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適応障害セルフチェック!甘えと勘違いする症状一覧、克服法と治療法

私達の周りには様々なストレスが隠れています。普段何気に行っている日常生活の中にもストレスはあり、「会社」「学校」「通勤」「家族」「友人」など全てに隠されているのです。

しかし人間は若干のストレスにはしっかりとした防御機能が備わっており、小さなストレス程度で健康が害されることはありません。

でも小さなストレスがだんだん溜まってきて、貴方の心の容量をオーバーしてしまったら、それでも耐えることができるでしょうか?適応障害は突然発症する精神疾患と言われています。

「もう…無理…」「こんなことやっていられるか!」…このような小さな心の変化が適応障害の始まりです。決して甘えではない適応障害の症状と対処について考えてみましょう。

あなたのストレスの概念がかわる?そもそもストレスとは何なのか

先日街を歩いていると若い女性が大きな声で「ストレス多すぎぃ~」と叫んでいました。確かにその女性はストレスが多そうな顔つきでしたが、本当に溜まっているのかは私達では解りませんよね。

このように簡単に使っている「ストレス」と言う言葉ですが、本当の意味を理解していない可能性もあります。適応障害を理解するためには、まずストレスの正体を知ることが重要です。

嫌いなことがストレスではないことを理解して

よくストレスのことを「自分が嫌いな行為を行うこと」と理解している人がいます。例えばやりたくない掃除を行うことを「掃除がストレスだなぁ」と言ったり、苦手なテストに対して「事前勉強がストレスだよ」とぼやいたりすることもあります。

さらに嫌いな人に対しては「コイツとは話したくない」と感じるでしょうし、うるさい上司に対しても「顔を見るのも嫌になる!」などの感情が生まれてきます。

一般的にこのような出来事がストレスとされていますが、実はストレスとはこのように「嫌い」「苦手」な感情から生まれるものだけではありません。確かに自分のストレスを考えて見ると嫌なことばかりしか思い当たらないかもしれません。

しかしそれらはストレスの一部にしかすぎません。ストレスは人間が受ける全ての「心の刺激」によって生まれるものだったのです。

ストレスは嬉しいことでも生じる心の負担

それでは日常な生活の中に溢れているストレスの例を考えてみましょう。ここに紹介するものは誰もが経験のある心の刺激で、これらがストレスを生じさせる原因になります。

嫌いな感情のストレス

  • 明日も深夜まで残業かぁ~
  • 嫌いな上司と出張に行かなきゃ
  • 明日試験なのに勉強が間に合わないぞ
  • 毎日バイトで嫌味言われるよ
  • 営業のノルマが今月も達成しないよ
  • こんなに働いているのに給料が少ない
  • 旦那が浮気しているかも
  • 子供が言うこと聞かない
  • その他
嬉しい感情のストレス

  • 海外旅行楽しみだなぁ~
  • いよいよ俺も課長か、ガンバルぞ
  • 念願の大学へ入学したよ
  • 明日は彼女(彼氏)とのデートだ
  • もうすぐ結婚だ
  • 子供が受験に合格したよ
  • その他

一般的にストレスは上記しました「嫌いな感情のストレス」と考えてしまいますが、実は嬉しい感情においても心の負担は起きてしまいます。海外旅行の前日には心が「ワクワク」して、なかなか寝付けないことがありますよね。

子供の遠足もそうですが、これは期待感からストレスが生まれている証拠です。少しであれば問題ありませんが、期待感も大きくなり過ぎると精神的な負担となり、当日は元気が出なくなることもあります。

「プレッシャー」と呼ばれる感情はどちらの感情にも生じるもので、ストレスもまた嫌いな感情からだけ生まれるのではありません。

ストレスは5つのストレッサーから作られる

ストレスは嫌いな感情だけでなく嬉しい(好き)感情によっても引き起こされることが解りましたが、実はこれらはあくまでストレスの一部でしかありません。

ストレスとは主に5つの要因からなる「ストレッサー」が引き起こす症状だと考えられているのです。

ストレスの要因になる5つのストレッサー

  1. 物理的要因ストレッサー
  2. 化学的要因ストレッサー
  3. 生物的要因ストレッサー
  4. 社会的要因ストレッサー
  5. 心理的要因ストレッサー

