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常識が変わる【コレステロールは高い方が長生きする】は本当か

皆さん、コレステロールは高いほど病気になりやすい、健康に悪いというのは、常識として考えていましたよね。特に、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールは、低いほどいいと医師からもよく聞きます。しかし、この常識が覆されようとしています。

最近になって、「コレステロールは高い方が長生きする」という研究が相次ぎ報告され、医療の世界で二つに意見が分かれ、大論争になっています。医学の歴史は、過去の常識が覆ることは、珍しいことではありません。今回はこのコレステロール長生き論を掘り下げてみたいと思います。

これまでの常識

コレステロールは血管を詰まらせる原因となり、動脈硬化を促進させるため、心筋梗塞や脳梗塞をはじめとする様々な病気のリスクになるので、減らさなければならないとずっと言われ続けてきました。

実は私も1年前に突然、心筋梗塞に襲われてから、4種類の心臓病の薬を服用していますが、その中の一つに「クレストール」という血液中のコレステロールを減らす薬があります。血管が詰まり、心筋梗塞が再発すれば命にかかわりますので、動脈硬化の原因とされるコレステロールを減らすことは、長生きしたいと考えている私にとっては重要な薬です。

しかし、「コレステロールが高いほど長生きする」となると、どうしたらいいのか分からなくなってしまいます。いったい、どちらが本当なのでしょうか?人は誰でも健康で長寿を望んでいます。この問題は人類のためにもはっきりさせてほしいですね。

なぜコレステロールは高いほど長生きするのか?

最近、多くの研究機関から「コレステロールは高いほど長生きする」という研究報告が出されています。

日本動脈硬化学会の発表から

日本動脈硬化学会は2007年4月に、総コレステロールと動脈硬化との相関関係がないことを認め、その新ガイドラインを発表しました。

また、高脂血症は名前を脂質異常症と改められて、総コレステロールは基準から外されました。今更、動脈硬化とコレステロールは関係ないなんてビックリですよね。私を含め、信じて薬を飲み続けている人はどうしたらよいのでしょう。

第19回日本脂質栄養学会の発表から

2010年9月3日に、日本脂質栄養学会から次のような発表がありました。述べ17万人にものぼる膨大な観察データから、死亡率と総コレステロールの相関関係を検討した結果です。

総コレステロールの値が160以上200未満の人と160未満の人を比較すると、なんとコレステロール値が低い160未満の人の方が、男性死亡率で1.6倍、女性で1.4倍も高くなっていたのです。これに対して200以上の人は、女性は変わらず、男性の方は低いという結果になりました。膨大なデータベースでの統計ですので、信頼に値しますよね。

コレステロールを下げなければならない根拠が希薄

そもそも、これまでずっと言われ続けていた、コレステロールを下げなければならない根拠は何なのでしょうか?実はその根拠となっているデータは、日本ではなく海外の統計データを基準にしているのです。

日本の場合、いくら欧米化したとはいえ食生活が全く違うので、海外のデータをそのまま日本人に適用するのは乱暴だと思うのは、私だけでしょうか?日本人の統計データはほとんどありませんが、福井市でコレステロールと総死亡率との関係を検討したデータが存在します。この中では、コレステロールが高いほど死亡率が低いという結果が出ています。

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

一口にコレステロールといっても、善玉と悪玉があり、注意しなければならないのは悪玉コレステロールの方です。その代表格をLDLコレステロールといい、動脈硬化を進行させると言われています。

もともとコレステロールは細胞にとって必要な成分ですが、LDLコレステロールが過多になると、血管の内側の壁に付着して、血管を詰まらせたり、動脈硬化を促進させたりすることになります。しかし、こんなに悪役扱いを受けているLDLコレステロールにも、重要な役割があります。

人間の持つホルモンの中でも長寿に関係の深いDHEAというホルモンや、免疫と炎症抑制に関係するステロイドホルモン、認知機能や骨の代謝活動に関係する男性ホルモンなど、重要なホルモンの原材料になっているのです。

つまり、LDLコレステロールはアンチエイジングから、認知症や骨粗鬆症、そしてあらゆる病気に対抗する免疫機能にまで幅広く需要のある大事なものなのです。いったいLDLコレステロールは、善なのか悪なのか?ますます分からなくなってきますよね。

コレステロールの目標値は年齢や健康状態によって変わる

これまで色々調べてきましたが、コレステロールが生体維持に不可欠な重要な物質であることは間違いありません。しかし、善悪両面の顔を持っているために、評価が二つに分かれるのではないでしょうか。しかし、これまで一辺倒に言われ続けてきた「コレステロールは高いと病気になる」という常識は、間違いだと思うのです。

だからと言って「コレステロールが高いほど長寿になる」と断言もできません。食生活や年齢、病気の有無など環境や条件によって、求められるコレステロール値は変わってくるのではないでしょうか。次に、病気とLDLコレステロール数値の相関関係について紹介します。

心臓病:LDLコレステロール値が高いほど死亡率が高くなる
脳梗塞:LDLコレステロール値が低いほど死亡率が高くなる
その他病気全般:120~140mgが最も長寿

ここで注目したいのは、心筋梗塞などの心臓病と脳梗塞が全く正反対になるということです。どちらかの持病をお持ちの方は、充分注意する必要がありそうですね。私は心筋梗塞を経験しているので、これまでどおり薬を服用して、コレステロール値を下げる必要があるようです。

偏った判断は禁物

一番重要なのは、自分にとってのコレステロール値はどのくらいがいいのか、冷静に考えることです。でも、それは主治医が判断すればいいじゃないか、と反論する方もおられるかもしれません。もちろん、信頼できる主治医の先生に相談することは必要だと思います。

しかし、この問題は医師によっても判断が分かれるのが現状です。また、医療の世界では、これまでの常識が簡単に覆されることも多々あることです。私たちはより深い知識と興味を持って、最終的には、自分の健康は自分が守るんだという覚悟が、必要なのではないでしょうか。

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