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放置の方がはるかにリスクの動脈瘤「受けるが勝ち」今の最新手術

動脈瘤…何の医学的知識のないズブの素人が聞いても、その言葉の響きには恐ろしい病であると察知させるだけの威容があります。

動脈…この言葉が放つ威容

それでは動脈瘤とは、一体どんな病気なのか、何が原因で発症するのか、どうすれば発見できるのか、そしてどうすれば手術に成功できるのか、これから分かり易く解き明かしてまいりましょう。

静脈が一般道路なら、動脈は高速道路か国道

ところで、仮に正確な知識はない人でも、動脈は静脈よりも大事な血管なのだと、何となく認識しているものです。この様に、まさに生命を維持する為に必要不可欠な存在であると言わんばかりの、しかもそれを万人に悟らせるだけの存在感が、不思議な事に動脈という言葉には宿っているのですね。

そして、実際の動脈の役割は、まさにその言葉が放つ威容そのものである、といっても過言ではないのです。従って、物流や交通に例えるなら、静脈がその他の一般道路であれば、動脈は高速道路や国道にあたる、と置き換えても決して的外れではないですよね。

血流の速度は新幹線レベル

ところが、ここから確かな話になるのですが、血液が体内の血管を駆け巡った末に、元の心臓まで戻って来るスピードは、何と時速200キロを超えると言われているのですから、もはや開通当時の新幹線レベルと言うべきでしょう。

とは言え、血液が一滴残らず隅々に行き渡りながら体内を走り抜けるなんて、いくら何でもそれはさすがに有り得ません。それでも、代表的な血液が駆け抜ける時間を計測すると、ものの20秒少しもあれば十分なのですから、おそるべき速度ではありませんか。

徹底比較…動脈瘤と静脈瘤の違い

それでは、基本的な説明から始めますが、先ず最初に、動脈と静脈とでは、何が違うのでしょうか?

動脈と静脈は、真逆の関係にある

勿論ご存じの通り、どちらも血管に違いありません。要はその血管が役割によって動脈と静脈に分類されるのです。

【動脈】
=上水道の役割
=心臓から臓器へ、酸素や栄養を運搬する
=身体の内側に位置する
=血液の圧力が高い→出血すれば多量→安全対策が必要

【静脈】
=下水道の役割
=臓器から心臓へ、炭酸ガスや老廃物を運搬する
=身体の外側に位置する
=血液の圧力が低い→出血すれば少量→安全対策は不要

この様に、動脈に於いては血流の圧力が高い為、万が一の怪我で出血した場合、それこそ血が吹き出して生命に危険が及びます。それを避ける目的で安全対策を講じた結果、動脈は身体の奥深くを流れる仕組みになっているのですね。

或いは、何らかの大自然の力が、人体にこういう配慮を施したのかも知れませんが、何と人間の身体とは精巧に作られているのかと、思わず感動させられる話ではありませんか。因みに、血圧 (英語 Blood pressure)とは、血管内部の血液が持つ圧力を意味し、一般的には血圧と言えば静脈ではなく、動脈の方の圧力を指すのです。

動脈瘤と静脈瘤の定義

では次に、瘤とは何か、という話題へ移りましょうか。もう大部分の方がお察しの通りで、この瘤とは即ち「こぶ」に他なりません。言うなればこれは、「たんこぶ」や「出来物」の類を意味するのです。従って、そのコブが動脈にできれば動脈瘤となり、静脈にできれば静脈瘤になる、という訳ですね。

動脈瘤は生命に危険が及ぶ病気

従って動脈瘤とは、身体の内奥を走る、血管の上水道とも言うべき重要な動脈、その動脈に発生した「こぶ」だという事が分かります。更に付け加えるならば、その動脈の壁の一部分が、何らかの原因により薄くなり、その血管が膨張する循環器病、それが動脈瘤と呼ばれる病気なのです。

当然、そんな薄くなった部分が膨らむ訳ですから、次に何が起こるかと言えば「割れる」以外の何物でもありません。従って、動脈瘤に於いて最も回避すべき事態は、この膨らんだ部分の「破裂」だと怖れられているのです。

何故ならば破裂すれば、当然動脈の壁が裂けますから、その亀裂から血液が外側に流出するのですね。その血液が血管から漏れ出す現象がいかに恐ろしいか、例えば元気な人が突然激痛を訴えて突然死する、あの有名なクモ膜下出血は、脳にできた動脈瘤の破裂の結果に他ならないのです。