あくまで感情要因によるストレスは「心理的要因ストレッサー」であり、それ以外にも4つのストレッサーがあります。それぞれを簡単に説明します。

環境に左右される物理的要因ストレッサー

身体に与える物理的刺激が原因の「物理的要因ストレッサー(物理的ストレッサー)」は、その人が置かれている環境によって受けるストレスと言えます。

例えば灼熱の太陽の下で長時間働くことは、身体に対して大きな負荷を与えてしまいます。また、寒い冬の野外作業でも同じことが言えます。このような状況では身体が疲労してしまいストレスを生じさせてしまうのです。

物理的要因ストレッサーの具体例を紹介しましょう。

  • 暑い、寒い環境
  • 大音量、騒音環境
  • 眩しい、暗い環境
  • 同じ姿勢
  • 満員電車
  • その他

タバコもストレス?化学的要因ストレッサー

化学的要因ストレッサー(科学的ストレッサー)は、化学物質による刺激によってもたらされるストレスです。例えばタバコを吸う人も多いと思いますが、タバコには「タール」「ニコチン」「一酸化炭素」などの化学成分が含まれています。

これらは身体の中に入ることで、様々な刺激を与えることになるのです。本来タバコなどの嗜好品の中には科学的な刺激を目的としたものもありますが、過度の刺激はストレス要因になるのです。

化学的要因ストレッサーの具体例を紹介します。

  • タバコの喫煙
  • アルコール摂取
  • 食品添加物
  • 排気ガスなどの大気汚染
  • 水道に含まれる塩素
  • 金属接触
  • 薬物
  • その他

持病で慢性的に服用している薬であっても、長期間服用することで科学的要因ストレッサーになることがあります。気が付かないうちに進行するストレスなので、十分な注意が必要です。

体調不良が原因の生物的要因ストレッサー

病気で体調がすぐれない時はなんとなくイライラしてしまうことがありますよね。風邪で参っている時なんて声をかけられるだけで「ほっといて!」と言ってしまうこともあります。

このように体調がすぐれないことが原因で生じるストレス要因が「生物的要因ストレッサー(生物的ストレッサー)」と呼びます。

生物的要因ストレッサーは病気だけでなく、疲労や肉体的な変調によっても生じるストレスです。

  • 病気
  • 疲労
  • 空腹
  • 妊娠
  • 生理
  • 虫歯、頭痛などの痛み
  • その他

特に女性の中には妊娠中や生理中に苛立ちを感じることが多く、これらは身体の変化から生まれるストレス要因と言えます。

心理的要因と関係の深い社会的要因ストレッサー

社会的要因ストレッサー(社会的ストレッサー)は心理的要因ストレッサーと関係の深いもので、同じに扱われることも多いのが特徴です。

社会には人間関係があり会社には組織があります。その中で個人は定められたルールに従って生きて行く必要があり、中には納得できないことや不安を生じさせることも出てきます。

このような感情はやがてストレスとなり蓄積されてしまうのです。

  • 社会問題
  • 経済問題(将来の年金など)
  • 職場の人間関係
  • 昇進や昇給、転勤など
  • 隣人との人間関係
  • 趣味の人間関係
  • 失業
  • その他

ストレスフリーの人なんてこの世にはいない

「ストレスとは何か?」を少しだけ詳しく説明してきましたが、これらのことで理解してもらいたいのは「ストレスがない人なんていない!」と言うことです。

「俺にはストレスなんかないぜ」「ワイルドだろぅ~」なんて自慢する人もいますが、科学物資に触れない人もいませんし、環境の変化を受けない人もまたいません。

つまり本当の意味でストレスを受けない人は宇宙空間で浮かんでいる人だけであって、全ての刺激から遮断されている状態と言えるのではないでしょうか?(でもこの状態もストレス多そうですよね!)

