食塊や飲み物をゴクンと喉を通過させ、食道に送り込むことを言います。

そして、むせることもなく、知らず知らずのうちに、肺の方に入ってしまうことがあります。高血圧の患者さんでそのような症状であれば、ACE阻害剤という高血圧の薬を医師は処方することがあります。

ACE阻害剤は、副作用に「咳」があります。高血圧で誤嚥しやすい患者さんは、この副作用を利用して誤嚥性肺炎を予防します。

誤嚥しにくい食事

誤嚥等を防ぐために刻み食にすることがありますが、刻み食はバラバラになり、飲み込みにくく、歯の裏等に入り易くなって厄介です。嚥下しやすくて誤嚥しにくいものは、まとまりやすいものです。

ツルッと喉を通過して粘膜に付着しないもの、ここまで言うと思い浮かぶものは、ゼリーですよね。水のようにサラサラしすぎると気管に入りやすく、固すぎると咀嚼しても塊が残り、飲み込みにくいです。

そのため、その中間であるゼリー、プリン、ヨーグルト、お粥が一番望ましいです。最近流行っている、とろみ剤を使ってみるのもいいですね。

誤嚥せずに薬を飲む方法

病院などでは、食事に混ぜて飲むように指導するところが多いです。その理由は、食道の第二狭窄部、大動脈が食道と交差する場所に薬が残ることがあり、薬だけを飲ませた場合、薬が口中や喉、食道等に残ると、そこで薬が溶けて粘膜を傷つけてしまいます。

そこで、食事の途中に一緒に薬を飲むと、その後の食物が、薬が粘膜に残留するのを防いでくれます。薬を単独で飲むのは難しいです。食後、内視鏡で覗くと、喉に薬が残っている人が沢山いるようです。

お粥に混ぜたり、ゼリーに埋め込んで飲ませると言う方法がよく使われます。オブラートで粉薬、顆粒を包み込むのもいいです。オブラートはゼラチンなので、一番飲み易いです。ただ、重度の嚥下障害の人は喉や口に触れると、オブラートがくっついて、ばらけてしまうことがあります。

錠剤はできるだけつぶさずに

錠剤はできるだけそのままで飲む工夫をする方がいいです。錠剤がそのまま肺にいくような嚥下障害の人は、かなりの重症と考えられます。又、口の中で溶けるように工夫された錠剤を飲んだり、経口が困難であれば、パップ剤や座薬の使用を考えます、

錠剤とゼリーを一緒にの飲む場合は、スライスしたゼリーをスプーンの上に乗せ、錠剤を縦にしてゼリーにさします。その後、奥の舌に入れて丸飲みします。

錠剤を横にしてゼリーの中に入れる、ゼリーの上に錠剤を乗せる、又、崩したゼリーに入れて飲む等、これらの方法はゼリーと錠剤が分離してしまいます。又、錠剤が口腔や咽頭に残ってしまいます。

口腔ケアの方法

誤嚥性肺炎の予防のため、口腔残渣、咽頭残渣など、食後に残渣物の除去は丁寧にしなくてはいけません。口中に食べた物が残り易い人は、お茶のゼリーをお薦めします。水のゼリーでもいいです。沢山食べれば、口中、喉がきれいになります。

水のゼリーにほんのりとレモンの果汁を落としてもいいですね。ゼリーの固さは1.6%(計量カップにゼラチン小1/3を入れ、熱湯を目盛100ccまで入れてよくかき混ぜ、粗熱をとった後、冷蔵庫に入れます)で、夏は少々固めがお薦めです。

ゼリーの他に寒天等があります。ゼラチンは室温で溶けます。従って、口や喉にゼラチンゼリーが残っても、室温よりも高い体温で十分に溶けてくれます。寒天は室温では溶けないので、常温に置いておくことが可能です。

しかし、固めにできやすく、喉越しがよくても室温では簡単に溶けないので、口中にそのまま残ってしまうこともしばしばあります。特に、高齢者の方が飲まれる血圧の薬や胃薬等の中に、唾液を抑える成分が多く入ってることもあるので、お茶、水ゼリーは口腔内の乾燥、衛生面から見てもお勧めのものです。

ある老人ホームで、口腔内衛生を消毒薬を使って実施したら、その老人ホームの抗生物質の使用量が激減したというデータがあります。口腔内衛生が、誤嚥性肺炎予防に重要だということがよく分かります。

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