ただ、血液が外へ流れ出る速度には、実は二通りがあるのです。瞬間的に吹き出した場合には、意識が失われるのみならず、心臓の鼓動も呼吸も何もかもが停止し、最終的には死を迎えます。ところがこれとは異なり、じんわりとゆっくり滲み出す場合には、身体の方々の痛みや気分の悪さといった、慢性的な症状となって病気が出て来るのです。

動脈と静脈…瘤の種類

それでは、ここで動脈瘤に対する理解を深める目的で、敢えて相反する対象との比較を試みましょう。皆さんは「静脈瘤」の存在をご存じでしょうか?ここへ来て、「ジョウミャクリュウなんて、そんなのあったの?」と驚かれる方もおられるかも知れませんが、当然こちらも静脈にできた「こぶ」に他なりません。

では、動脈瘤と静脈瘤の比較ですが、それは以下の通りです。

【動脈瘤】
=動脈の一箇所が膨れる→膨らんだ部分は、パンパンに膨らんだ一個の風船状になる
=頭や胸腹や腹に発生する

【静脈瘤】
=静脈が何箇所も膨らむ→静脈全体が、屈曲しながら蛇行し、数珠玉状になる
=脚に発生する

放置しても死なないのは静脈瘤

以上の様に、こちらの静脈瘤の方は、前述の動脈瘤ほど生命に危険が及ぶ病気ではないのです。動脈の方が静脈よりも深刻に捉えられる以上、そこにできる「こぶ」の深刻さの度合いも自ずと違って来るでしょう。

ただ、静脈瘤がさほど深刻ではないのは、そのコブができる場所が、静脈だからと言うだけではなく、実は脚だからという理由もあるでしょう。従って静脈瘤とは、下肢静脈瘤とも呼ばれているのです。

但し、大丈夫なのは命だけであって、見栄えの方は相当に悪くなります。と言うのは、太ももやふくらはぎ等の至る所に、曲がりくねった血管が盛り上がって来るからです。従ってその様相は、まるで「太いミミズが何十匹も連なって、皮膚の裏に住み着いているのではないか」、そう思わせるだけの不気味さに満ちているのですね。

それでも、生命の存続にも関わる深刻な動脈瘤を、美容上の問題と聞き流されそうな静脈瘤と間違えて申告しては、それこそ大変な事態を招きます。そんな訳で、絶対に動脈瘤を静脈瘤と混同しない様に、十分にご注意なさっていただきたいと思います。

徹底解説…動脈瘤の詳細

それでは深刻な方の動脈瘤に、ご説明を移してまいりましょう。

大動脈瘤とは何か

その前に、よく聞く大動脈瘤ですが、これは動脈瘤と何が違うのでしょうか?実は大動脈とは、心臓から全身に向かって血液が送り出される時に、その血液が通過する一番太い血管を指すのですね。

従って大動脈瘤は、この大動脈の壁が、基本的には一箇所ですが、コブ状に肥大化する疾患であり、その大動脈瘤が発症する場所によって、胸部・胸腹部・腹部に分類されるのです。従って、大動脈瘤と動脈瘤は、区別しなくても構わない、と解釈して間違いないでしょう。これを分かり易く示すと、以下の様になります。

【大動脈瘤】
=大動脈(心臓から全身へ血液を送る為の最も太い動脈)の一箇所が、風船状にパンパンに膨らむ→それが頭や胸腹や腹に発生する

この様に、大動脈瘤には、脳動脈瘤の他、胸部動脈瘤、腹部動脈瘤、等の種類があるのです。

偶然の検査で命拾い「腹部大動脈瘤」体験

但し、脳や心臓以外であれば。腹なんてそれ程怖くない、なんて考えては大間違いです。何故なら、腹部大動脈瘤が破裂した時には、激烈な腰痛と腹痛が発生するからです。まして破裂による大出血が引き起こされれば、死に至る危険性さえあります。

仮にそこまでいかなくても、破裂に伴う出血が多い場合、突発的なショック状態に見舞われるのです。この件に関して、筆者の身近に腹部大動脈瘤の人物がいた為、実は今回の執筆に先立って取材をお願いしたのです。

それによると、やはり人によっては、時折腹部に拍動感を覚える等、ある種の違和感を持つらしいですが、基本的には自覚症状はない様子です。まして瘤が小型であったり、腹部に脂肪が蓄積している場合には、尚の事無自覚の傾向が強くなります。

従って、CT検査や超音波エコー検査、MRI検査等により、意外にも発見されるというケースが、実際には少なくないのです。事実、筆者の取材に応じてくれたのも高齢の男性でしたが、彼の腹部大動脈瘤が発見されたのは、偶然としか思えない幸運に恵まれたからでした。