ストレスは精神的なものだけではありません。四季や気候、気温など全ての刺激がストレスになるのです。

ストレスに強い人、弱い人の違いは?人間のストレス耐性の話

全ての人間がストレッサーから逃げられないのであれば、ストレスによる健康被害がもっと発症してもよいはずです。しかし全ての人がストレスを負担に感じている訳ではなく、上手に対応している人も多くいます。

そこにはストレスの耐性が関係していました。

人間にはストレスに対する耐性があった

ストレスフリーの人などいないことは理解していただけたと思いますが、それでもストレスが無いように生きている人がいるのも事実です。彼らは無理して生活しているのかと思いきや、実はそうでもないようです。

その理由が「ストレス耐性」と呼ばれるもので、個人によってストレッサーに対する耐性に違いがあったのです。

ストレス耐性とは「ストレッサーを受けた時にどの程度耐えられるか?」であり、ある意味ではストレス強度を意味する言葉でもあります。ストレスに対抗するストレス耐性の主なものを紹介しましょう。

ストレスを受け流す能力が耐性を高める

ストレッサーを受けても上手に受け流すことができれば、それはストレスにはなりません。例えば帰宅間際に上司から仕事を言いつけられた場合、残業して行うとストレスになりますが、明日に回すことでそれを回避できます。

「今日は帰りますので、明日やります。」この一言が言えるかがストレスの分かれ目になるのです。また後から言われることが解っている内容であれば、言われる前に自分からやってしまうことも重要です。

ストレッサーは正面から受けるのではなく、受け流すことが重要だと思って下さい。

ストレッサーに気が付かない能力でストレスはなくなる

ストレッサーはそれを意識することでストレスとなってしまいます。つまりどんなにストレッサーを受けても、それに気が付かなければストレス要因にはならないのです。

例えば暑さに強い人は真夏の気候でも動じることはなく、それをストレスと感じることはありません。体力のある人はない人と比較して、野外作業でのストレスは感じにくくなっています。

つまり身体的な特徴によってストレッサーを回避することは可能であり、そもそもストレッサーに気がつかないことさえあるのです。

神経質な人と比較して鈍感な人はストレスを感じにくいと言われていますが、これはストレッサーに気が付いていない可能性もあります。何事にも敏感なことは、よいことではないかもしれませんね。

ストレッサーをよい方向に向ける前向きな能力

ストレス要因のストレッサーですが、全てが誹謗中傷のような内容ではありません。上司のアドバイスは的確かもしれませんし、身体を鍛え直す必要もあるかもしれません。

そのような内容を受け流していては、いつまでたってもストレス耐性は強くなりません。

ストレス耐性の強い人はストレッサーをよい方向へ向けることができます。ストレッサーの内容を自分にとってよい情報として扱い、改善させることでストレス要因を取り除くのです。

要は前向きな思考を持っている人はストレス耐性が強いと言うことです。

ストレスには蓄積できる許容量がある

ストレスの耐性の中でも個人差が出やすいのがストレスの許容量です。人間にはストレスを蓄積させる器があり、そこに収まる範囲であればストレッサーを負担に感じることはありません。

しかし器が満杯になり溢れ出ることで、負担となってストレスを感じてしまうのです。ストレス許容量には個人差があるので、Aさんが大丈夫でもBさんにとっては大きな負担となることもあります。

ストレス許容量が大きい人はストレス耐性が強く、許容量が小さい人は耐性も弱いと言えるのですね。

ストレスの耐性は人によって様々です。嫌味を言っているのになかなか気が付かない人は、ストレス耐性が強い人だと言えます。

甘えじゃない!ストレッサーによって引き起こされる適応障害

ストレッサーによって引き起こされるストレス症状は、上手に処理することができないことで蓄積してしまい、精神的な疾患を発症させることがあります。適応障害はその中の一つで、悪化することで「うつ病」など深刻な病気へ進行することもあります。

