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アニサキス寄生虫で腹部にとんでもない激痛が!

【閲覧注意】アニサキス写真あり

私たちが暮らす日本は、世界基準で見て非常に安全な食材が提供されることで知られます。実際私たち日本人が近所のスーパーやコンビニを選ぶ基準は、食材のコストパフォーマンスやそのお店を利用することで付帯されるサービスのほうに重きが置かれます。

購入する食材の安全性が重要でないわけではもちろんありません。ただ、基本的には私たち一般市民が神経をとがらせて食材を購入する必要がないレベルで、日本の食の安全は確保されているといえます。

とはいえ、近所のお店で購入した食材が100%安全なのかというと、そんなことはありません。安全には100%などあり得ませんし、むしろあってはいけないことであるともいえます。

だからこそ、より100%に近づくために、私たちには高い観察眼と十分な知識が必要になります。今回はそうした眼や知識を生かすべき、食の安全を脅かす可能性もはらむアニサキスについてお話します。

身近なところで食の危険を招くアニサキス

アニサキスの見た目

アニサキスということば、ご存知ない人もまだ多いかもしれませんが、知っている人からすれば、警戒心が非常に高まることばだと思います。アニサキスは主に魚介類に寄生する寄生虫の一種です。

アニサキスは近年何かとお騒がせな寄生虫というイメージがあります。日本ではそこまで寄生虫のことを気にしている人もいないと思いますが、そうした中でもアニサキスだけは比較的身近な寄生虫といえるのかもしれません。

私たちがより大きな危険を招くおそれがあるのは、アニサキスの幼虫です。アニサキスの幼虫は、まさにそのまま「アニサキス幼虫」と呼ばれます。アニサキスは線虫の仲間で、幼虫は長さ2~3cm、幅は0.5mm~1mmほどの寄生虫です。

私たちが食べることによって寄生のリスクがあるアニサキス幼虫は、魚介類に寄生します。しかもサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなど、日本人にとってかなりなじみ深い、まさに日常の食卓を彩る魚たちに寄生しています。

食べるな危険!のアニサキス幼虫

アニサキス幼虫は、主に上記の魚を食べることで寄生のリスクが生じます。寄生虫というと、目に見えない小さなものというイメージがあるかもしれませんね。しかしアニサキス幼虫の場合、上で示したように、十分目視可能なサイズであることが多いです。

実際以下の画像からもわかるとおり、寄生虫のイメージ以上に目視ではっきりと異物として判明することがあるのがアニサキス幼虫の特徴です。ですから、まずは調理の前に目視でアニサキスの有無を確認することが重要であるといえます。

魚の切り身に付くアニサキスの幼虫

魚介類を食べるとアニサキスが寄生する理由は?

魚が生きている間、アニサキス幼虫は魚の内臓に寄生していることがほとんどです。ですから、できるだけ魚の内臓を食べないことが、私たちにとって重要な選択になります。ただ、内臓を食べなければ安全なのかというと、そうでもありません。

というのも、実はアニサキス幼虫は、寄生している魚が死んで栄養が内臓に運ばれなくなると、今度は魚の内臓から筋肉へと移動して寄生を続けるからです。私たちが食べる魚は、たいていは死んでいます。

ところが魚の実の部分(つまり筋肉部)を食べることで、結局アニサキスを人体に侵入させることになってしまいます。ですから、アニサキスは食べてはいけない寄生虫なのです。

人体内に侵入したアニサキス幼虫は、胃壁や腸壁に突き刺さるようにして私たちの人体に悪影響を及ぼします。このときに起こる症状を、アニサキス中毒(アニサキス症)と呼びます。

アニサキス中毒の症状とは?

アニサキス中毒は、胃壁や腸壁にアニサキス幼虫が突き刺さることで発症します。ですからアニサキス中毒は、主に胃や腸の症状になります。

急性胃アニサキス症

アニサキス幼虫が胃壁に突き刺さることで発症するアニサキス中毒を、急性胃アニサキス症と呼びます。急性胃アニサキス症は、アニサキス幼虫が体内に侵入してから数時間後、潜伏期間が長いケースでは十数時間後に発症します。

みぞおちあたりにかなり激しい痛みを伴うのが症状の特徴です。また、悪心や強い吐き気をもよおすことも多いです。

急性腸アニサキス症

アニサキス幼虫が腸壁に突き刺さると、急性腸アニサキス症を発症するリスクが高まります。アニサキス幼虫が体内に入り込んでから十数時間後、長い場合では数日後に発症します。

急性腸アニサキス症の場合、下腹部の激しい痛みを生じます。悪化すると腹膜炎症状を起こすこともある、たいへん怖い症状です。

3つの視点でアニサキスから身を守る!アニサキス症の予防法

アニサキス幼虫の問題が近年取りざたされるようになってきたことで、特に鮮魚をあつかう業者の方もいろいろとアニサキス対策を講じています。厚生労働省では、鮮魚取り扱い業者に対して次のような呼びかけをしています。

