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貧血は鉄剤だけでは治らない!?吸収率を考えた食材選び

貧血の基礎知識

貧血には様々な原因があります。その多くは、鉄不足によって起こる「鉄欠乏性貧血」であり、日本における貧血の3分の2を占めています。貧血で倒れるなど重度の場合は、病院で治療を受ける必要性を感じますが、めまい程度の場合は気に留めない人も多いでしょう。

鉄は、酸素を運ぶ赤血球が持つヘモグロビンという物質を形成するために必要な成分です。貧血では酸素を運ぶ力が弱くなるため、酸欠状態となり、頭痛やめまい、失神などの症状をきたします。慢性的な出血(消化管出血、子宮筋腫など)で鉄の供給が追い付かない場合や、胃の摘出により鉄が吸収できない場合もあります。

病的な貧血のこともあるので、気になる場合は通院するのが最も安全です。今回は、そういったものではなく、単純な鉄補給不足による鉄欠乏性貧血の改善方法を紹介します。

鉄の吸収率

ダイエットや偏食をしていると鉄欠乏性貧血(以下貧血)になりやすく、特に女性は生理による出血があるため、リスクが上がります。それでは、改善のためにどんなものを食べると良いのでしょうか。「鉄不足にはレバーが良い」というのは本当なのでしょうか。考えてみましょう。

鉄を補う食事を考えるときに大事になってくるのは鉄の吸収率です。これは、食品中の鉄含有量だけでなく、どんな形で含まれているか、どんなものと一緒に食べるかということが関係してくるのです。初めに、どんな形で含まれているかということに焦点を当ててみましょう。

食品中の鉄は、吸収率の高いヘム鉄と、高くない非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄は、ポルフィリンという有機物に囲まれている鉄をいいます。血液中のヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビンがこれに当たります。つまり、ヘム鉄は肉に多く含まれているということです。

非ヘム鉄は食品中にヘム鉄よりも多く含まれており、食品中の85%が非ヘム鉄であると言われています。非ヘム鉄は一緒に食べる食品に影響を受けやすく、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まります。また、畜肉、魚肉、鶏肉のヘム鉄と一緒に摂ることで、チーズや牛乳、卵よりも数段吸収率が上がるとされています(MFP効果)。

鉄の含有量が多い食品は、なんといっても豚・鶏レバーです。そして、これらの鉄はヘム鉄の姿で食品中に存在しているので吸収率が高く、鉄補給をするにはうってつけであると言えます。野菜の中では小松菜、京菜(水菜)などに多く含まれています。これらの鉄は非ヘム鉄なので、肉や魚と一緒に食べることが大切です。

鉄の吸収を阻害するもの

鉄が吸収されやすい形について説明してきましたが、食品の中には鉄の吸収を阻害してしまう栄養もあります。豆腐やチーズ、ラーメン、ソーセージなど、様々な加工食品に添加物として使用されているリン酸カルシウムは鉄の吸収を妨げる性質があります。

また、玄米や米、とうもろこしに含まれるフィチン酸や、話題のポリフェノール、コーヒーに含まれている成分も鉄の吸収を阻害すると知られています。イオン化されている非ヘム鉄が、他の成分に影響されてしまうのは仕方のないことなのです。

非ヘム鉄の吸収率のことを考えると何を食べれば良いのか、食べてはいけないのかが分からなくなってくるので、まずはヘム鉄として動物性食品を摂ることを考えましょう。それと共に野菜類を食べることで必然的に非ヘム鉄の吸収率も上がります。その中で、加工食品の摂りすぎや、コーヒーの飲みすぎに気を付ければ良いのではないでしょうか。

ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜を使った副菜というバランスの取れた食事が原則です。朝、昼、晩、三食すべてのバランスを完璧にすることは難しいですが、どれか一食はバランスの取れた食事を心がけてください。原因疾患のない貧血は、鉄剤に頼る前に食事を改善してみましょう。

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