適応障害の症状は突然のように表れる

これは友人のAさん(女性)の話です。ある日、いつものように仕事をしていると、急に呼吸が苦しく脈が「ドクンドクン」と高鳴ってしまいました。仕事の手を止めて軽く深呼吸することで、その日は特にそれ以上の症状は出ませんでした。

しかしこれは単には始まりでしかなく、翌日以降も同じ様な症状が度々起きるようになってしまったのです。

症状も始めは軽いものでしたが、少しずつ重くなってしまい発作が起きるとしゃがみこんでしまうくらいになったのです。頑張っていた仕事にも支障が出るようになり、作業も進まなくなります。

「怠けちゃダメだ!」と頑張ってみるも集中ができないのです。そして会社も休みがちになってしまい、とうとう退職するしかありませんでした。

このようにAさんは突然の変調によって会社を辞めなくてはいけない状況に追い込まれてしまいました。彼女は「自分は一生懸命頑張っていた」と言っていますし、実際にそうだったと思います。また身体的には何ら病気は見つからなかったそうです。

しかしこの症状こそが突然のように表れる「適応障害」の発症だったのです。

適応障害とはストレッサーに対する過剰反応

ストレスを持っていない人間などいませんが、大抵の人は上手にそれを処理して身体へのダメージを最小限にしています。しかし、中にはストレッサーの処理が苦手な人もおり、少しずつストレスが蓄積されてしまうことがあります。

人の個性を話す時に「貴方は繊細な心を持っていますね」とか「考えこんでしまうタイプですね」などと表現することがあります。

「繊細な心」とは小さな出来事に対して過剰な反応を見せたり、深く傷ついてしまったりすることで、ストレッサーを上手く処理できない心理状態であり、適応障害を発症しやすい人に該当します。

適応障害はこのように一般的には処理できるストレッサーに過剰反応することで、精神的ダメージとなり身体的に様々な影響が出る病気のことを言います。

適応障害が発症した時の症状とは?

適応障害が発症すると精神だけでなく身体的にも様々な症状が表れます。代表的な症状を以下に紹介しましょう。

不安症状

  • 不安
  • 恐怖感
  • 焦燥感
  • 自殺願望
  • その他
うつ症状

  • 憂うつ感
  • 抑うつ感
  • 喪失感
  • 絶望感
  • 涙もろい
  • その他
身体的症状

  • 息切れ
  • 動機
  • 頭痛
  • 疲労感
  • 腹痛
  • 腰痛
  • ふるえ
  • 摂食障害
  • その他
行動的症状

  • 作業効率の低下
  • 過剰飲酒
  • 暴力的行動
  • 引きこもり
  • 反社会的行動
  • その他

上記のように適応障害の症状の見てみるとそれらは、一般的なストレス反応を過剰にしたとも言えます。例えば緊張した場面で心臓が「ドキドキ」するのは、誰にでもあることで特別な状態ではありません。

しかしこれが過剰になると緊張する場面でもないのに、同じ状態になってしまうのです。また上司に理不尽な指示を受けて頭にくることもありますが、大抵は不満を頭の中だけにして上手く処理することができます。

このケースにおいて適応障害では不満に対して過剰反応を起こしてしまうので、「怒り出す」か「泣き出す」などの感情的な行動を取ってしまうでしょう。

そしてこれらの状況が更に精神を追い込むことになり、「恐怖感」「不安感」を増大させて、最終的には「自殺願望」などを持つ「重度な精神疾患」へと進行させてしまうのです。

  • 会社や学校に行く途中や行くことを考えただけで腹痛や下痢が起きる。
  • 友人と会う約束をすると時間が気になってイライラしたり、体調が悪くなったりする。
  • テレビで事故や病気の話題を見ると、自分がこうならないか心配で眠れなくなる。
  • 将来の自分が心配で悲観的になり、泣いたり嗚咽したりしてしまう。
  • 知らない人と会うのが怖く、外出することができなくなる。
  • 会社で失敗したらそれが頭を離れず、一日中それだけを考えてしまう。

こんな風に日々感じていることはないでしょうか…?

