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口角炎のおもな6つの原因と薬や栄養での治療法

大きな傷ができているとか、ギプスや松葉杖をついている人を見ると、「たいへんなケガをしたんだな」と理解できます。しかし健康上のトラブルの「つらさ」はあくまでも主観であって、他人からどう見えようとも、つらいものはつらいです。

その意味では、患部が小さかったり目立たなかったりすると、確かに大したことではなさそうに見えることが多いものの、抱えているトラブルの実質の大きさは、案外見た目とは無関係といえるのかもしれませんね。

さて、今回はそんな「見た目以上につらい健康上のトラブル」のひとつについてお話したいと思います。そのトラブルは、「口角炎」と呼ばれる症状によるものです。口角炎というくらいですから、当然「口」に関係ある疾患です。

上唇と下唇が接続する部分(口の両端、上下の唇の左右の端)を「口角(こうかく)」と呼びます。この部分が腫れたり切れたり荒れたりという具合に、口角およびその周りの皮膚に炎症が起こるのが、口角炎の主だったトラブルになります。

それでは、原因や対処法、治療方法など、口角炎についてここからお話を進めていくことにしましょう。

痛くて不快な口角炎はなぜ起こる?口角炎の原因

まずは、口角炎の症状を明確に定義しておくことにしましょう。口角炎とは、

  • 口角(くちのはし)が切れる
  • かさかさし赤くなる
  • 皮膚がめくれる
  • かさぶたが付く

などの症状がみられ、また口を開けるときに痛みや出血を伴うこともある症状

のことを指します。おそらくこれまでに一度や二度は経験したことがあるという人が多いと思います。経験はあっても、比較的すぐに治ってしまうことも多い口角炎(下の写真)ですから、あまり深く考えたことがないかもしれませんね。

口角炎の症例写真

ただ、原因をはっきりと理解しないまま治ってしまうことで、かえって正しい対処をせず、何度も繰り返して発症しやすいのも口角炎という疾患の特徴になっています。おそらく心当たりがある人も多いと思います。

はじめに述べたとおり、見た目は大したことがない症状であっても、口角炎を発症すれば何かと不愉快な思いをしなければならない症状であることもまた事実です。まずは原因を知り、根治と再発予防を目指しましょう。

口角炎の主な原因は何?

口角炎の原因は多様であり、発症のメカニズムもすべてが完全にわかっているわけではありません。ただ、考えられる非常に有力な原因はいくつかあります。口角炎の主な原因を以下にまとめておきます。

  • 患部への刺激(唾液の付着や食物に含まれる成分)
  • 感染症としての症状(カンジダ菌やその他の細菌、ウイルスなどの感染)
  • ビタミンの欠乏(特にビタミンB系)
  • 薬剤による副作用・かぶれ
  • アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患としての症状
  • 合併症としての症状(貧血、糖尿病、シェーグレン症候群など)

(参考:口角炎の原因-皮膚科ちえこクリニックより)

唇や口角は外表皮ですから、唾液にしろ食物にしろ、外部刺激としての影響は確かに受けやすいところがあります。そして、確かに外表皮ではあるものの、口腔(口の中)との境目であるという位置的条件も関係しています。

というのも、口の中には無数の雑菌が常駐しており、これが口角に悪影響をもたらします。実はカンジダ菌なども口腔常駐菌の一種だったりします。免疫力が低下することで、感染症の形で口角炎を発症しやすくなります。

ということは、アトピー性皮膚炎などの免疫疾患が直接的な原因となって口角炎を発症するリスクが高まります。疲労がたまっている、風邪をひいている、ストレスが蓄積しているときには免疫力の低下を招きます。

アトピーの患者さんに限らず、免疫力が低下していると、カンジダ菌やヘルペスウイルスの感染症として口角炎を発症することも多いので、要注意です。口唇ヘルペスに関しては、口角に限らず、口唇(くちびる全体)に発症します。

合併症としての口角炎も、そのメカニズムは少々難しいですが、これもなんとなくそういうことがありそうだという気はしますよね。薬の副作用・かぶれも理解できますが、問題は、「ビタミン不足」の部分です。

もちろんビタミン不足が原因になったとしても不思議はありませんが、ただ、他の原因とちょっとタイプが異なる印象もあります。つまり、食事も口角炎と密接にかかわっているということを意味しているのです。

ですから、口角炎の対処法を考える上では、食生活のケアやサプリメント・ビタミン剤の摂取や服用なども視野に入れる必要があります。このことについての詳細は後述します。

口角炎の原因を知るためにはどうしたらいい?

