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摂り過ぎでアレルギーに!?リノール酸は体に良い油じゃなかった

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少し前まで、”リノール酸は必須脂肪酸で、コレステロールを下げる働きもあるから体に良い油だ”と言われてきました。

紅花油(サフラワー油)やコーン油、ひまわり油のようなリノール酸を多く含む植物性油が良いと信じられてきたのです。

しかし最近の研究で、リノール酸の摂り過ぎは健康に良くないことがわかってきました。摂り過ぎることでアレルギーが悪化してしまったり、大腸ガンのリスクが増えてしまったりするというのです。

今まで健康に良いと言われてきたものなのに、なぜ突然逆のことを言われるようになってしまったのでしょうか。

脂肪酸とは?

脂質は生き物にとって重要なエネルギー源です。脂質と聞くとあまり良いイメージはなく、できれば摂りたくないものかもしれません。しかし実は細胞膜を作ったりホルモンの原料になったりと、体の中でなくてはならない働きをしています。

そしてその脂質を構成している材料のひとつが脂肪酸です。その構造の中に二重結合があるものを不飽和脂肪酸、ないものを飽和脂肪酸と言います。

不飽和脂肪酸

必須脂肪酸という言葉は、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。人の体の中で合成することができないために、必ず食品から摂取しなくてはいけない脂肪酸のことです。これは全て不飽和脂肪酸になります。

  • リノール酸
  • αーリノレン酸
  • アラキドン酸
  • EPA(エイコサペンタエン酸、イコサペンタエン酸とも言います)
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)

以上の5種類の脂肪酸が必須脂肪酸です。この中でアラキドン酸、EPA、DHAについては、人の体の中で全く合成できない訳ではありませんが、ほんの少量しか合成できないために必須脂肪酸とされています。

必須脂肪酸が不足してくると、皮膚炎や脱毛が起きてしまったり発育が遅れてしまったりします。ただし過剰になってしまっては肥満の原因です。適量を摂っていくことが大切です。

不飽和脂肪酸は、その構造の中にある二重結合の位置よってn-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-9系脂肪酸などと分類することができます。(ω-3脂肪酸、、、などとも呼ばれます。)

  • n-3系脂肪酸:α-リノレン酸、EPA、DHA
  • n-6系脂肪酸:リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸
  • n-9系脂肪酸:オレイン酸

食品の種類によって含まれる脂肪酸には違いがあり、またその働き方の特徴も異なります。

飽和脂肪酸
 肉類、乳製品に多く、常温では固体が主です。

n-3系脂肪酸
 魚の油やエゴマ油、アマニ油などに多く、常温では液体が主です。

n-6系脂肪酸
 紅花油やコーン油など一般的な植物性油に多く、常温では液体です。

摂取比率が重要!

n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸からは、”ほんの微量”で重要な生理効果を発揮する、イコサノイド(エイコサノイドとも言います)が作られます。

イコサノイドとは、血圧や出血を止めるいったような体の中で起きる様々な生理作用を調節している物質です。プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどといった生理活性物質を合わせてイコサノイドと呼びます。

n-3系脂肪酸のEPA、n-6系脂肪酸のアラキドン酸をもとに作られていて、それぞれから作られたイコサノイドは、互いに逆の作用をします。

例えば血管を拡張させたり収縮させたりして血圧を調節します。血小板の集まりやすさに関わることで出血や止血を調節します。(血小板が集まると出血は止まります。止まらないと問題ですが、止まり過ぎも血栓になるため問題です。)

気管支を拡張させたり収縮させたりといった調節もします。この調節がうまくいかないと喘息を発症してしまいます。そしてアレルギー反応にも大きく関わっているのです。

それぞれのイコサノイドが互いに逆の生理作用をするため、その量のバランスも大切です。一方が多過ぎても少な過ぎてもダメなのです。

ちょうど良い状態をキープするためには、原料となるn-3系脂肪酸のα-リノレン酸とn-6系脂肪酸のリノール酸の摂取比率がとても重要になってきます。

摂取のバランスが崩れてn-6系脂肪酸が過剰に摂取されてしまっては、それから生成されるイコサノイドが強く働き過ぎてしまいます。

決してn-6系脂肪酸のリノール酸が悪いものだと言うわけではありません。リノール酸も適量摂っていくことは大切です。しかし現代社会ではリノール酸を摂り過ぎてしまっているのです。

α-リノレン酸とリノール酸は1:4の割合で摂取するのがよいとされています。現在の日本では1:6くらいの割合になっているともされます。

リノール酸を過剰に摂ってしまうことでこのバランスが崩れ、アレルギー症状が出てしまうと考えられるのです。他にも動脈硬化になって脳梗塞や心筋梗塞を招いたりしまったり、血圧が上がってしまったりということもあります。