適応障害はけっして甘えではなく脳の機能障害

適応障害の特徴は「うつ病」と違い原因となっているストレッサーを取り除くことで、症状が改善しやすい特徴を持っています。つまり「不快なものを取り除くことで症状が改善する」ことになります。

このことは長い間適応障害を「仮病」であったり、「怠け病」であったりするレッテルを貼り付けていました。

しかし近年の研究によって「適応障害はストレッサーが引き金による脳機能の低下が原因である」と解明されており、適切な治療を行うべき精神疾患との位置づけが確立されています。

会社に行くと体調が優れずに早退を繰り返している人が、自宅では元気にしていることがあります。昔なら「ズル休み」だと非難されたり、「根性出せよ」と怒られたりしましたが、これは適応障害の症状で考えれば当たり前のことだったのですね。

適応障害を発症した人が「自分は甘えている…」と思い悩むケースが多いと聞きますが、それは甘えではなく病気による症状だったと理解しましょう。

適応障害は甘えがもたらした病気ではありません。一生懸命立ち向かった結果の症状と言えるのです。

適応障害を早期発見するセルフチェック

適応障害を診断するには専門医の診断が不可欠ですが、なかなか自分で精神科医を訪ねる勇気は出ないかもしれません。現在日本ではアメリカ精神医学会で採用されている「DSM-5」と、WHOで出されている「ICD-10」と呼ばれる診断基準を主に使用しています。

この中から自分でできる適応障害セルフチェックを紹介します。4つそれぞれについて、詳細を見ていきましょう。

チェック1 ストレッサーに対する努力を行っているか?
チェック2 日常生活に著しい影響を与えているのか?
チェック3 他の病気ではないことをしっかりチェックする
チェック4 ストレッサーが無くなると改善するか?

チェック1:ストレッサーに対する努力を行っているか?

【ストレス要因となるストレッサーに適応する努力を行ったにも関わらず、3ヶ月以内に適応障害の明らかな症状が出てしまった】

適応障害の特徴として症状の原因となるストレッサーが明確なことがあります。「入学」「就職」「転職」「離婚」…など必ずきっかけになる出来事が見つかるはずです。

このような出来事がストレッサーなのですが、大切なことは「これらのストレッサーに対応する努力をしたか?」になります。

つまり嫌なものに背を向けて「適応障害だ~」と訴えてもそれは単なる「好き嫌い」であって病気ではありません。適応障害ではストレッサーに適応する努力を行っても上手く行かなかった状況があるはずです。

また適応障害の症状が出る期間も「ストレス要因の始まりから3ヶ月以内」とされています。

チェック2:日常生活に著しい影響を与えているのか?

【適応障害の症状によって日常生活や仕事に著しい影響を与えている】

次のポイントは適応障害の症状によって、日常生活や仕事に対して著しい影響を与えているのかです。

例えばご主人の転勤で知らない土地に引っ越した場合に、奥さんは新しい人間関係を作らなくてはいけません。最初は努力して挨拶したり話しかけたりするのですが、なかなか友達ができません。

だんだん口数も少なくなって自宅ではイライラするようになってしまいます。小さなことで泣き出したり感情的になったりして日常生活に支障が起きてしまいました。

このようにストレッサーに上手く適応できないことで、日常生活に影響が生じているケースは適応障害と判断できます。

チェック3:他の病気ではないことをしっかりチェックする

【その症状が他の病気や精神疾患が原因でないこと。また死別による反応でもないこと】

適応障害の症状はある意味曖昧であり、他の精神疾患の症状とかぶさる部分があります。また動悸や頭痛などの身体的症状においても、原因が他の病気である可能性は否定できません。

安易に適応障害と判断しないで、冷静に症状を見極めることも大切なのです。また、身内や親しい人との死別では心に大きな負担を残すことから、一時的に適応障害の症状が出ることがあります。

しかしこれは極当たり前の症状であり適応障害には含まれません。近年では「ペットロス」などによるショックから精神疾患を引き起こすケースもありますが、一時的なものであれば適応障害にはなりません。

チェック4:ストレッサーが無くなると改善するか?

