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え?清潔すぎたらダメなの?アレルギーの原因と間違った対処法

日本人ほど世界的にみて清潔好きな民族はいません。「抗菌・除菌」などの言葉を、生活の中でどこにいってもよく見かけますよね。しかしアトピーなどのアレルギー対処法として、あまりにも清潔にしすぎるのはかえって逆効果になることがあるのです。

清潔すぎると身体が弱くなる

清潔にすることが健康の大切な条件だと思っていませんか?いいえ、違います。それが逆に身体を弱くしている原因となります。どんなに暮らしが快適に変わっても、私たちの身体の細胞は大昔から同じです。

日本では1970年代生まれの人たちから、一気にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー疾患に悩む人が急増してきました。「抗菌・除菌」だと巷で言われだしたのは、ちょうどこの年代くらいからなのです。

確かにアトピー性皮膚炎などアレルギーの原因は、化学物質や食品添加物の影響も大きくあります。しかしそれらの有毒な物質に抵抗する力そのものが落ちてきました。その原因が「抗菌・除菌」などの清潔すぎる生活なのです。

アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌だらけ

アトピー性皮膚炎の治療を医師に相談すると、「身体はできるだけ清潔に」などと指導されたことはないですか?それはもちろん正しいことでもあるのですが、受け取り方を間違えると、余計に肌を汚くしてしまう可能性があるのです。

それは、アトピー性皮膚炎の大きな原因のひとつである黄色ブドウ球菌の繁殖です。「清潔にすれば黄色ブドウ球菌が洗い流せる」と思っている方!間違いではありませんが、大切なことを忘れています。

黄色ブドウ球菌のような皮膚に悪さをする菌と一緒に、皮膚を守ってくれる大切な常在菌も洗い流してしまうことになるのです。

常在菌ってなに?

常在菌とは読んだままの意味で「常に存在している菌」のことをいいます。赤ちゃんはお母さんのお腹にいる時はまだ無菌状態ですが、生まれ落ちた瞬間からさまざまな菌が表面につきます。

これらの菌が、その後すぐに常在菌として皮膚に住み着くようになります。皮膚の代表的な常在菌は、大きく分けて表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌です。この二つの菌の優劣によって、肌の状態が決まります。

皮膚病の主な原因は黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は病原性が高く、たんぱく質を破壊してしまう酵素や表皮を剥がしてしまう毒素を持っています。ですから表皮ブドウ球菌よりも数が増え優位になってしまうと、アトピー性皮膚炎などの症状が出てしまいます。

健康な肌の状態は酸性なのですが、黄色ブドウ球菌のような病原性の高い菌が大繁殖してしまうと、アルカリ性になってしまいます。ですからアトピー性皮膚炎の症状が出ている人の肌は、アルカリ性に傾いてしまっている状態だといえます。

肌の健康を守る表皮ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌とそっくりな名前ですが、その働きはまったく違います。この表皮ブドウ球菌は肌の健康を維持してくれる大切な菌です。表皮ブドウ球菌は皮脂の脂肪酸を分解して、肌を理想的な弱酸性の環境にしてくれます。

簡単にいえば、黄色ブドウ球菌よりもこの表皮ブドウ球菌がたくさんいる肌は、とてもスベスベで健康的だといえます。それは弱酸性の環境では、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌のような皮膚に悪さをする菌は、住み着きにくくなるからです。

このように、表皮ブドウ球菌の肌バリアパワーが高いほど、健康的な肌になります。また肌バリアによって、外部からのばい菌や有毒物質の侵入から守られるので、皮膚だけでなく身体の内面も健康な状態になることができます。

清潔大好き日本人

日本人はほとんどの人が、一日一回の入浴を習慣にしています。私たちはこれが普通だと思いがちですが、世界的にみると実はそうでもありません。私たちが当たり前だと思っている習慣を、まずは視野を広げて見直してみましょう。

毎日のお風呂が日課

「毎日お風呂に入らないと何か気持ちが悪い」こう思う人がほとんどだと思います。しかし海外では毎日バスタブにお湯を張って肩まで浸かるのはとても珍しく、ほとんどがシャワーですませてしまいます。

それは私たち日本人が、昔から入浴行為を「清潔を保つため」と同時に「リラックスする空間」と考えているからでしょう。入浴は私たち日本人の生活の中では、なくてはならない憩いの習慣です。

そんな私たち日本人と違い、シャワーですませている海外の人たちは、出勤前や人と会う前にエチケットマナーとしてシャワーを浴びておくという人が多く、バスタブに浸かるのは週末に一度くらいという人が大半のようです。