うつ病にも関係がある脂肪酸

脳の働きにも関係するようです。うつ病患者の脂肪酸の割合を調べたところ、n-3系脂肪酸が少なくn-6系脂肪酸が多くなっていました。

α-リノレン酸を多く摂るようにし、リノール酸はなるべく減らすようにしたところ、うつ病は改善がみられたようです。

リノール酸の過剰摂取でアレルギーになる

リノール酸はn-6系脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。植物にしか合成できない脂肪酸のため、人は食品から摂取しなくてはいけません。

不足により髪がパサついたり抜け毛が多くなってしまいます。また傷の治りが悪くなるため適量は必要です。ただいろいろな食品に含まれているため、普通に生活していれば不足してしまうことはありません。逆に過剰になりやすくなっています。

リノール酸は血中のコレステロール値や中性脂肪値を低下させるとして、体に良い油とされてきました。しかしコレステロール低下作用で悪玉コレステロールだけでなく、善玉コレステロールまでも低下させてしまうことがわかってきたのです。

またリノール酸を摂り過ぎるとリノール酸から作られるアラキドン酸も増え、それによりアラキドン酸から作られるイコサノイドも増えます。

このイコサノイドの働きにより、アレルギーが悪化してしまうと考えられます。炎症を起こしやすくなったりかゆみが出やすくもなります。気管支が収縮してしまうことで喘息も起こしやすくなります。

他にも

  • 動脈硬化が進んで脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる
  • 血液が固まって血栓ができやすくなる
  • 大腸ガンのリスクがあがってしまう

といったことが考えられます。

数十年前、リノール酸はコレステロール値を低下させる体によい油だとして有名になりました。また簡単に生産できるようになって、コストが下がりました。このようなことから世の中にはリノール酸が広まったのです。

そして最近になって、そのリノール酸が原因でアレルギーやアトピーを起こしやすくなることがわかってきました。

現在、リノール酸は市販品にも多く使われています。コンビニのお弁当やスナックなどにも入っていますし、ドレッシングやマヨネーズの材料にもなっています。

家庭内で気をつけていても市販品などに使われているため、どうしても摂取してしまいやすくなっていると言えるでしょう。

α-リノレン酸の特徴とは?

α-リノレン酸はn-3系脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。EPAやDHAを作る材料となり、EPAからのイコサノイド生成にも関係します。

中性脂肪を下げる働きがあり、血栓をできにくくさせたり動脈硬化を予防したりします。それによって心筋梗塞や脳梗塞も予防できます。血流を改善するので血圧にもよいとされます。

脂質の燃焼を高めることで、脂肪肝の予防などにもなるとされます。老化防止にも良いようです。

それぞれを多く含む食品

ではそれぞれの脂肪酸はどんなものに多く含まれているのでしょうか。

α-リノレン酸

  • なたね油
  • アマニ油
  • エゴマ油
  • くるみ

など

なたね油にはオレイン酸が最も多いのですが、他にα-リノレン酸とリノール酸もバランスよく含まれています。

酸化されやすい油で、酸化した油を使うと逆に動脈硬化の原因になるなどして老化のスピードが上がってしまいます。

熱にも弱いため炒めものなどに使わず、ドレッシングやマリネのような熱を加えない調理法にし、なるべく早く使い切るようにしたほうがよいでしょう。

寒冷地で栽培されるくるみや栗に多く、穀物の胚芽にも多く含まれています。

リノール酸

  • サフラワー油(紅花油)
  • ひまわり油
  • コーン油
  • ごま油

など

サフラワー油にはオレイン酸が多い品種もあり、最近はその品種の生産が伸びてきています。

リノール酸はいろいろな食品に含まれていて、不足することはまずありません。ドレッシングやマヨネーズの材料としても使われるため、過剰になってしまうことのほうが多いでしょう。

オレイン酸

  • オリーブ油
  • サフラワー油
  • ヒマワリ油
  • ごま油

など

オリーブ油は酸化されにくく、善玉コレステロール値を低下させることなく悪玉コレステロール値を下げます。また強力な抗酸化物質が含まれることから今注目されています。

ごま油にはオレイン酸とリノール酸が多く含まれます。他に抗酸化作用のあるセサミンなども含まれていて、健康によいとされます。安定性も高いとされます。

EPA

  • イワシ
  • サバ

などの青魚

血流を改善する作用があり、血栓を予防するとされています。

DHA

  • イワシ
  • サバ
  • アジ
  •  

などの魚

  • 魚肝油

など

脳の機能を向上させる働きもあるとされ、子供の脳の発達を進めたり、認知症の予防や改善によいとされます。大腸ガンなどのリスクを減らしたり、アレルギー症状を防ぐ働きもあるようです。

いかがでしたか?脂肪酸にはたくさんの種類、効果がありますので、上手に取捨選択してくださいね。

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