【ストレッサーを取り除くことで適応障害の症状が改善する】

前述しましたが適応障害では原因となるストレッサーを取り除くことで症状が改善されます。もともとストレッサーに適応できないことが発症原因なのですから、これは不思議なことではなく当たり前の反応とも言えますね。

例えば職場での人間関係がストレッサーと疑われる場合、長期休暇で仕事を離れている期間には全く症状がないケースはこれに当てはまります。

また実際にストレッサーを排除していなくても、「きっとこれが無くなると症状は出なくなる」との確信を持っているケースでもこの基準を満たしています。

適応障害を自分で見極めることは大変難しいことなので、これらのポイントに心当たりがある場合は、専門の精神科医、心療内科で診断を受けるようにしましょう。

精神疾患を自分で判断するのは危険なことです。チェックポイントに該当するのであれば精神科医や心療内科の診断を受けてみましょう。

ストレスを適応障害の原因にさせないための克服法と治療法

適応障害はストレスが原因で発症することから、事前にストレッサーに対処することができれば発症を予防することが可能です。発症の予防と治療法について紹介します。

自分にとってのストレッサーを把握する

人間には得意な分野と苦手な分野がありますが、多くのストレッサーは苦手な分野に隠れていると言われています。特に社会に出ると好き嫌いで行動することも難しくなり、不得意な分野であっても向き合わなくてはならない状況が生まれます。

そこで重要なのは「自分にとってのストレッサー」を把握することです。苦手な分野をいつまでも処理できずに抱え込んでしまう人がいますが、これは全く意味のないことでストレスが蓄積される要因です。

ストレッサーを把握していれば、苦手なものは断ったり、得意な人に回したりすることが可能で、そうすることでストレスを抱え込むこともなくなります。

もし自分がストレスを抱え込んでいると感じたら、その要因であるストレッサーを把握してこれ以上の負荷を避けるようにすることが重要なのです。

過去の出来事からトラウマ的要因を探り出す

人間は成長する過程で様々なストレッサーの刺激を受けますが、それらを経験として上手に処理する方法を学んで行きます。しかし、中には性格的な問題(性格因子)や環境的な問題(環境因子)が原因で、それらが大きな心の負担として残ってしまうこともあるのです。

生まれながらに性格が優しい人は暴力的な行為に対して敏感な反応を見せます。また体格が小さいことで運動が苦手な人もいます。そのような人は成長過程でのちょっとした出来事が、将来的なストレッサーを生み出してしまうのです。

いわゆる「トラウマ」と呼ばれる言葉がありますが、これは過去に経験したショック経験を長期間引きずることを意味しており、例えば子供の時に大きな犬に噛まれた経験のある人は、犬を見るだけで大きな精神的負担が生まれてしまいます。

そのような経験を持った人は犬に対して無意識下の恐怖を感じています。それに気が付かずに親しい家族が犬を飼うことで、適応障害が発症してしまうのです。

脳は過去の経験から危険な因子を記憶することでそれらを避けるように働きます。つまり、犬を見るだけで「危険」と判断し身体を緊張させ、興奮状態を作り出すことでストレスを引き起こしていたのです。

自分にとってトラウマとなっている項目を自問して、それらを正面から受けないような行動を行うようにしましょう。「苦手なものは苦手!」と思って無理にチャレンジせずに、「自分の性格には向いていない」と考えることが重要です。

認知行動療法で考え方を変える

認知行動療法とは自分が受けているストレッサーをしっかりと認知させることが目的であり、その「対処」や「コントロール」を学習します。仕事が原因による適応障害であっても、原因が仕事全般ではなく「パソコン作業」だけが要因であることもあります。

「仕事が苦痛だ」と考えれば気持ちが暗くなりますが、「パソコン以外は楽しい職場だ」と考えれば心も楽しくなりますよね。この考え方の転換が「認知の転換」になるのです。

子供の中には「勉強は嫌い」「でも給食と体育は好き」だから「学校は大好き」であることが珍しくありません。これは学校に対する認知がストレッサーである「勉強」に向いているのではなく、大好きな「給食」に向いていることを表しています。