資源と気候の違い

海外の入浴に対する考えが「清潔を保つため」は、最低限の基本です。ではなぜ最低限の基本になってしまうかというと、それは国それぞれの水資源、また気候によるものと思われます。日本は周囲をグルッと海に囲まれていて、水はとても豊富です。

また気候は四季があり、夏は高温多湿でとても汗をかきやすく、冬はとても寒いですから、しっかり入浴をして身体を温めるという習慣ができました。対して多くの海外では水の資源が乏しい国が多く、とても節水に気を使っています。

また気候も湿度が高くなく、乾燥している国では汗もあまりかくことがないので、サラッとしていて不快さをあまり感じません。「でも寒い冬は日本と同じじゃないの?」と疑問が湧きますが、実は海外の先進国の多くは、冬はセントラルヒーティングで家中をぽかぽかに暖めます。ですからささっとシャワーですませても大丈夫なのでしょう。

問題は回数だけでなく入り方

このように、毎日入浴することが習慣化している日本ですが、その回数だけでなく入り方にも違いがあります。日本人は湯船に肩まで浸かり、またその温度も高めです。高い温度での長風呂は、肌バリアの機能を弱めてしまうのです。

また、石鹸やシャンプーでゴシゴシ洗うことにより、黄色ブドウ球菌だけでなく、表皮ブドウ球菌もきれいに洗い流されてしまうのです。このように多くの人が「アトピー性皮膚炎のために」、または「美肌になるために」として身体の汚れを落とし清潔にする行為が、実は逆効果になっているわけです。清潔好きな日本人の、意外な健康の落とし穴といえるでしょう。

抗菌・除菌・消毒薬の弊害

巷に溢れかえっている抗菌・除菌グッズ。傷には消毒薬、身体に細菌が侵入すればすぐに抗生物質。原因を正そうとせずに、悪い菌が増えたから殺すという考えでは、アレルギーなどの疾患はいつまでもなくなりません。

原因を見間違えた対処方法

「アトピー性皮膚炎の原因が黄色ブドウ球菌の繁殖だから、消毒をして清潔にすれば治る」これは原因を見間違えている対処法です。またアトピー性皮膚炎だけでなく、喘息や花粉症などのアレルギー疾患も同じことがいえます。

「肌が乾燥するからしっかりと保湿をする」この対処法の場合は確かに合っていますが、外から補充するスキンケアは、角質の基底層にまで届くことはありません。逆に届いたとしたら、それは肌バリアが弱まってしまっている証拠です。

話が少し横道にそれますが、「肌がすぐにプリプリになる」などの即効性を宣伝文句にしているスキンケア商品には気をつけましょう。いくら良い成分が角質の基底層に届いても、肌バリアを破壊した上での健康な皮膚はありえません。

健康な皮膚や健康な身体の状態に戻すには、ある程度の時間がかかるものです。まずは抗菌・除菌・消毒薬の考え方を変えて、根本的に健全な体質に戻すことが先決ではないでしょうか?

大切なのは常在菌のバランス

たとえアトピー性皮膚炎などの原因となる黄色ブドウ球菌が皮膚にいても、表皮ブドウ球菌の方が元気で優勢であれば、まったく問題はありません。アレルギー症状が出てしまうのは、そのバランスが崩れてしまうことが原因です。

黄色ブドウ球菌などの悪玉菌だけに目を向けて、抗菌、除菌、消毒をしてしまえば、表皮ブドウ球菌を減らしてしまい、皮膚の常在菌のバランスを崩してしまうことになるのです。

お風呂の塩素で肌のバランスを崩す

日本の水道水の中に入っている塩素の含有率は、なんと世界でワースト1です。特に夏は菌の繁殖が増えるため、投入される塩素の量も多くなります。一番風呂に入ると肌がピリピリしませんか?しかし、他の人が先に入ったお風呂のお湯はピリピリしません。

これは、一番最初のお湯には塩素が残留しているためです。塩素は人体に有害なばい菌などを殺菌するために、水道水に入れられるわけですが、その殺菌成分が私たちの常在菌までもきれいに殺菌してしまうのです。

そこへ、石油系の強い洗浄力を持った石鹸などでゴシゴシ洗っては、ひとたまりもありません。このように入浴で崩れた菌のバランスを戻すのに、若い人で12時間、長い人で丸一日はかかってしまうといわれています。

常在菌の不在から起こるさまざまな不調

身体を洗いすぎ、常在菌が不在になったことで、身体にはさまざまな不調が起こってきます。また、それは皮膚だけはなく、身体の内面にも同じことがいえます。

アレルギー疾患の悪化

常在菌のバランスが崩れてしまい悪玉菌が優勢になってしまうと、さまざまな身体の不調が起きます。まずは何よりも、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の悪化です。そして清潔すぎる環境は、腸内細菌のバランスも崩します。