どんな病気でもそうですが、治療や対処の大原則として、その病気の原因を取り払うことを最大の目標とすることが挙げられます。これはもちろん口角炎の治療や対処の際にも採用されるべき原則です。

そのためには、まずはなぜ口角炎を発症したのか、その原因を知る必要があります。口角炎の原因には上記に挙げたファクターが考えられますが、しかしそのどれが原因になっているのかがわからないと、治療の指針が立ちません。

口角炎の原因の特定は、検査をすることで可能になる場合があります。ただし、すべての口角炎の原因がつぶさにわかるわけではありません。口角炎の原因がアレルギーや感染症である場合は、検査である程度特定が可能です。

感染症の場合
特にカンジダ菌の有無は、組織を顕微鏡でのぞくだけですぐに特定できます。
ヘルペスウイルスの感染の有無に関する検査は、口角炎にしろ口唇ヘルペスにしろ、血液検査が採用されます。血中の抗体価によってヘルペスウイルスの感染の有無を判断します。

口唇ヘルペスの症例写真

写真(下)は、ヘルペスウイルスの感染による口角炎(唇の向かって左端、口角にできたヘルペス)です。

外部刺激による場合
歯磨き粉、化粧品などの外部刺激による口角炎が疑われる場合、パッチテスト(アレルギーテスト)を行います。たいていアレルゲン(肌アレルギーの原因物質)を特定することができます。

口角炎の治療法・対処法にはどんな方法がある?

口角炎の治療法・対処法は、大きく分けると病院で処方された治療薬や市販の薬などを使用する方法と、食生活の見直しやサプリメント、ビタミン剤などの摂取、服用といった対処方法とがあります。

それぞれについて見ていくことにしましょう。

薬を使用した口角炎の治療方法は?

病院で治療するとなると、多くは塗り薬(軟膏)が処方されます。市販薬でも、初期的な症状であれば、いわゆる「メンターム」のような薬でも一定の効果は期待できるでしょう。また、リップクリームの使用も予防的に有効です。

ただ、ここではやはり安全な病院での治療をおすすめします。そこで、病院で処方されることが多い塗り薬について、いくつか紹介しておきます。ステロイド軟膏との相性が悪い患者さんはよくご覧になっていただきたいと思います。

治療薬の名称 製薬会社 主成分・有効成分 ステロイド属性 効能・効果
パラマイシン軟膏 小野薬品工業 バシトラシン、フラジオマイシン硫酸塩 非ステロイド 2種類の抗生物質の合剤で、抗菌作用がある
アトラント軟膏 田辺三菱製薬 ネチコナゾール塩酸塩 非ステロイド 白癬(はくせん:水虫などの皮膚感染症)、皮膚カンジダ症、癜風(でんぷう:皮膚常駐菌である癜風菌の増殖による炎症)
ルリコン軟膏 ポーラファルマ ルリコナゾール 非ステロイド 皮膚真菌症(白癬、皮膚カンジダ症、癜風など)
アラセナA軟膏 持田製薬 ビダラビン 非ステロイド 病原ウイルスの増殖抑制 帯状疱疹、単純疱疹
アルメタ軟膏 塩野義製薬 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル ステロイド 一般的なステロイド軟膏の効果(炎症、赤み、腫れの鎮静化)、細菌・真菌などによる皮膚感染症およびダニ、けじらみなどによる動物性皮膚疾患、鼓膜の異常、皮膚潰瘍、やけど・凍傷

どんな病気でもそうですが、どんな治療薬を使用するにしても、まずは医師の診断のもとに処方された薬を使用することが大原則です。上記はあくまでも5つの治療薬の基本情報にしかすぎません。

ですから、使用前には必ず医師の処方に従い、問題があった場合は直ちに使用を中止し、速やかに医師と相談してください。また、上記以外の薬の使用についても、これは同様です。

口角炎には薬以外の対処方法もある!