子供ながらに上手にストレッサーを処理していたのですね。考え方を変えることは適応障害対策にとって重要なことで、認知を転換するだけで心が楽になることは珍しくはありません。

認知行動療法では精神科医、心療内科医やカウンセラーによるカウンセリングから問題点を見つけ出し、認知の歪みを正し解決法や対処法を学習します。最終的には自分でそれらをコントロールすることで、症状の改善を目指すのです。

環境を変えることが最も重要

ストレッサーの内容が生活環境に起因するのであるならば、その環境を変えることが最も効果のある対策となります。職場での人間関係にどうしても馴染まない場合は、我慢しても症状が悪化するだけです。

どんなに希望して入社した会社であっても、転勤や退職して自分に合った職場環境を探すようにしましょう。

しかし環境は自分では変えることができないことが多く、いくら努力しても報われずに精神的に追いつめられてしまうことになります。無理をしないで「転職」「引っ越し」など、ストレッサーから遠ざかることも重要なのです。

会社を辞めることに抵抗を感じる人もいますが、「逃げ出す」のではなく「ストレッサーを回避する行動」と理解して、後ろ髪を引かれないように粛々と行うようにしましょう。

あくまで補完的治療の薬物療法

適応障害の治療において薬物治療はあくまで補完的な治療法になっています。薬を飲むことで苦手なものが得意になることは不可能で、そもそも治療薬が存在しないのが理由です。

しかし適応障害では症状に対しての対処療法として使用されることも多く、睡眠障害では「睡眠導入薬」、不安症状には「抗不安薬」「抗うつ薬」などが使用されています。

あくまで薬物療法は一時的なもので、適応障害の症状の悪化を防ぐことが目的であり、治療を目的としたものではありません。

安易な使用は症状を悪化させてしまう危険性も否定できないので、適応障害における薬物治療には注意が必要です。

自分の苦手なもの(ストレッサー)を把握することは重要です。逃げるのではなく受け流す考え方を持つことも大切ですね。

高確率でうつに発展!適応障害とうつ病の関連性

増加傾向にあり社会問題ともなっている「うつ病」は、最も適応障害と間違われやすい精神疾患です。しかし、適応障害は要因を取り除くことで症状が改善するのに対して、うつ病では要因を取り除いても改善は見られません。

しかし、適応障害からうつ病に進行するケースは全体の40%と言われており、適応障害を正しく処置しないことが重症化を招いていることが解ります。

うつ病を発症すると治療も長期間必要であり、回復しても再発の危険性が高くなります。また「自殺願望」などが強いことから、家族など周りの人に与える影響も大きくなるのです。

適応障害はうつ病の入り口と考えて、早期に対処することが求められています。

適応障害は高確率でうつ病へと進行することが解っています。早期に発見して対処することがうつ病予防にとっても重要です。

自分を過信するな!ストレスに強い人ほど落とし穴が

ここまで読んで頂いて「適応障害はストレスに弱い人が発症しやすい」と感じているかもしれません。しかし本当に注意してもらいたいのは、「自分はストレスに強い」と思っている人です。

もともとストレスに弱いと感じている人はストレスを溜め込まないように自然に生きています。しかしストレスに強いと自負している人は、ストレッサーを正面から受け止めることを続けてしまうでしょう。

仕事も無理ができるので溜まったストレスを解消せずに、残業や徹夜などドンドンとやってしまいます。しかしいつかは限界となることは明白であり、「仕事に押し潰されるか」「燃え尽きてしまうか」の状況に陥ってしまうでしょう。

脳機能も低下してしまい適応障害ならまだ良いのですが、いきなりうつ病が発症してしまう可能性も否定できません。ストレス強度が強い人ほど発症したら症状が重くなるのが適応障害だと覚えておきましょう。

どんなに強い人でも「逃げるが勝っ~」をよく覚えてストレッサーと対峙するようにしましょうね。

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