それは何と、他の病気の検査で病院を訪れた時、「念の為にお腹の方も調べておきましょう」と主治医から勧められたので、何気なく腹部を撮影してもらった結果、まさかの腹部大動脈瘤が発見されたという経緯です。

当然の事ながら、即座に入院して手術を受けた結果、見事に成功して退院したのが四年半前の出来事です。勿論、今現在も彼はごく普通に生活していますし、その病気に関しては、後遺症があるとか通院するとか薬を飲むとか、実は続けているのかどうかは別として、筆者もあまりその話は聞いた覚えがないのですね。

要するに、早期発見で即座に対処したのが幸いし、彼は腹部大動脈瘤を克服した。こう解釈しても間違いではなさそうです。

大動脈瘤を形状で分類

それでは、大動脈にはどんな種類が存在するのでしょうか?先ず、大動脈瘤は形状で分類すると、二種類になりますが、それは以下の通りです。

【嚢状動脈瘤(saccular aneurysm)】
=血管の分岐点に球形の出っ張りが発生する
=破裂する可能性が高い→即、治療対象

【紡錘状動脈瘤(fusiform aneurysm)】
=血管全体に長い風船状の膨らみが発生する
=破裂する可能性は低い→大型なら治療対象

とは言え、紡錘状動脈瘤とて必ずしも安全とは限りません。そこで紡錘状動脈瘤を、以下の通り分類しましょう。

・解離性動脈瘤
 =血管の壁が裂けて発生する→臓器虚血症状の可能性→大きさは問わず要治療

・血栓塞栓症を誘発する動脈瘤
 →大きさは問わず要治療

・通常の動脈瘤

因みに、 胸部解離性動脈瘤の中には、移動型の激痛が伴う事例があります。更に、解離した部位が心臓に近い上行大動脈であった場合には、緊急の大手術が必要となります。この他、解離現象に伴い血管が潰れた場合には、臓器虚血症状が引き起こされるのです。

又、血栓塞栓症とは血管が詰まったり、血液が固まったりする病気です。これは静脈型が多い様子ですが、こと動脈に発生した場合、中でも脳や心臓、肺という重要な臓器に発症した場合には、生命に危険が及ぶ局面を迎えます。これを図解で分類を繰り返すと、以下の様になります。

【血栓塞栓症】
=動脈に発生→脳・心臓・肺に発症→脳梗塞・心筋梗塞・肺梗塞

大動脈瘤を形態で分類

ところで、血管の壁の構造ですが、実は三層で構成されています。

【血管壁の三層構造】
=内膜・中膜・外膜

そこで、次に、大動脈瘤の分類に移りますが、先程は形状で分類しましたが、今回形態の方で分類すると、以下の三種類になるのです。

【真性動脈瘤】
=三層(内膜と中膜と外膜)が維持された状態→血管壁に瘤が発生

【仮性動脈瘤】
=二層(内膜と中膜)が部分的に欠損した状態→瘤が形成→周囲の組織が圧迫される→血液が流出

【解離性大動脈瘤(大動脈解離)】
=一層(中膜)が解離した状態→血管壁内に血液が侵入→内膜に亀裂が発生→解離性動脈瘤(大動脈解離)の発症

ただ、これ等は破裂するまで、殆ど自覚症状が無いのです。これでは、常に瘤の発生を疑い続け、定期的に検査を受けない限り、動脈瘤など発見される筈がありません。ましてや、既に自覚症状があるのであれば、瘤が肥大化している危険性がありますので、大至急専門医の診断を受けて下さい。ご参考までに、以下にその症状を、列記しておきましょう。

【大動脈瘤の症状】
=血痰が出る・息苦しい・声がかすれる・むせる

とは言え、破裂すると大部分が死に至りますが、適切な治療を実施する限り、破裂は回避できるのです。従って、むやみに恐怖心を抱くことなく、医師を信頼して治療に専念する心掛けが大切です。

動脈瘤の治療を徹底解説

それでは動脈瘤の治療には、どんな方法があるのでしょうか?それは症状が症状だけに、治療イコール手術と表現しても差し支えありません。

上下に縫合する人工血管置換

実は、動脈瘤の治療として、先ず挙げられるのが、既に確立された治療法である人工血管置換です。これは文字通りで、人体の動脈瘤の上下に位置する正常な血管だけを残し、動脈瘤の部分を人工血管に置き換える方法に他なりません。

その後、縫い合わせた天然の血管と人工血管を一本化して、そこへ血液を流す事になるのです。勿論、使用される人工血管は、身体に自然に馴染むばかりか、半永久的に使用できる最新の品質です。