口角炎の対処としては、やはり一番のおすすめは、信頼できる皮膚科などの病院に行って治療を行うことです。しかし実際のところ、なかなか治らないタイプの口角炎もあり、対処に悩む人は多いでしょう。

なかなか治らない口角炎への対処は、病院での治療はがまん強く継続すること、そして、自分でできる対処も合わせて行うと、快方に向かうこともあります。その対処とは、上でご紹介した「原因」の部分の「ビタミン不足」の解消です。

ビタミン不足が原因で口角炎が発症するところまでは理解できたとして、口角炎発症までのメカニズムは簡単に理解できるものではありません。そこまでとなるとかなり専門的な知識が必要になってきます。

そこでここでは、まずは口角炎解消のヒントになるビタミン各種の効能・効果・メリットについて簡単にご紹介しておくことにします。ぜひこの情報を参考にして、なかなか治らない口角炎の解消の参考にしていただければと思います。

ビタミンの種類 効果・効能・メリット 当該ビタミンを豊富に含む食材 備考
ビタミンB2 抗炎症作用、粘膜保護作用 レバー、ヒラメ、納豆、牛乳、アーモンド 初期の口角炎に有効なビタミン
ビタミンB6 粘膜強化作用、抗炎症作用 刺身、レバー、鶏肉、納豆、ニンニク、バナナ
ビタミンC 抗炎症作用、傷の癒着力力アップ、細胞の強化 柑橘系の果物、ブロッコリー、ピーマン等の緑黄色野菜 炎症が中程度以上の口角炎に有効なビタミン
ビタミンA 抗細菌作用、粘膜保護作用 カボチャ、ほうれん草、ニンジンなど 口角炎の予防・再発防止に有効なビタミン
※注意

  • ビタミンB2、B6、Cは水溶性ビタミンで体内に蓄積できないため毎日摂取が望ましい
  • ビタミンAは脂溶性ビタミンで、油と一緒に摂取することが望ましい(炒め物など)

もちろん食事だけで口角炎の問題をクリアすることは簡単ではありませんので、皮膚科をはじめとする医療機関での治療を第一と考え、食生活にも気を配るというスタンスが望ましいといえるでしょう。

また、ビタミン系のサプリメントやビタミン剤など、食事以外の方法でビタミンを摂取するという対処も当然有効です。細かい成分表示の確認が苦手な人は、いわゆる「マルチビタミン」などのサプリ、ビタミン剤なら問題ありません。

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身近なアイテムで口角炎の対策を!

風邪やその他の病気と同じく、一度発症するとなかなか治らないことがあるのが口角炎です。そうかと思うと、治療や特別なケアを何かしたわけではないのに、ある日突然治ってしまうことがあるのも口角炎です。

どうしても治りにくいときには、ある程度の時間がかかることを想定して、マスクを着用したり、あるいは予防的にワセリン(市販、処方どちらでもOK)を塗布したりするといった工夫があってもよいかもしれません。

マスクに関しては、見た目の不都合をカムフラージュするばかりではなく、乾燥などの外部刺激からの保護という目的も同時に果たします。特に寒い季節には、ぜひマスクを装着していただきたいと思います。

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口角炎にまつわる都市伝説!?胃腸が悪い?うつされた?