  • 60℃で1分、もしくは70℃以上で瞬間的に加熱して殺菌
  • -20℃で24時間以上冷凍して殺菌
  • 新鮮な魚だけを扱い、内臓は素早く取り去る
  • 魚の内臓の生での提供を自重
  • 流通前の可視のアニサキスの除去

上記のような公的な注意喚起はすでに行われています。もしかしたら、信用が第一の業者であれば他にも独自のアニサキス対策を講じている業者もあるかもしれません。

ただ、私たち一般消費者が自分でできる注意を払って寄生虫から身を守るというスタンスは非常に重要です。業者からの一方向のサービスを受け入れるだけでなく、自発的にアニサキスの侵入を防御する意識を高めていただきたいと思います。

私たち消費者がアニサキスから自分で身を守るためにできる方策として、大きく分けて次の3通りが考えられます。

対処1:鮮魚を購入する際にすべきこと

まずは、できるだけ新鮮な魚を選んで購入することが何よりも重要です。職人さんのレベルで魚の目利きをする必要があるわけではありませんが、ある程度鮮度の高い魚を選んで購入することで、アニサキスのリスクは小さくできます。

また、新鮮な魚であっても、アニサキスが寄生している可能性はゼロではありませんので、まるのまま1尾購入したときには、購入したすべての魚の内臓をできるだけ早く取り去ることが重要です。

対処2:内臓の生食は禁忌!

上記でお話したとおり、魚が死んだあと、アニサキスは筋肉に移動して寄生を続けることがあります。ただ、可能性の範囲で言えば、身の部分よりも内臓に残ったアニサキスを食べてしまうリスクのほうが高いといえます。

アニサキスは、高温と低温には弱い寄生虫ですが、一般消費者のレベルでは、アニサキスの低温殺菌は現実的ではありません。アニサキスの殺菌は、十分な加熱によって行うことが望まれます。

ただし、内臓には熱が十分通らないリスクも考えられます。身の部分のアニサキスは、内臓にくらべれば熱によってずっと殺菌されやすいため、アニサキスを食べてしまうリスクを軽減できるのです。

上記の説明からもお分かりいただけると思いますが、少なくとも、魚の内臓の生食は絶対にすべきではありません。

対処3:目視によるアニサキス除去にトライすべき

目視によるアニサキスの除去は、鮮魚取り扱い業者でも実施しているところが多いと推測されます。ただ、やはり人のやることである以上、完全なアニサキスの除去を期待するのは難しいといわなければなりません。

しかし消費者が個々に、もう一度目視によるアニサキスの除去にトライすることができれば、アニサキスを食べてしまうリスクは半減されると言っても過言ではないでしょう。調理の前に、まずは目視にトライしてみてください。

魚を食べる際にも注意が必要!

購入時、調理時のアニサキス対策はいちおう上記の3パターンで網羅できているかと思います。ただ、念には念をではないですが、食べる際にもうひとつ注意していただきたいことがあります。

十分加熱してあるのなら、食べる際にもう一度目視してくださいなどとは言いません。ただ、誤解の危険がありそうなところには言及しておく必要があると思われます。

私たち日本人には、調味料や香辛料、あるいはいわゆる「薬味」など、日本独自の「香りの文化」があって、もちろんそこには素材の味を際立たせるという重要な意味があります。

ただ、魚の生食の習慣がある日本人にとって、特に薬味や香辛料には、「臭い消し」や「毒消し」のような効果を期待している部分もあるはずです。

たとえばお刺身を食べるときには、ワサビがキライな人でもできるだけワサビはつけたほうがよいとする説も古くから説かれてきています。これは、ワサビの殺菌効果への期待の表れに外なりません。

ワサビ以外にも、酢や塩といった調味料や、オオバやネギ、ミョウガといった薬味類に特有の殺菌効果があるとするケースは、日常レベルでも多いです。しかし残念ながら、アニサキスはそうした調味料や薬味では殺菌できないということを付け加えなければなりません。

ワサビをつけたから大丈夫・・・などといった安易な考え方は、少なくともアニサキスに関してはNGと考えるようにしてください。

アニサキス症の予防には以下の記事もご覧ください。
青魚にあたるアニサキスアレルギー食中毒を予防!加熱や冷凍が効果的

自分の身体は自分で守る!という意識が重要

今回はアニサキスという寄生虫とこれによるさまざまな影響についてお話してきました。人間は、細菌やウイルス、さらには紫外線や放射線など、目に見えない害悪と対峙しなければならないことが多いです。

脅威の寄生虫・アニサキスもこれに似たところがあります。アニサキスの場合、目に見えることもありますが、一般に、目に見えないくらい小さなものから自分を守ることができるのは、自分意外にあり得ません。

そのことをよく踏まえていただき、魚の購入時、調理時、そして魚を食べるときに、アニサキスの脅威を少しでも思いだしていただきたいものです。まずは思うこと、つまりは意識することが、自己防衛のための第一歩になるはずです。

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