内部に挿入する血管内治療

一方、人工血管置換に対して、全く別の発想から誕生した血管内治療が存在します。これは、身体への負担を軽減する目的で考案された治療法で、まだまだ使用に際して課題はあるのですが、言うなれば動脈瘤を血管の内側から治す方法です。

具体的には、人体の動脈瘤の内部に、人工血管を挿入後、固定する方法なのです。言わば、天然の血管の内部に、人口血管を挿し込んだ形になります。

人工血管の一部「ステントグラフト」

因みに、よく耳にするステントグラフト ですが、これはステントと呼ばれるバネ状の金属を、人工血管に取り付けた物体ですから、言うなれば人工血管の一部なのですね。実は、血管内治療で使用される人工血管も、ステントという金属で一体化されており、ステントが開く事により人工血管が、天然の血管内に固定される構造になっているのです。

人工血管置換と血管内治療の比較

確かに、内側に頑丈な人口血管が入り込みさえすれば、外側の薄い天然の血管が膨らもうが破れようが、もう怖い物なしという気にもなりますよね。ただ現実には、上部の天然血管、中間部の人工血管、下部の天然血管、この三つを縫い合わせる方が、治療法としては優れているという訳です。これ等の関係は以下の通りです。

【人工血管置換】
=確立された方法
=上部の天然血管+中間部の人工血管(天然血管の瘤から置き換える)+下部の天然血管
=縫合

【血管内治療(ステントグラフト内挿術)】
=身体への負担を軽減する方法
=外側:瘤のある天然血管>内側:正常な人口血管
=挿入

唯一の動脈瘤の予防法

それでは、動脈瘤を予防するには、何に注意すれば良いのか、そちらに話を進めて行きましょうか。

取材で実感「喫煙こそ血液の病気の元凶」

動脈瘤を発症する原因は、一体何処にあるのでしょうか?それはズバリ喫煙です。勿論、喫煙する習慣がないのにも拘らず、動脈瘤にかかった人もおられるかも知れません。まして一般に公開されている情報の中には、動脈瘤の原因として喫煙以外にも、飲酒をはじめとする様々な可能性が指摘されています。

ただ、筆者の取材に応じてくれた人物…かつて動脈瘤を発症し、手術を受けて快復した、その人物の生活を振り返る限り、「喫煙が循環器系の病気の原因である」という閃きは、確信に近い物になり始めているのです。

何故なら彼自身が中年期にヘビースモーカーで、それこそ一日に何十本もの煙草を吸っていたからです。今でこそ禁煙が一般的な時代になりましたが、数十年前なら非難する人物もいませんし、男性なら煙草を吸うのはごく当たり前の行為だったのです。

その後、禁煙を成し遂げたものの、既に手遅れだったのか、定年退職する年齢あたりから、彼は数多くの循環器系の病気に見舞われる様になりました。当然、心筋梗塞の発作も何回か起こしましたし、腹部大動脈瘤にもかかりましたし、発症した病気はとても数え切れません。

それにしても「この人は、元々丈夫に生まれついた筈の人間なのに、どうしてこんなに病気にばかりかかるのだろう?」と筆者は考えましたね。勿論、加齢に伴い様々な病気が現われるのは、誰にでも起こる当たり前の現象です。

ただ、それにしては病気の種類が、あまりにも血液に関するものに偏り過ぎているのですね。そしてある時、気付きましたね。「ああ。そうか!やっぱり長年ヘビースモーカーだったから。それで歳を取ってから病気の問屋みたいになってしまったのか」と。

そうなのです。これ、万人に通じるかどうかは別にして、一般的にこういう循環器系の病気の原因って、長年の喫煙習慣以外の何物でもありませんよね。とかく喫煙者には、長年の喫煙習慣が原因で発病した事実を、なかなか認めたがらない傾向があります。

例えば、「アイツがいるストレスが原因なのだ」等と、自身の苦手な人物に責任を転嫁するものです。然しながら、喫煙が万病の元というのは、現代では否定しようもない常識と化しています。

科学が証明「喫煙は万病の元」

事実、「喫煙が数多くの健康障害の原因である」というのは、国内外に於ける、多数の疫学的若しくは実験的研究から、既に証明されているのです。それも、循環器系疾患ばかりではなく、呼吸器系疾患、消化器系疾患、その他、癌に至るまでですから、もはや殆どの病気の感がありますよね。

しかも、長期間の喫煙習慣を持つ人間が、高齢になった時に同年代に多発する高血圧にかかった場合、動脈瘤を発症する危険性が増大するのです。それでも未だ喫煙を止めないのであれば、動脈瘤の拡張の速度が一段と上がるのですね。

