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貧血はピロリ菌のせい?!ピロリ菌除菌で貧血が治ることもあり

ピロリ菌は、感染すると胃に炎症を引き起こし、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃癌の原因になると言われます。そのため、胃痛などの症状がある場合には、ピロリ菌がいるかどうかを調べ、いるようならすぐに除菌をすることも多くなります。

テレビなどの媒体でも、よく名前を聞くようになったピロリ菌ですが、実はピロリ菌を除菌することで、貧血も治ることが分かってきています。胃痛などの胃の病気を引き起こすピロリ菌と貧血とは、一見あまりつながりがないように思われます。そんなピロリ菌は、貧血にどう影響しているというのでしょうか。

貧血は様々な原因で起きている

貧血とは、血液の重大な任務のひとつ「酸素の運搬」が十分にできなくなった状態です。その原因には様々なことが考えられ、それによって同じ貧血でもいくつかの種類に分けることができます。

・鉄欠乏性貧血…鉄不足によるもの
・再生不良性貧血…血液を作る骨髄の働きが悪くなったために起こるもの
・悪性貧血(巨赤芽球性貧血)…ビタミンB12不足によるもの
・溶血性貧血…赤血球の寿命が通常より短くなったために起こるもの

以上が代表的な貧血です。このうち、ピロリ菌の除菌によって改善される貧血は、鉄欠乏性貧血です。鉄は、赤血球の中にあって酸素を全身へ運ぶ役割をしている、ヘモグロビンの材料です。

ヘモグロビンがなくては、酸素を全身に運ぶことができません。鉄不足になってヘモグロビンを作れなくなると、酸素を運べなくなるのです。貧血の原因として最も多いのが鉄欠乏性貧血で、貧血全体の90%にもなります。

そのため貧血気味の場合には、鉄分を多く含むレバーやほうれん草をたくさん食べるように、という話も聞くでしょう。鉄欠乏性貧血になってしまう原因は、以下のようなことです。

  • 食事からの鉄分摂取が不足していること。
  • 妊娠などのため、鉄がたくさん必要になっていること。
  • 出血によって、鉄がどんどん出ていってしまっていること。
  • 胃切除によって、鉄の吸収が悪くなっていること。

しかし、鉄欠乏性貧血の患者のうち30%は、いろいろ検査をしても原因が特定できないのです。この30%の患者のうち、ピロリ菌に感染している人に対して、ピロリ菌を除菌するための治療をしたところ、貧血が改善することが分かったのです。

なぜピロリ菌が鉄欠乏性貧血を起こすのか

ピロリ菌に感染したことで、なぜ鉄欠乏性貧血になってしまうのかについては、まだ分からないことも多くあります。いろいろな説があるのですが、そのひとつには下のようなことが考えられます。

ピロリ菌が胃酸分泌を低下させる

ピロリ菌は、胃の粘膜に感染するとそこに炎症を起こします。その状態が長く続くと、炎症は胃の粘膜全体に広がっていきます。慢性胃炎になってしまうのです。慢性胃炎が進行していくと、胃の粘膜は徐々に痩せていってしまいます。

これが「萎縮性胃炎」と言われる状態です。胃の粘膜には胃酸や胃液を分泌する組織があるのですが、胃の粘膜が萎縮していくと、それらの組織は減少していってしまいます。萎縮性胃炎になると、胃酸や胃液の分泌が低下してしまうのです。食べ物を消化する役割の胃酸や胃液が減るために、食欲がなくなったり、胃もたれしたりといったことが起きます。

鉄分吸収には胃酸も必要

鉄分には、動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。このうち非ヘム鉄は、体に吸収されにくい鉄分です。レバーよりもほうれん草の鉄分のほうが吸収されにくいという話は、聞いたことがあるのではないでしょうか。

この体に吸収されにくい非ヘム鉄を吸収するためには、胃酸の助けが必要になります。胃酸の助けがあって初めて、植物性食品の非ヘム鉄を吸収することができるのです。胃粘膜が萎縮して胃酸の分泌が十分に行われなくなると、鉄分の吸収も悪くなってしまいます。

胃酸が少ないと鉄分は吸収されにくくなり、鉄欠乏性貧血になってしまうのです。これが、ピロリ菌に感染したことで鉄欠乏性貧血になってしまう理由として、考えられる説のひとつです。

ピロリ菌によって胃粘膜が萎縮し、それにより胃酸の分泌が低下して鉄吸収がされにくくなり、鉄欠乏性貧血になってしまうのではないかというのです。その他にも、ピロリ菌に感染することで、胃や十二指腸などの粘膜からの出血が続いてしまっているためではないか、という説もあります。出血があると、鉄分はどんどん失われていってしまいます。

ピロリ菌除菌による成果は?

10歳以上の小児では、原因不明の鉄欠乏性貧血患者の60~70%が、ピロリ菌に感染しているとされます。そしてきちんと除菌ができると、その後貧血症状は改善することが分かっています。

成長段階において、鉄不足が続いてしまうということは、大きな問題でもあります。そのため、小児の鉄欠乏性貧血の患者でピロリ菌に感染していることが分かった場合には、ピロリ菌除菌という治療法がとられることも多いようです。

ピロリ菌の除菌には、2種類の抗菌薬と1種類の胃酸を抑える薬の、合わせて3種類の薬が使われます。これら3種類の薬がひとつのセットになっている薬もあります。副作用で下痢を起こしやすいため、整腸剤が一緒に処方されることもあります。

この3種類の薬を1日2回、7日間続けて飲むことで、ピロリ菌を除菌することができます。きちんと除菌を行うためにも、飲み忘れたりしないことも大切です。ピロリ菌を除菌することで、他に慢性じんましんといった症状も改善することが分かっています。

今のところ、なぜ改善するのかといったはっきりした理由は分かっていないものの、何らかの関連があるとされています。

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