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日本の子供20人に1人は注意欠如・多動性障害。薬剤投与で改善

落ち着きがなく、授業に集中できない、いつも注意されてしまう、このような状態が極端に多い子供達を「注意欠如・多動性障害」といいます。略称名はADHD。子供20人に1人はいると言われています。学校のクラスの中に1~2人いるということになります。

注意欠如多動性障害は広汎性発達障害(PDD)や学習障害(LD)とともに発達障害と言われています。

親の躾が悪い?子供の性格が悪い?

昔は落ち着きのない子供達を見て、親の躾が悪いなどと言って、誰も病気の一つであるとは思っていませんでした。しかし、今では脳の認知機能に障害があるために様々な症状が出てしまうということがわかってきました。

家族や教師、周囲の人達は発達障害の知識を得て、発達障害の子供達を理解、支援していくことが必要と言われています。

学童期の発症率は3~5%です

注意欠如多動性障害の子供達は注意力や欲求、感情を自分でコントロールする能力が十分に備わっていない、自己中心的な行動が幼児期から続いている状態の子供達です。

注意欠如多動性障害の中に多動性、衝動性が目立つタイプの子供が最も多いと言われていますが、最近は不注意が強いタイプの方が多いことが明らかになりました。そして、DVや児童虐待を経験した子供は注意欠如・多動性障害になりやすいと言われています。

注意欠如多動性障害の子供達の脳や心理状態はどんな風に?

生化学的にはドーパミン、ノルアドレナリン系の機能低下ということになり、解剖学的には前頭連合野、線条体、小脳の機能低下等が見られます。

心理学的にはまず、今見たことや聞いたことを記憶(短期記憶)して、過去の記憶と関連つけて考えるワーキングメモリーの容量が、注意欠如・多動性障害では少ないため、物事を順番に行うことが難しくなります。

又、少し我慢して待てば、より多くの報酬が得られるのに、我慢できずに目の前の報酬に飛びついてしまいます。時間感覚では、一定の時間内にどれだけのことができるのか把握できないことです。

例えば、15分しかないのに、その間に1時間はかかる作業を詰め込み、学校に遅刻するといったようなことが起きてしまいます。

これらをTriple pathwayの障害と言われています。最近はDefault mode networkの障害もあるのではと言われています。私達は何もしていない時は色んなことを頭の中で考えますが、集中している時はその色んなことなどを考えたりしません。

しかし、注意欠如多動性障害の子供達は集中しなくてはいけない時に他の余計なことを考え、静かにしなければいけない時に周りのことが気になって仕方がない、こういった現象をDefault mode networkの障害といいます。

発達障害の中で薬物療法が有効なのは注意欠如多動性障害のみ

注意欠如多動性障害は行動療法と薬物療法があります。ここでは薬物療法についてお話をいたします。ドーパミン、ノルアドレナリンを増やす薬が有効です。小児の注意欠如多動性障害に使用できる薬剤はコンサータとストラテラの2剤です。

今まではリタリンという中枢神経刺激剤が使われていて、リタリンは注意欠如多動性障害に75%有効と言われていました。しかし、薬物依存性、乱用などがあり、現在はナルコレプシーという睡眠障害のみが適用となり、注意欠如多動性障害に使用することができません。

このリタリンに代わって登場したのがコンサータです。

コンサータは服用1~2時間後から効果を発揮

6歳~18歳までの小児の注意欠如多動性障害に使用され、約12時間の効果が持続します。コンサータを第一選択薬とする専門医が多いです。学習記憶、意欲の亢進、多動、攻撃性の改善などに有効性があり、効果発現が早いからです。

家庭の中でも効果を期待したい場合はストラテラ

自閉的要素やうつ症状、不安障害等、午後6時以降、早朝にも効果を期待したい場合はストラテラが第一選択です。さらにコンサータ、ストラテラの両方の効果を期待するのなら、朝食後にコンサータ、夕食後にストラテラを処方します。

コンサータは体重のチェックを定期的に

コンサータは食欲中枢を抑制するので、食欲が減退します。そのため、朝食後の服用となります。効果は約12時間続くので、効果が無くなった服用後12時間以降に夕食をとることをお薦めします。コンサータの服用中に体重減少が見られたら処方を考え直す必要があります。

ストラテラは2~4週間で効果発現

服用中に食事中の悪心、不快感などの副作用が出易いので、効果が出るまで辛抱して、服薬を続けることが重要です。

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