因みに、喫煙しない人間の動脈瘤が拡大する速度は、直径4センチメートル前後の場合で、1年間に2ミリ程度に過ぎないという数値が、既に統計で上がっています。当然、喫煙者であれば、動脈瘤の拡大速度がその程度では収まらないのは、改めて言うまでもありません。

更に、喫煙の際に発生する煙には、何千種類もの化学物質が含有されていますが、その内の一割程度の数を占める有害物質の中に、何と三分の一もの割合で何十種類もの発癌性物質が含まれている、と言うのですから驚きです。

尚、一度拡張した大動脈瘤ですが、これを元通りに縮小する特効薬は存在しません。従って、可能な対処方法は、もし未だなら今直ぐ禁煙を実現し、せめてこれ以上は瘤を拡大させない、そう注意する以外に方法がないのです。

血管の細い人は厳禁の喫煙

ところで、先程登場した元ヘビースモーカーの話題に戻りますが、彼の場合はもう一つ気掛かりな点がありました。と言うのは、先天的に血管が細いのです。

勿論、医師でも何でもない筆者が、いい加減な事を言ってはいけませんが、彼の手の甲や腕の内側を見ても、皮膚から透けて見える血管は実にスマートで、本当に女性の手と思ってもおかしくない位ですから。

こんなに細い血管を持って生まれた人が、あんなに毎日何十本もの煙草を、スパスパと吸い続けて来た訳ですから、そりゃ血管の病気になっても不思議ではありませんよね。そこで、これは教訓です。

「私は血管が細いなあ」と感じる人は、煙草なんて絶対に吸ってはいけませせんよ。何故なら、若い今は健康だから信じられないでしょうが、老後に病気の問屋の様な人間に、突如変貌する危険性があるからです。そういう身体に変貌してしまった後から、どんなに後悔しても後の祭りですからね。

動脈瘤手術に成功する秘訣

ここで、「動脈瘤の手術が怖い」と言われる方が、或いはおられるかも知れません。勿論、あらゆる人間に共通する、至極当たり前の感情です。

ただ、この病気には他の病気の様に、手術を受けない選択肢なんて有り得ませんよね。だったら、どうすれば手術に成功しやすいのか、その点をご一緒に考えて行こうではありませんか。

事前の医師への挨拶が、手術成功の特効薬

では具体的にどうすれば良いのか、それはもうお医者様と信頼関係を築く、それ以外に方法はありません。従って、手術に成功する側に入りたければ、せめて医師と接する場面だけでも、医師に対する尊敬の念を表現するに限ります。

中でも、特効薬としてお勧めできる習慣は、治療後に「ありがとうございました」と言うだけではなく、治療に入る前にも「宜しくお願いします」と挨拶するという事です。「そんなこと、とうにやっていますよ。そんな話をする為に、ここまで読ませたのですか?」と叱られるかも知れません。

でも実際に試してみれば実感される筈ですが、治療の前に心を込めて医師に伝える「お願いします」この言葉の効果は劇的ですよ。何故なら、医師に側に「この患者は他の患者とは違って、誠心誠意扱わなければならない」という、特別扱いする気持ちが植え付けられるからです。

実は医師へのお願いの言葉は、患者の心に医師への敬意をもたらす事以上に、医師の心を患者に釘付けにする意味では、想像以上の効果を持つものだったのですね。

手術の成功者が語る「医師への崇拝」

事実、先程ご紹介した元ヘビースモーカーで、腹部大動脈瘤と心筋梗塞を発症し、その手術に全部成功した実績を持つ人物は、若い時代の医者嫌いの心は何処かへ吹き飛び、それこそ医師の全てを神の如く崇めていましたからね。

勿論、中にはそんな当方の誠意も通用しない程、悪徳を忍ばせた医師もいるでしょう。また、そこまで極端な状況に置かれなくても、現実に崇拝の念だけで世間が回れる筈もありません。

当然の事ながら、実際には医師や病院の選別という、冷静な作業も必要不可欠になるのです。でも、こうした現実的な作業は、支援者等の協力を得て行えば良い事であって、別な場所でするに限るのです。

要は、医師に生命を預ける患者が、医師への不満を抱き続けるのは、自分の命に不運をもたらす元凶だと、これだけは肝に銘じて欲しいのです。そして、患者が医師と面談する前には必ず、医師に対する敬意を表現するに限ります。

これが手術に成功する確率を上げる為に、筆者がお勧めする最大の秘訣なのです。そんな訳で、動脈瘤の患者の皆さん、是非ぜひこの心得を守っていただき、絶対に元気になっていただきたいと、筆者は心から願っていますからね。

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