これにより、便秘や下痢などの症状が起こります。また腸内は最大の免疫器官でもあるので、その腸内での細菌バランスが崩れてしまうことにより、皮膚だけでなく腸の壁のバリアも弱くなってしまいます。

それにより、口から入ってきたアレルゲンなどが腸の壁をくぐり抜けて血中に入り、アレルギーの症状をさらに悪化させることになってしまいます。

膀胱炎、膣カンジダ症、水虫の悪化

身体を守ってくれる常在菌が減ってしまうことで、女性では膀胱炎、膣カンジタ症にかかりやすくなってしまいます。また水虫に関しても、清潔が良いからといってあまりにも足をせっせと洗いすぎることは、かえって症状を長引かせます。

特に女性は清潔志向が男性よりも高く、また悪玉菌に侵入されやすい身体の構造になっています。ですから洗いすぎは、かえって身体を守ってくれる盾をなくしてしまうようなものだということを、しっかり認識しなくてはいけません。

理想は少しの悪玉菌とたくさんの善玉菌

悪玉菌は、確かに皮膚や腸内で増えると悪さをしてくる病原性が高い菌です。しかし悪者扱いばかりしてはいけません。実は大切な役割があるのです。それは免疫力をつけること。人間の細胞は昔から変わっていません。私たちの身体は、自然と悪玉菌に対する免疫力をつける方法を知っているのです。「少しの毒はかえって薬となる」わけです。

さまざまな菌に触れることが大切

赤ちゃんは、何でも口に運んで舐めたがります。それは少しでもたくさんの菌を身体に入れて腸内細菌を作り、免疫力をつけるためです。ところがアトピーの赤ちゃんの便を調べたところ、半数はまったく大腸菌がいない状態だったようです。

先にも述べましたが、健康な肌や健康な身体のポイントは、常在菌のバランスです。悪玉菌がまったくいないのでは、バランスが崩れてしまいます。あえて悪玉菌を取り入れることにより、身体は抵抗力がつき免疫力がアップするのです。

これは人間の赤ちゃんだけではありません。パンダはお母さんの便を舐めて、笹を消化する酵素を取り入れます。コアラの赤ちゃんもお母さんの便を舐めて、同じ腸内細菌を体内に入れることで、ユーカリを無毒化する酵素を取り込みます。

また悪玉菌は抵抗力や免疫力を鍛えてくれるだけでなく、脳を活性化してくれる働きにもつながっています。ですから強い身体になるには、ある程度の悪玉菌が必要不可欠ということになります。

今は無菌状態

生活をする中で、私たちはさまざまな菌たちに囲まれています。それらの菌と触れ合うことは免疫力を高め、健康を維持する上でとても大切なことです。しかし今は、何かと抗菌・除菌の時代となってしまいました。

悪玉菌は常に悪者扱いをされてしまい、そのとばっちりをうけて、善玉菌も一緒に殺菌されてしまい、無菌状態になっています。無菌状態となった環境では、抵抗力も免疫力もつきません。これではアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などを起こすアレルゲンに簡単に負けてしまう体質となってしまいます。

洗うという意識を変える

「洗う」=「清潔になる」この考えは間違ってはいませんが、菌の立場から言えば正しくありません。「洗う」ことにより悪玉菌と一緒に善玉菌もいなくなります。またこういう場合は悪玉菌の方が強い性質があり、先に悪玉菌が復活します。清潔にするために洗うという行為が、かえって悪玉菌を繁殖させ「清潔ではなく汚している」ということになるのです。

まとめ

「抗菌、除菌は良いこと」。まずはこの考え方を変えましょう。「清潔にしないと、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患が悪化してしまう」このような考えに敏感になりすぎてしまうと、結局悪化してしまうことになります。

まずは、身体の常在菌のバランスをとることを第一に考えましょう。それにはむやみに抗菌、除菌グッズを使いまくるのはNGです。それらはかえって身体の抵抗力を落としてしまい、アレルギーなどの病気になりやすい弱い体質になります。

また入浴の仕方にも気をつけましょう。身体を石鹸でゴシゴシ洗うことよりも、残留塩素を除去することです。塩素はビタミンC粉末やお茶の葉、みかんの皮などを入れれば、簡単に除去することができます。

もっと気楽に「少しぐらい汚くても平気!」という考え方をしましょう。結局それが身体に抵抗力をつけ、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などに負けない強い身体を作る正しい対処法といえるのです。

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