口角炎にまつわる都市伝説とも真実ともつかない「いろいろなウワサ」があります。都市伝説といっても、口角炎が悪化すると口裂け女(もしくは男)になってしまうとか、そういうことではもちろんありませんが。

都市伝説的によく言われることは、「胃腸の調子が悪いと口角炎や口内炎ができる」というウワサや、「口角炎はうつる」といった、ホントともウソともつかないウワサです。この部分にも踏み込んで検証してみたいと思います。

胃腸の調子が悪いとほんとうに口角炎になるのか

口角炎や口内炎と胃腸の関係は昔からよく言われることですよね?結論を言うと、口内炎は多少胃腸の調子と関係があると考えられていますが、口角炎に関しては、胃腸とはほとんど無関係であるといえます。

ただ、ここではいちおう「ほとんど無関係」であって、「まったく無関係」ではないという少々弱気な見解にとどめておきたいと思います。というのも、口角炎の原因のひとつに、「ストレス」が考えられるからです。

上の「原因」のところではストレスをあえて挙げませんでした。ストレスを挙げはじめると、どんな病気にもほとんど当てはまってしまうので、口角炎の直接的な原因としては、ここではふさわしくないと判断しました。

ただ、現実問題として、ストレスによってホルモンバランスが崩れると、皮膚のトラブルはいろいろ発生することもまた事実です。当然口角炎もそのひとつに数えられます。そしてストレスというと、あることに思い当たりますよね?

そう、「ストレス性胃炎」や「ストレス性腸炎」など、ストレスが過度に蓄積することによって、体質によっては必ずといっていいほど、胃腸に悪影響が及びます。つまり、胃腸の調子が悪いときには口角炎も起こりやすいのです。

以上から、胃腸の調子と口角炎とは、直接的な関係は認められないものの、傾向としては同時発生することも考えられないわけではない、と結論づけられることになるのです。

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口角炎がうつるって、ホント?

ここまで口角炎のお話を進めてき、おそらく多くの読者が「口角炎がうつるか否か」という問いに対するある一定の結論を、すでに導きだしているのではないでしょうか?口角炎の原因を考えると、すぐにわかるでしょう。

では、結論です。口角炎は、外的接触によってうつる可能性がある疾患です。特に、細菌性、ウイルス性の口角炎、口唇ヘルペスなどは、うつるリスクが考えられます。もちろんすべての口角炎がうつるわけではありません。

たとえば、免疫力が高い人であれば、外的接触があったとしても、口角炎がうつるリスクは軽減されます(ゼロではありません)。その意味では、小さなお子さんやご高齢の方、病気の方は、うつるリスクが高いといえます。

口の中にはカンジダ菌をはじめとするさまざまな雑菌が常駐しているというお話はすでにしてきました。これが原因で、たとえばカンジダ性口角炎などを発症すると、外的接触により口角炎がうつるリスクが生じます。

とはいえ、風が細菌やウイルスを運んできて、空気感染によりうつるということはありえません。たとえば、口角炎の患者さんの唾液に触れる機会があったり、口角炎が治りきっていない段階での性的接触(キス、セックスなど)でうつることはあります。

油断は禁物!長引く口角炎には要注意!

口の端っこにできた小さな傷だけに、痛みや不快感は別として、なんとなく「大したことはないだろう」という気持ちになってしまうのが人情です。実際、口角炎になっても病院には行かないという患者さんは多いでしょう。

ただ、あまりにも治らないケースや、治っても執拗に繰り返して現れる口角炎に関しては、一度病院に行って診てもらったほうがよいといえます。というのも、口角炎は小さな傷ながら、大きな病気の可能性をはらむからです。

もちろん、「ただの口角炎」であり、そのまま鎮静化することがほとんどです。ただ、口角炎とは別の、何か重大な疾患のサインになっている可能性がまったくないわけではありません。

また、長引く口角炎についてはより慎重な判断が求められます。何しろ、口角炎は細菌性、ウイルス性の疾患である可能性が高いわけですから、小さな傷であるとはいえ、細菌やウイルスが患部から侵入したらたいへんなことになります。

ほとんどまれなケースではありますが、免疫力が下落している状態で口角炎が長引くと、血中に細菌が入り込んで全身性感染症(たとえば敗血症)を発症するリスクがまったくないわけではありません。

全身性感染症を発症すると、最悪のケースも起こりえますので、免疫力を低下させないこと、口角炎を長引かせないことなど、細心の注意を払っていただきたいと思います。別に脅かすつもりはありませんが、たかが口角炎、されど口角炎、油断は禁物なのです。

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